保証表示の意味
「真贋保証」「本物保証」といった表示は、購入者にとって大きな安心材料です。とくに高額品では、これがあるかないかで売れ行きが変わります。
一方で、表示した以上はその内容に責任を負うことになります。後から偽造品と判明すれば、返金や損害への対応が求められます。
この二面性を理解しておくことが大切です。売るための表示であると同時に、負う責任を自分で決める行為でもあります。体制に見合った範囲で書くという発想が要ります。
書きすぎのリスク
体制が伴わないのに強い表現を使うと、次の問題が生じます。
- 実際に偽造品が出たとき、対応の負担が大きくなる
- 表示と実態が違えば、表示に関する法令上の問題にもなり得る
- M&Aの場面で、過去の販売分について広い責任を負っていると評価される
3番目は、譲渡を考えるときに実際に問題になります。過去に販売した分について広い保証をしていると、買い手がその責任を引き継ぎたがりません。表明保証の範囲が広がる形で条件に反映されます。
書かなさすぎのリスク
逆に、何も書かなければ売れません。とくにECでは、保証の記載がない出品は選ばれにくくなります。
また、「一切保証しません」といった表示をしても、事業者としての責任がすべて免れるわけではありません。
つまり、書かないことでリスクを消せるわけではありません。売れなくなるだけです。書かない選択より、根拠と範囲を明示する選択のほうが実務的です。
現実的な設計
次のように、根拠と範囲を明示する書き方が実務的です。
- 誰が、どう確認したかを書く(社内基準による確認済み/外部鑑定機関の鑑定書付き)
- 万一の場合の対応を書く(偽造品と判明した場合は返金する、など)
- 対応の期間を明示する
- 状態に関する表示とは分けて書く
「絶対に本物です」ではなく、「こう確認しています。違った場合はこう対応します」という書き方のほうが、購入者にも伝わり、自社も守れます。
この書き方の利点は、体制が育つほど強い表現が使えるようになることです。チェック項目が厚くなり、外部鑑定の体制も整えば、その事実をそのまま書けます。表示と実態を一致させ続けてください。
状態表示と混同しない
真贋の保証と、状態(使用感、傷、動作)の表示は別のものです。返品の理由としても、扱いが異なります。
商品ページでは、次を分けて記載してください。
- 真贋に関する確認と保証
- 状態ランクと、その定義
- 付属品の有無
- 返品・返金の条件
分けて書く効果は、返品対応の場面で表れます。「真贋の問題」と「状態の認識のずれ」は対応が違うためです。商品ページの構成として別の見出しにしておくと、お客様にも伝わります。
社内で統一する
担当者ごとに書き方が違うと、後で問題になります。次を決めてください。
- 使ってよい表現と、使わない表現の一覧
- カテゴリ別の標準文言(テンプレート)
- 外部鑑定書がある場合の書き方
- 誰が最終確認するか
テンプレート化すれば、出品作業も速くなります。法令対応と業務効率が同時に改善する典型例です。
テンプレート化は、出品作業の速さにも効きます。担当者が毎回文言を考えるのをやめれば、1点あたりの作業時間が短くなります。法令対応と業務効率が同時に改善する典型例です。
使ってよい表現と避ける表現
社内で統一するときの目安を挙げます。自店の体制に合わせて調整してください。
| 避けたい表現 | 置き換えの例 |
|---|---|
| 絶対に本物です | 当店の基準に沿って確認しています |
| 100%正規品保証 | 外部鑑定機関の鑑定書が付属します |
| 鑑定済みのため安心 | ◯◯を確認済みです(確認箇所を具体的に) |
| 偽物なら全額返金・永久保証 | 偽造品と判明した場合、◯日以内であれば返金します |
| 一切の返品を受け付けません | 記載と異なる場合は返品を承ります |
置き換えの共通点は、何を確認したのか、違った場合どうするのかを具体的に書いていることです。強い言葉より具体的な記述のほうが購入者にも安心を与えます。
あわせて、体制が変わったら表示も見直してください。外部鑑定をやめたのに鑑定書付きの表示が残っている、という状態は避けなければなりません。
まとめ
保証表示は、根拠と対応を明示する書き方にしてください。「絶対」ではなく「こう確認し、違えばこう対応する」です。
まずカテゴリ別の標準文言を作り、社内で統一するところから始めましょう。
標準文言は、主力カテゴリから作り始めてください。1つ型ができれば他のカテゴリにも応用できます。進め方についてはご相談いただけます。