表記が必要になる場面
インターネットで商品を販売する場合、事業者に関する情報や取引条件を表示することが求められます。自社サイトはもちろん、モール出店でも同様です。
あわせて、古物営業法にもとづく許可に関する表示も必要になります。この2つは別のものなので、両方を載せてください。
2つが別のものだという点を押さえておいてください。古物商許可の表示があるから足りる、というわけではありません。両方を載せる必要があります。モールの店舗ページにも記載欄があります。
記載が求められる主な事項
- 販売事業者の名称・所在地・連絡先
- 責任者の氏名
- 販売価格と、送料などの追加費用
- 代金の支払方法と時期
- 商品の引渡時期
- 返品・交換の可否と条件、その期限
- 返品時の送料の負担
記載事項は法令で定められています。最新の内容を確認して整備してください。
この一覧をもとに、テンプレートを1つ作ってください。販路ごとに内容が違っている状態は避けたいところです。一つの型を作って全販路で使い回すのが確実です。
中古品の返品条件をどう書くか
ここが実務の要です。中古品は一点物で、同じものへの交換ができません。次を明確にしてください。
- お客様都合の返品を受けるか:受ける/受けない、を明記する
- 記載と異なる場合の扱い:状態表示と実物が違った場合は返品を受ける、など
- 期限:到着後何日以内か
- 送料の負担:どちらが持つか
- 返品を受けられない条件:使用後、付属品の欠品、加工した場合など
返品を受けない方針の場合も、記載しないのではなく「受けない」と明記する必要があります。
1番目の「受ける/受けない」は経営判断です。受けない方針でも構いませんが、記載と異なる場合の扱いは別に決めておく必要があります。ここを混同しないでください。
状態表示とセットで考える
返品トラブルの多くは、状態の認識のずれから起きます。返品条件を厳しくするより、状態表示を丁寧にするほうが効果的です。
- 傷や汚れは必ず撮影し、位置を明記する
- 状態ランクの定義を載せる
- 動作確認の範囲を書く(どこまで確認したか)
- 付属品の有無を項目で示す
この考え方が実務の要点です。返品条件を厳しくしても、認識のずれがある限りクレームは減りません。傷を隠さず撮ることが結果として返品を減らします。
モール出店の場合
モールごとに、返品に関する独自のルールが設けられていることがあります。自社の方針とモールの規約が食い違うと、後で問題になります。
出店前に規約を確認し、モールのルールに沿った条件を設定してください。
規約は出店前に読んでください。出店してから自社の方針と食い違いに気づくと、運用を変えることになります。複数のモールに出す場合は規約の違いも整理しておいてください。
社内での運用
- 表記ページのテンプレートを作り、全販路で統一する
- 返品の申し出があった場合の判断基準と、対応する担当者を決める
- 返品理由を記録し、月次で集計する(状態表示の改善に使う)
- 返品率が高い担当者・カテゴリを把握し、出品の質を上げる
3番目の返品理由の集計は、出品の質を上げる材料になります。「状態表示と違った」という理由が多いなら、撮影ルールを見直す。返品を損失としてだけ見るのではなく改善の材料として使ってください。
返品を減らす商品ページの作り方
返品トラブルの多くは、状態の認識のずれから起きます。次を標準にすると返品率が下がります。
- 撮影の角度と枚数を固定する — 全体、正面、背面、付属品、傷の箇所。担当者が変わっても同じ品質になります
- 傷や汚れは必ず撮る — 隠すと必ず問題になります。正直に見せたほうが、届いたときの落差がありません
- 状態ランクの定義にリンクする — 各商品に書くのではなく、共通ページを作って参照します
- 動作確認の範囲を書く — 「どこまで確認したか」を明記します。確認していない機能があれば、そう書いてください
- 付属品を項目で示す — 「箱・保証書・取扱説明書」のそれぞれについて有無を書きます。文章に埋め込むと見落とされます
- 採寸を数字で書く — 衣類や家具では「思っていたより大きい/小さい」が返品理由の上位です
この6つは、ルールにしてしまえば作業時間はほとんど増えません。見本のページを1つ作り、それに倣う形にしてください。
まとめ
ECでは、特定商取引法にもとづく表記と、古物営業法の許可表示の両方が必要です。返品条件は、受ける・受けないを明記してください。
そしてトラブルを減らす最短路は、状態表示を丁寧にすることです。返品理由の集計から始めてみてください。
返品理由の集計は今月から始められます。理由を分類して記録するだけです。3か月分たまれば手を入れる場所が見えてきます。進め方についてはご相談いただけます。