何が問題になるか
- 家族の働きが賃金として計上されていない
- 逆に、働いていない家族に報酬が出ている
- 家計と店の支出が混ざっている
- 家族が抜けた場合の人件費が読めない
この状態だと、本当の利益がいくらか分かりません。
整理の手順
- 家族それぞれの担当業務を書き出す
- その業務を外部の人に任せた場合の相場を当てる
- 実際の報酬額と比べる
- 差額を調整するか、少なくとも説明できるようにする
- 家計と店の支出を分ける
買い手・後継者から見た論点
| 見る点 | 意味 |
|---|---|
| 家族が抜けたら誰がやるか | 追加の人件費 |
| 報酬が実態に合っているか | 利益の調整の有無 |
| 家計との混同 | 経費の妥当性 |
| 個人名義の資産 | 営業に必要か |
残す・抜けるを決める
承継後も家族に残ってもらうのか、抜けるのか。ここを曖昧にしたまま進めると、後継者が動きにくくなります。
- 残る場合:役割と報酬を書面にする
- 抜ける場合:業務を誰に渡すかを決め、引き継ぎ期間を取る
いま整えておくこと
- 家族の担当業務と勤務実態を書き出す
- 報酬額を業務内容と対応させる
- 店の口座と家計の口座を分ける
- 個人名義の資産を洗い出す
誰が何をしているかを書き出す
整理は、実態の把握から始まります。
- 家族の構成員を挙げる
- それぞれの担当業務を書く
- 勤務時間を書く
- 受け取っている報酬を書く
- 役職・肩書きを書く
- 就業規則や雇用契約の有無を確認する
6番目でつまずくことが多くあります。家族従業員について、雇用契約書がない例は珍しくありません。労働条件が書面で定まっていないと、承継の際に労務上の論点になります。整備しておいてください。
外部から確認される項目
外部から見ると、次の点が確認されます。
- 勤務の実態があるか — 報酬の妥当性に関わります
- 報酬が業務内容に見合っているか
- 労務上の手続きが適正か — 社会保険、労働保険
- 承継後も勤務を続けるか
- その人が抜けた場合の影響
- 個人と法人の資産・経費が分離されているか
5番目を先に整理してください。家族が実際に業務を担っている場合、承継後にその人が抜ける影響を織り込む必要があります。誰がどの業務を担い、承継後どうなるのかを説明できる形にしておいてください。
残る人・抜ける人を決める
承継の前に、方針を決めておく必要があります。
- 本人の意思を確認する
- 業務の引き継ぎ先を決める
- 抜ける場合の時期を決める
- 残る場合の処遇を決める
- 買い手・後継者に伝える
2番目が実務上の課題です。家族が担っていた業務は、範囲が曖昧なことが多くあります。抜けると決めたら、その業務を書き出し、引き継ぎ先を決めてください。曖昧なまま抜けると、承継後に混乱します。
報酬と経費を整理する
公私の区別が、評価に直接影響します。
- 勤務実態のない報酬を見直す
- 個人的な支出が経費に混ざっていないか確認する
- 家族名義の資産と法人の資産を区別する
- 法人から個人への貸付を確認する
- 2期分の決算に反映させるなら、2年前から着手する
個々の処理は、必ず税理士にご確認ください。切り分けによって税負担が増える場合がありますが、企業価値の評価と、保証の枠組みの適用の両面で有利に働きます。承継を検討し始めた時点で着手してください。
まとめ
家族経営は強みですが、整理されていないと利益が見えない会社になります。
役割と報酬を書き出すことから始めてください。