散らばっていると何が困るか
- それぞれに承継の説明が必要になる
- 保証の外し方も個別交渉になる
- 返済日が分散し、資金繰りが読みにくい
- 金利や条件がばらばら
- 買い手から見て把握しにくい
まとめる効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 交渉先が減る | 承継の説明が一本化される |
| 条件の見直し | 金利・期間を整理できる |
| 資金繰りが読める | 返済日がそろう |
| 説明しやすい | 買い手・後継者に伝えやすい |
まとめないほうがよい場合
- 公的な制度融資で条件が有利なもの
- 長年の関係がある金融機関との取引
- まとめることで金利が上がる場合
- 一行に依存すると調達先が細る場合
すべてを一本にする必要はありません。整理することが目的です。
進め方
- 借入の一覧を作る(残高・金利・期間・担保・保証)
- 返済の見通しを立てる
- 主力の金融機関に相談する
- 条件を比較する
- 実行の時期を決める
承継前のタイミング
整理は承継の数年前に済ませておくのが理想です。承継の直前だと、金融機関も慎重になります。
現状を一覧にする
整理の判断は、把握から始まります。
- 借入先、残高、金利、返済期日を一覧にする
- 担保の設定状況を確認する
- 個人保証の有無と範囲を確認する
- 財務制限条項の有無を確認する
- 月々の返済額の合計を出す
- 返済負担率を計算する
4番目を見落とさないでください。一定の財務指標を維持する義務が定められている場合、在庫の処理や資産の売却が制限に触れる可能性があります。承継の準備を始める前に確認してください。
まとめる場合の効果と費用
整理には利点と負担の両方があります。
- 管理が簡素になる — 窓口が減ります
- 返済額が平準化できる場合がある
- 金利条件が改善する場合がある
- 一方で、手数料が発生する
- 担保・保証の再設定が必要になる場合がある
- 既存の関係が失われることがある
6番目を軽視しないでください。複数の金融機関との関係は、いざというときの選択肢でもあります。1社にまとめると、その1社の判断に依存することになります。効果と、この点を比べて判断してください。
承継の前に整理する意味
借入の状態は、承継の交渉に影響します。
- 買い手が状況を把握しやすくなる
- 個人保証の解除交渉が進めやすくなる
- 財務制限条項の確認が簡素になる
- 手取りの試算が明確になる
- 期限の利益喪失事由の確認が減る
5番目は実務上の負担に直結します。借入契約ごとに、経営権の変動が期限の利益喪失事由に当たるかを確認する必要があります。契約が少ないほど、この確認が簡素になります。承継の1〜2年前に整理しておくと、手続きが円滑になります。
金融機関との相談の進め方
整理を検討するなら、順序があります。
- 主要な取引先に先に相談する
- 整理の目的を説明する — 承継の準備であることを含めます
- 複数の提案を比較する
- 手数料を含めた総額で判断する
- 専門家に確認してもらう
2番目の説明の仕方に注意してください。承継を検討していることを金融機関に伝えるかどうかは、慎重に判断すべき事項です。情報の管理と、相談のメリットを比べてください。判断に迷う場合は、専門家に相談してから伝えてください。
まとめ
借入は一覧を作ることから始めてください。
目的は本数を減らすことではなく、説明できる状態にすることです。