何が問題になるか

  • 家族の働きが賃金として計上されていない
  • 逆に、働いていない家族に報酬が出ている
  • 家計と店の支出が混ざっている
  • 家族が抜けた場合の人件費が読めない

この状態だと、本当の利益がいくらか分かりません

整理の手順

  1. 家族それぞれの担当業務を書き出す
  2. その業務を外部の人に任せた場合の相場を当てる
  3. 実際の報酬額と比べる
  4. 差額を調整するか、少なくとも説明できるようにする
  5. 家計と店の支出を分ける

買い手・後継者から見た論点

見る点意味
家族が抜けたら誰がやるか追加の人件費
報酬が実態に合っているか利益の調整の有無
家計との混同経費の妥当性
個人名義の資産営業に必要か

残す・抜けるを決める

承継後も家族に残ってもらうのか、抜けるのか。ここを曖昧にしたまま進めると、後継者が動きにくくなります。

  • 残る場合:役割と報酬を書面にする
  • 抜ける場合:業務を誰に渡すかを決め、引き継ぎ期間を取る

いま整えておくこと

  1. 家族の担当業務と勤務実態を書き出す
  2. 報酬額を業務内容と対応させる
  3. 店の口座と家計の口座を分ける
  4. 個人名義の資産を洗い出す

誰が何をしているかを書き出す

整理は、実態の把握から始まります。

  1. 家族の構成員を挙げる
  2. それぞれの担当業務を書く
  3. 勤務時間を書く
  4. 受け取っている報酬を書く
  5. 役職・肩書きを書く
  6. 就業規則や雇用契約の有無を確認する

6番目でつまずくことが多くあります。家族従業員について、雇用契約書がない例は珍しくありません。労働条件が書面で定まっていないと、承継の際に労務上の論点になります。整備しておいてください。

外部から確認される項目

外部から見ると、次の点が確認されます。

  • 勤務の実態があるか — 報酬の妥当性に関わります
  • 報酬が業務内容に見合っているか
  • 労務上の手続きが適正か — 社会保険、労働保険
  • 承継後も勤務を続けるか
  • その人が抜けた場合の影響
  • 個人と法人の資産・経費が分離されているか

5番目を先に整理してください。家族が実際に業務を担っている場合、承継後にその人が抜ける影響を織り込む必要があります。誰がどの業務を担い、承継後どうなるのかを説明できる形にしておいてください。

残る人・抜ける人を決める

承継の前に、方針を決めておく必要があります。

  • 本人の意思を確認する
  • 業務の引き継ぎ先を決める
  • 抜ける場合の時期を決める
  • 残る場合の処遇を決める
  • 買い手・後継者に伝える

2番目が実務上の課題です。家族が担っていた業務は、範囲が曖昧なことが多くあります。抜けると決めたら、その業務を書き出し、引き継ぎ先を決めてください。曖昧なまま抜けると、承継後に混乱します。

報酬と経費を整理する

公私の区別が、評価に直接影響します。

  • 勤務実態のない報酬を見直す
  • 個人的な支出が経費に混ざっていないか確認する
  • 家族名義の資産と法人の資産を区別する
  • 法人から個人への貸付を確認する
  • 2期分の決算に反映させるなら、2年前から着手する

個々の処理は、必ず税理士にご確認ください。切り分けによって税負担が増える場合がありますが、企業価値の評価と、保証の枠組みの適用の両面で有利に働きます。承継を検討し始めた時点で着手してください。

まとめ

家族経営は強みですが、整理されていないと利益が見えない会社になります。

役割と報酬を書き出すことから始めてください。