なぜ遺言が要るか
遺言がないと、株式や事業用資産は相続人で分けることになります。結果として次のことが起きます。
- 株が分散し、意思決定ができなくなる
- 店舗不動産が共有になり、処分できない
- 遺産分割の話し合いが長引く
- その間、営業に支障が出る
集めるべきもの
| 資産 | 集める理由 |
|---|---|
| 自社株 | 議決権を確保する |
| 店舗・倉庫の不動産 | 営業の継続に必要 |
| 事業用の車両・設備 | 日々の業務に使う |
| 屋号の商標 | 看板を守る |
継がない子への配慮
店を一人に集めると、他の子の取り分が減ります。配慮をセットにしないと争いになります。
- 預貯金や他の不動産を配分する
- 生命保険を活用する
- 会社から代償金を出せるようにする
- 付言事項で理由を説明する
作成の手順
- 財産の全体を把握する
- 誰に何を渡すかの方針を決める
- 遺留分に配慮した配分を検討する
- 弁護士・司法書士に相談する
- 公正証書として作成する
- 定期的に見直す
注意点
遺言があっても、遺留分を侵害すると請求される可能性があります。配分の設計は専門家と行ってください。
また、財産の状況は変わります。作って終わりにせず、数年ごとに見直すことをおすすめします。
集めるべきものを特定する
事業を継続させるには、必要な資産を一体で渡す必要があります。
- 株式 — 経営権の基礎です
- 店舗の土地・建物 — 個人名義の場合です
- 倉庫・駐車場
- 車両
- 営業に使っている個人名義の資産
- 会社への貸付金
- 方式を選ぶ — 公正証書によるものなど、複数の方式があります
- 専門家に相談する — 内容と形式の両方です
- 財産を特定して記載する — 曖昧な記載は紛争の原因になります
- 遺言執行者を定めることを検討する
- 保管の方法を決める
- 定期的に見直す
- 事業の継続に必要であることを説明する
- 他の財産の配分を検討する
- 生前に説明する機会を持つ
- 遺留分に関する検討を行う
- 専門家の助言を得る
- 財産の状況が変わったとき
- 家族構成が変わったとき
- 事業の状況が変わったとき — 譲渡を決めた場合などです
- 制度が改定されたとき
- 年1回、内容を確認する
6番目を見落とさないでください。経営者から会社への貸付金は、相続財産になります。承継する人以外に相続されると、会社に返済を求められる可能性があります。扱いを含めて、専門家に相談してください。
作成と保管の手順
形式の不備で効力が問題になることがあります。
作成にあたっては、必ず弁護士・専門家にご相談ください。方式の要件を満たさないと、効力が問題になります。また、内容によっては他の相続人との紛争を招きます。自己流での作成は避けてください。
継がない相続人への配慮を書く
事業用資産を集中させる場合、その理由を示すことが有効です。
3番目が最も紛争を防ぎます。遺言の内容を死後に初めて知ると、感情的な反発が生じます。生前に事情を説明し、理解を得ておくほうが、結果として円滑に進みます。伝えにくい話ですが、専門家の同席を得て進めることもできます。
定期的に見直す
一度作って終わりではありません。
3番目の場合、見直しが必須です。第三者への譲渡を決めた場合、株式は現金に変わります。遺言の内容が実態と合わなくなるため、書き直しが必要になります。事業の方針が変わったら、あわせて確認してください。
まとめ
遺言は、店を残すための道具です。
集めるだけでなく、継がない子への配慮を必ずセットにしてください。
※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。税務上の取扱いや補助金の対象・要件は、制度の改正や個別の事情によって異なります。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家および管轄窓口にご確認ください。