閉めることの効果
- 会社全体の利益が改善する
- 正常化後の利益が上がり、上乗せ部分が厚くなる
- 買い手が「閉店の手間」を負わずに済む
- 説明がシンプルになる
閉めることの費用
- 原状回復工事
- 什器の撤去・処分
- 解約予告期間中の家賃
- 中途解約の違約金
- 従業員の配置転換または退職
- 在庫の移動または処分
- リース残債の清算
これらの費用が、その期の決算に出ます。結果として、直近期が赤字になることも。
判断の計算
閉めるべきか = (年間の赤字額 × 上乗せの年数) vs (閉店費用 + 他店への貢献の喪失)
赤字が年間200万円で、上乗せが3年分なら、閉めることで600万円の評価改善。閉店費用が300万円なら、閉めるほうが有利です。
ただし「他店への貢献」を忘れないでください。
他店への貢献を確認する
店舗別の損益では赤字でも、次の貢献があることがあります。
- 買取の入口になっている:そこで仕入れ、他店で売っている
- 保管拠点として機能している
- 査定人材が在籍している
- 商圏を押さえ、競合の参入を防いでいる
1番目がある場合、閉めると他店の粗利も落ちます。必ず確認してください。
残す場合の説明
閉めずに譲る場合、次の4点で説明してください。
- 赤字の原因(家賃、商圏、人員、在庫)
- 他店への貢献(買取の入口としての件数)
- すでに打った手とその効果
- 改善の見通し、または閉店した場合の試算
「閉めればこれだけ改善する」という試算を出せば、買い手はそれを織り込んで評価できます。
時間との関係
閉店には数か月かかります。
- 解約予告期間(事業用は長いことが多い)
- 在庫の移動・処分
- 原状回復工事
譲渡の1年以上前でないと、間に合いません。直前に決めても実行できません。
中間の選択
- 売場を縮小する:区画の一部を返す
- 買取拠点に転換する:売場をやめ、仕入れと保管に特化
- 営業時間を短縮する:人件費を下げる
- 買い手に判断を委ねる:閉店の試算だけ示す
閉店にかかる費用を積み上げる
判断の前に、費用を具体的に見積もってください。
- 賃貸借契約の解約に伴う費用 — 予告期間中の賃料、違約金
- 原状回復費用 — 契約の範囲によって、金額が大きく変わります
- 在庫の移動または処分の費用
- 従業員の処遇に伴う費用 — 配置転換の費用、または退職に伴う費用
- 什器・設備の処分費用
- 古物営業法上の届出 — 営業所の廃止に関する手続きです
2番目の見積もりを早めに取ってください。原状回復は、契約書の記載と実際の請求額が大きく異なることがあります。閉店の判断をする前に、貸主または工事業者から概算を取っておいてください。判断が変わる規模の金額になる場合があります。
閉めずに譲る選択を検討する
赤字店であっても、そのまま引き継がれる可能性があります。
- 拠点としての価値がある — 立地、許可、内装、人員が揃っています
- 買い手のノウハウで改善できる場合がある — 品揃えや運営で変わることがあります
- 買取の入口として機能している — 販売が赤字でも、仕入れ拠点としての価値があります
- 閉店費用を負担せずに済む — 手取りへの影響は小さくありません
- 従業員の雇用を維持できる
閉店を決める前に、専門家に相談してください。赤字であることを理由に自己判断で閉めると、費用を負担したうえで拠点も失います。買い手候補の反応を確認してから判断するほうが、選択肢が広がります。
残す場合の説明を準備する
赤字店を含めて譲る場合、説明の準備が要ります。
- 赤字の金額と推移を正確に示す
- 原因を特定して説明する — 賃料、人員、商圏、在庫のどれかです
- 改善の取り組みと結果を示す
- 買取拠点としての貢献を数字で示す — その店で仕入れた品物の粗利です
- 閉店した場合の試算も示す — 費用と、失われる貢献の両方です
- 契約の残存期間を明示する
5番目まで示せると、判断の材料が揃います。「閉めるとこれだけの費用がかかり、これだけの買取が失われる」という試算を売り手が用意していれば、買い手は自分で計算し直す必要がありません。誠実な開示として評価されます。
まとめ
閉店費用と評価改善額を比べてください。他店への貢献(買取の入口)を必ず確認すること。
閉店には数か月かかります。残す場合は、閉店した場合の試算を示せば買い手が判断できます。