何が問題になるのか

景品表示法では、実際よりも著しく優良だと誤認させる表示や、価格などの取引条件について著しく有利だと誤認させる表示が問題とされます。

中古品の販売では、状態と価格の2つで、この論点に触れやすくなります。

中古品でとくに触れやすいのは、状態を実際より良く見せる表現です。売りたい気持ちから前向きな言葉を選びがちですが、受け取る側の期待と実物がずれると問題になります。

状態表記の注意点

次のような表現は、根拠と定義が必要です。

  • 「新品同様」「未使用に近い」:どういう状態を指すのか、基準を定義しているか
  • 「美品」:店ごとに解釈が違う。自店の定義を明示しているか
  • 「完動品」:どこまで動作確認したのか
  • 「正規品」:何をもってそう言えるのか

対策は単純で、状態ランクの定義を明記することです。「Aランク=使用感がほとんどなく、目立つ傷がない状態」といった定義を、商品ページに載せてください。

定義を明記する効果は、返品の減少としても表れます。「Aランクとはこういう状態です」と写真付きで示してあれば、届いたときの落差が小さくなります。法令対応とクレーム対策が同じ手当てで進みます。

価格表示の注意点

比較対照価格を示す場合、その価格に根拠が必要です。

  • 「定価◯円のところ◯円」:その定価はいつ、どこの価格か
  • 「通常価格◯円」:実際にその価格で相当期間販売していたか
  • 「業界最安値」:何と比較して、いつ時点の話か

中古品では新品の定価と比較したくなりますが、比較の対象と時点を明示できないなら使わないのが安全です。

中古品では、比較表示を使わないのがいちばん安全です。新品の定価と比べたくなりますが、年式や状態が違うものを同列に並べることになります。価格の妥当性は状態の説明で伝えてください。

買取側の広告も対象になる

販売だけでなく、買取の広告にも注意が必要です。

  • 「他店より高く買います」:根拠を示せるか
  • 「最大◯%アップ」:どういう条件で適用されるか、条件が明示されているか
  • 「高価買取」:具体性がなければ問題になりにくいが、数値を出すなら根拠が要る

「他店より高く買います」は使いやすい表現ですが、根拠を示せないなら避けたほうが安全です。代わりに、査定の根拠を説明できる体制を訴求点にするほうが長く効きます。

社内でルール化する

担当者の裁量に任せると、必ずばらつきます。次を整備してください。

  1. 状態ランクの定義(写真付き)を作り、商品ページに常時掲載する
  2. 使ってよい表現と、使わない表現の一覧を作る
  3. 価格の比較表示は、原則として使わない(使う場合は責任者の承認制)
  4. 買取広告の文言は、担当者が個別に作らずテンプレートから選ぶ

この4つのうち、1番目が最も効果が大きい手当てです。状態ランクの定義が常に見られる場所にあれば、個々の商品ページで無理な表現を使う必要がなくなります。

承継とM&Aでの扱い

買収監査では、広告や商品ページの表示も確認の対象になり得ます。過去の表示に問題があれば、リスクとして扱われます。

状態ランクの定義があり、表現のルールが文書化されていれば、管理されている会社として評価されます。

過去の表示について問われた場合、ルールが文書化されていていつから運用しているかが示せれば説明ができます。表現の一覧と状態ランクの定義をいつ作ったかを記録に残しておいてください。

状態ランクの定義をどう作るか

定義づくりは難しく見えますが、実際の商品を使えば半日で形になります。

  1. ランクの数を決める — 4〜5段階で十分です。細かくしすぎると担当者が判断できません
  2. 各ランクの商品を実際に選ぶ — 在庫の中から「これがAランク」という見本を選びます。文章から作るより早く、精度も出ます
  3. 見本を撮影する — 全体と、傷や使用感が分かる箇所。ランクごとに2〜3点あると判断のばらつきが減ります
  4. 言葉で書き足す — 写真だけでは伝わらない部分を補います。「目立つ傷がない」ではなく「50cm離れて見て傷が分からない」のように具体的にします
  5. 商品ページに常時掲載する — 各商品に書くのではなく、共通ページを作ってリンクします
  6. カテゴリごとに調整する — 衣類と家電では見るところが違います。主力カテゴリから作ってください

この定義は、査定基準としても使えます。買取時のランク付けと販売時の表示が同じ基準になれば、価格の根拠も説明しやすくなります。

まとめ

中古品の表示は、状態と価格の2つが要注意です。状態はランクを定義して明示し、価格の比較表示は原則使わない。

まず自店の商品ページに、状態ランクの定義が載っているかを確認してください。

自店の商品ページを開いて、状態ランクの定義が載っているかを確認してください。載っていなければ、そこから作り始めるのが最も効果の大きい一手です。