集中しやすい業務

  • 日々の現金管理と記帳
  • 買取台帳の記入・保管
  • スタッフの給与計算
  • 取引先への支払い
  • 店番と電話対応

どれも止まると業務が止まる仕事です。

切り分けの手順

  1. 一日・一週間・一か月の業務を書き出す
  2. それぞれの所要時間を記録する
  3. 誰にでもできる業務と、経験が要る業務に分ける
  4. できる業務から他の人に移す
  5. 手順書を作る

特に注意する点

業務リスク
現金管理一人で完結すると牽制が働かない
買取台帳記載漏れが法令面の問題になる
支払い期日が把握されていない
給与計算担当不在で支給が止まる

現金を扱う業務は、一人に任せきりにしないでください。本人のためにもなりません。

報酬の整理

担っている業務量に対して報酬が見合っているか。多すぎても少なすぎても、承継時に論点になります。

業務内容を書き出したうえで、金額の根拠を説明できるようにしておいてください。

承継後どうするか

  • そのまま残る:役割と報酬を書面にする
  • 徐々に抜ける:引き継ぎ期間を明示する
  • 同時に抜ける:代わりの人を先に入れる

店主と配偶者が同時に抜ける形は、後継者にとって負担が大きくなります。

業務の棚卸しをする

何を担っているかを、本人と一緒に書き出してください。

  1. 日次の業務 — 開店準備、レジ、現金管理、記録
  2. 週次の業務 — 発注、シフト、清掃の手配
  3. 月次の業務 — 給与計算、請求、支払い、試算表
  4. 年次の業務 — 決算の準備、保険の更新、届出
  5. 不定期の業務 — 採用、トラブル対応
  6. 本人しか知らない情報を書き出す

6番目が最も重要です。取引先の担当者名、パスワード、支払いの慣行、書類の保管場所。これらが記録されていないと、その人が抜けた瞬間に業務が止まります。

切り分けの順序

一度に移すのは現実的ではありません。

  • 定型的な業務から移す — 手順が明確なものです
  • 外部に出せる業務を切り分ける — 給与計算、記帳など
  • システムで代替できる部分を特定する
  • 権限を分散する — 口座、決裁、システム
  • 最後に、判断を伴う業務を移す
  • 移行の記録を残す

4番目を早く進めてください。口座の権限やシステムのアクセスが1人に集中していると、その人が不在のときに何もできません。権限の分散は、業務の移管より先に着手できます。

承継後の関与を決める

承継の際、この人の扱いが論点になります。

  • 本人の意思を確認する
  • 残る場合の役割と処遇を決める
  • 抜ける場合の引き継ぎ期間を決める
  • 買い手・後継者に、担っている業務を説明する
  • 報酬の妥当性を整理する

4番目を丁寧に行ってください。外部から見ると、配偶者の業務範囲は見えにくいものです。実際に何を担っているかを書き出して示せば、引き継ぎの計画が立てられます。説明がないと、承継後に業務の穴が生じます。

現金管理の分離

この業種では、現金の扱いが1人に集中しやすくなります。

  • 入出金の記録と、実残高の照合を分ける
  • 複数名で確認する体制にする
  • 金庫の鍵の管理を定める
  • 手元現金の上限を決める
  • 差異が出た場合の手順を定める

2番目は、本人を守る意味もあります。1人がすべてを扱う体制では、差異が生じたときに疑いが向かいます。複数名で確認する形にしておけば、双方にとって安全です。承継の場面でも、内部統制として評価されます。

まとめ

配偶者への集中は、止まったときの影響が大きいという一点で問題です。

業務の棚卸しと手順書づくりから始めてください。