遺留分とは何か

一定の相続人には、最低限の取り分が保障されています。遺言でこれを下回る配分をした場合、その相続人は請求できます。

具体的な割合や請求の期間は法律で定められています。詳細は弁護士に確認してください。

店の承継で何が問題か

状況起きること
財産の大半が自社株他の子に渡せる財産が少ない
店舗不動産が大きい不動産に価値が偏る
現預金が少ない代償金を用意できない

リユース業では在庫が資産の中心を占めるため、株の評価が高く出ることがあります。

備えの選択肢

  1. 生命保険で代償金の原資を作る
  2. 他の財産を継がない子に配分する
  3. 会社から退職金を出し、原資にする
  4. 生前に話し合い、合意を得ておく
  5. 法律上の特例の活用を検討する

生前の合意という方法

相続人全員の合意があれば、あらかじめ取り決めをしておく枠組みがあります。手続きに要件があるため、弁護士に相談して進めてください。

合意を得るには、家族への説明と納得が前提です。時間がかかることを見込んでください。

在庫を整理する効果

滞留在庫を減らせば、株の評価が下がる可能性があります。結果として遺留分の負担も軽くなります。相続対策としても在庫の整理は有効です。

何が問題になるかを具体化する

この業種では、財産の構成が偏りやすくなります。

  • 株式と事業用資産が財産の大半を占める
  • 在庫の評価が財産額を押し上げる — 簿価が実勢より高い場合です
  • 現金・預金が少ない — 在庫に資金が寝ているためです
  • 分けられる財産が限られる
  • 事業を継ぐ人以外に渡せる資産が乏しい

2番目と3番目の組み合わせが、この業種の特徴です。帳簿上の財産額は大きいのに、分けられる現金がない。この状態が、相続の場面での争いを生みます。在庫の整理が、この構造の緩和につながります。

取りうる手段を並べる

いくつかの手段があります。

  1. 生前の合意という方法 — 一定の手続きを経る必要があります
  2. 保険を活用する — 分けられる資金を用意する形です
  3. 財産の構成を見直す — 在庫を減らし、現金化を進めます
  4. 他の財産を確保する
  5. 生前に一部を渡しておく
  6. 専門家と設計する

いずれも法律上・税務上の判断を伴います。必ず弁護士・税理士にご相談ください。特に1番目は、要件と手続きが定められています。自己判断で進めず、専門家とともに設計してください。

在庫の整理が効く理由

この業種に特有の対策です。

  • 滞留在庫を処理すると、財産額の見え方が実態に近づく
  • 現金化により、分けられる財産が増える
  • 納税資金の確保にもつながる
  • 事業の収益性も改善する
  • 承継の準備としても意味がある

2番目が最も直接的な効果です。在庫に資金が寝ている状態では、他の相続人に渡せる財産がありません。日齢の長い在庫を現金に変えることで、配分の選択肢が増えます。相続の対策としても、経営改善としても有効です。

家族との話をどう進めるか

制度の設計だけでなく、対話が必要です。

  • 財産の全体像を共有する
  • 事業の状況を説明する — 帳簿の数字と実態の差を含めます
  • 継ぐ人の負担も伝える — 個人保証、返済の義務です
  • それぞれの意向を聞く
  • 専門家を交えて話す

3番目を伝えてください。事業を継ぐことは、資産を受け取るだけではありません。個人保証や借入の返済という負担も伴います。この点が共有されていないと、「事業を継ぐ人だけが得をする」という認識が生じます。数字で示してください。

まとめ

遺留分は遺言だけでは越えられません。原資の準備と生前の合意で備えてください。

在庫の整理が、対策として効く場合があります。

※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。税務上の取扱いや補助金の対象・要件は、制度の改正や個別の事情によって異なります。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家および管轄窓口にご確認ください。