なぜ遺言が要るか

遺言がないと、株式や事業用資産は相続人で分けることになります。結果として次のことが起きます。

  • 株が分散し、意思決定ができなくなる
  • 店舗不動産が共有になり、処分できない
  • 遺産分割の話し合いが長引く
  • その間、営業に支障が出る

集めるべきもの

資産集める理由
自社株議決権を確保する
店舗・倉庫の不動産営業の継続に必要
事業用の車両・設備日々の業務に使う
屋号の商標看板を守る

継がない子への配慮

店を一人に集めると、他の子の取り分が減ります。配慮をセットにしないと争いになります。

  1. 預貯金や他の不動産を配分する
  2. 生命保険を活用する
  3. 会社から代償金を出せるようにする
  4. 付言事項で理由を説明する

作成の手順

  1. 財産の全体を把握する
  2. 誰に何を渡すかの方針を決める
  3. 遺留分に配慮した配分を検討する
  4. 弁護士・司法書士に相談する
  5. 公正証書として作成する
  6. 定期的に見直す

注意点

遺言があっても、遺留分を侵害すると請求される可能性があります。配分の設計は専門家と行ってください。

また、財産の状況は変わります。作って終わりにせず、数年ごとに見直すことをおすすめします。

集めるべきものを特定する

事業を継続させるには、必要な資産を一体で渡す必要があります。

  1. 株式 — 経営権の基礎です
  2. 店舗の土地・建物 — 個人名義の場合です
  3. 倉庫・駐車場
  4. 車両
  5. 営業に使っている個人名義の資産
  6. 会社への貸付金
  7. 6番目を見落とさないでください。経営者から会社への貸付金は、相続財産になります。承継する人以外に相続されると、会社に返済を求められる可能性があります。扱いを含めて、専門家に相談してください。

    作成と保管の手順

    形式の不備で効力が問題になることがあります。

    • 方式を選ぶ — 公正証書によるものなど、複数の方式があります
    • 専門家に相談する — 内容と形式の両方です
    • 財産を特定して記載する — 曖昧な記載は紛争の原因になります
    • 遺言執行者を定めることを検討する
    • 保管の方法を決める
    • 定期的に見直す

    作成にあたっては、必ず弁護士・専門家にご相談ください。方式の要件を満たさないと、効力が問題になります。また、内容によっては他の相続人との紛争を招きます。自己流での作成は避けてください。

    継がない相続人への配慮を書く

    事業用資産を集中させる場合、その理由を示すことが有効です。

    • 事業の継続に必要であることを説明する
    • 他の財産の配分を検討する
    • 生前に説明する機会を持つ
    • 遺留分に関する検討を行う
    • 専門家の助言を得る

    3番目が最も紛争を防ぎます。遺言の内容を死後に初めて知ると、感情的な反発が生じます。生前に事情を説明し、理解を得ておくほうが、結果として円滑に進みます。伝えにくい話ですが、専門家の同席を得て進めることもできます。

    定期的に見直す

    一度作って終わりではありません。

    • 財産の状況が変わったとき
    • 家族構成が変わったとき
    • 事業の状況が変わったとき — 譲渡を決めた場合などです
    • 制度が改定されたとき
    • 年1回、内容を確認する

    3番目の場合、見直しが必須です。第三者への譲渡を決めた場合、株式は現金に変わります。遺言の内容が実態と合わなくなるため、書き直しが必要になります。事業の方針が変わったら、あわせて確認してください。

    まとめ

    遺言は、店を残すための道具です。

    集めるだけでなく、継がない子への配慮を必ずセットにしてください。

    ※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。税務上の取扱いや補助金の対象・要件は、制度の改正や個別の事情によって異なります。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家および管轄窓口にご確認ください。