月次と日次で見るものは違う

月次のKPIは構造を見るものです。日次で見るのは今日の行動を決めるための数字です。

混同すると、店長は月次の数字を毎日眺めるだけになります。

日次1:昨日の買取件数と金額

仕入れは事業の入口です。件数が落ちていれば、その日のうちに手を打てます。

  • 前週の同じ曜日と比べる
  • チャネル別(来店・出張・宅配)に見る

日次2:昨日の売上と客数

単純ですが、必要です。曜日ごとの波を把握していると、異常に気づけます。

日次3:本日の値下げ・販路変更の対象

日齢が基準に達した在庫のリストです。これが自動で出れば、毎日少しずつ処理できます。

月末にまとめてやろうとすると、結局やりません。日次で数点ずつが現実的です。

日次4:未処理の案件

  • 本人確認が未完了の取引
  • 入力が未完了の買取
  • 返信していない問い合わせ・オンライン査定
  • 発送していない注文

これらは放置すると必ず問題になる項目です。毎朝ゼロにする運用にしてください。

日次5:本日の入荷予定・来店予定

  • 出張買取の予定
  • 取り置き客の来店予定
  • 修理・鑑定からの戻り
  • 催事・イベントの準備

これがあると、その日の人員配置が決まります。

表示のしかた

ログインして探すのでは、見なくなります。

  • 1画面に収める
  • 朝礼の前に自動で出力・配信する
  • 前週同曜日との比較を並べる
  • 異常値は色を変える

行動につなげる

数字を見るだけでは変わりません。朝礼で次を決めてください。

  • 今日、値下げ・販路変更する点数
  • 今日、片付ける未処理案件
  • 買取件数が落ちているなら、その原因と対策

日次と月次で見るものを分ける

同じ数字を毎日見る必要はありません。日次は行動を決めるため、月次は方針を決めるためと役割を分けてください。

日次月次
目的今日やることを決める傾向をつかみ方針を決める
在庫本日の値下げ・販路変更の対象日齢区分別の金額と構成比
買取昨日の件数と金額チャネル別の内訳と推移
販売昨日の売上と客数カテゴリ別の粗利率と回転日数
その他未処理の案件、来店予定買取原価率、棚卸差異

日次のものは朝礼の前に自動で出る形にしてください。ログインして探すのでは見なくなります。

行動につながる形にする

数字を出すこと自体が目的ではありません。見た人が何をするかまで決まっている形にしてください。

  • 値下げ対象の一覧 — 該当する商品が自動で出れば、探す手間がありません。「今日はこの5点を下げる」という行動になります
  • 未処理の案件 — 預かり品、鑑定に出している品、回答待ちのオンライン査定。放置を防げます
  • 本日の入荷予定・来店予定 — 人員の配置を決められます
  • 前日比・前週同曜日比 — 増減が見えると、原因を考える動きが生まれます

逆に、行動が決まらない数字は日次から外してください。見る項目が多いと、結局どれも見なくなります。1画面に収めるのが原則です。

見る習慣をどう作るか

仕組みを作っても見なければ意味がありません。習慣にする工夫を挙げます。

  1. 朝礼の前に自動配信する — メールやチャットで届く形にすれば、探さずに済みます
  2. 朝礼の議題に固定する — 「昨日の件数」から始める形にすると、見ることが前提になります
  3. 1画面に収める — 複数ページになると読まれません
  4. 店長にも同じものを渡す — 経営者だけが見ている状態では、現場の行動が変わりません
  5. 項目を3か月ごとに見直す — 見ていない項目を削り、必要な項目を足します
  6. とくに4番目が効果を分けます。数字を現場と共有すると、「なんとなく在庫が多い」という会話が「181日超が前月比で◯%減った」という会話に変わります。

    まとめ

    日次は、買取件数・売上と客数・値下げ対象・未処理案件・本日の予定の5つです。1画面に収めてください。

    まず未処理案件の一覧を毎朝出すところから始めましょう。効果がすぐ出ます。