中継輸送とは

長距離の運行を途中で区切り、複数のドライバーがリレーする方式です。それぞれのドライバーは自分の拠点に戻れるため、日帰り運行が可能になります。

方式の種類

方式内容特徴
ドライバー交替車両はそのまま、人だけ交替する荷物を動かさない。車両の互換性が不要
トレーラー・スワップトラクタを付け替える荷役が不要。設備が必要
貨物の積替え荷物を別の車に移す荷役の手間と時間がかかる

ドライバー交替が最も手間が少ない方式です。ただし、交替地点まで別のドライバーが移動する手段が必要になります。

期待できる効果

採用面での効果は特に大きく、「泊まりなし」で募集できることの意味は年々増しています。求人原稿の書き方をご覧ください。

始めるための条件

1. 相手(パートナー)

自社だけで完結する場合を除き、相手の運送会社が必要です。

  • 既存の傭車先・協力会社
  • トラック協会などの場で知り合った同業
  • 荷主が組成する枠組みへの参加
  • マッチングの仕組みの活用

既にある関係から始めるのが最も現実的です。共同配送・混載の活用と同じ発想です。

2. 荷量と定期性

不定期のスポットでは組みにくく、定期的な便があることが前提になります。往復で荷量があると、なお組みやすくなります。

3. 中継地点

  • 両者の拠点の中間にあること
  • 車両を停められるスペース
  • 休憩できる施設
  • 安全に交替できる環境

高速道路のサービスエリア、道の駅、物流施設などが使われます。使用の可否と条件を事前に確認してください。

4. 車両の互換性

ドライバー交替方式では、相手のドライバーが自社の車両を運転します。車格・装備・操作の違いを確認し、必要なら事前に習熟の機会を設けてください。

実務上の課題

1. 時間の調整

双方が中継地点に同時に着く必要があります。渋滞や荷待ちで遅れると、相手を待たせます。 遅延時のルールを決めておいてください。

2. 責任の所在

  • 荷物の毀損が、どちらの区間で起きたか
  • 事故の責任
  • 保険の適用(他社のドライバーが運転する場合の扱い

保険については、代理店に必ず確認してください。契約によっては補償されない場合があります。事故時の保険と賠償の考え方をご覧ください。

3. 精算

運賃をどう分けるか。距離按分が基本ですが、荷役の有無や待機の負担も考慮して決めてください。計算が複雑すぎると続きません。

4. 荷主の同意

他社のドライバーが運ぶことについて、荷主の了解が必要な場合があります。契約で再委託が制限されていないか確認してください。荷主との契約書を整えるをご覧ください。

5. 許認可

取引の形態によっては、利用運送の登録が関わることがあります。事前に確認してください。貨物利用運送事業の登録をご覧ください。

※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。許認可の具体的な取扱い・必要書類・審査期間は、法令の改正や管轄行政庁の運用によって異なります。実際の手続きにあたっては、必ず管轄の運輸支局等および専門家にご確認ください。

採算の考え方

中継輸送は、手間が増えるぶんコストも増えます。

  • 中継地点までの移動
  • 待ち時間
  • 調整の事務
  • 積替えがある場合の荷役

これを上回る効果があるかを検証してください。

  • 宿泊費・手当の削減
  • 拘束時間の適正化(規制対応)
  • 採用・定着の改善(金額に出にくいが最も大きい)
  • 車両の稼働向上

採用難が続く前提で考えると、多少コストが増えても人が確保できるほうが有利という判断はあり得ます。

支援制度

中継輸送や共同化の取り組みについて、支援制度が用意されることがあります。名称・要件・時期は年度によって変わるため、最新の情報を確認してください。

M&Aでの意味

中継輸送に取り組んでいることは、次を示します。

  • 規制対応が進んでいる
  • 採用の訴求材料がある
  • 同業との連携ができている
  • 効率化に前向き

また、連携している相手が将来の統合の候補になることもあります。同業に売るか、異業種に売るかをご覧ください。

まとめ

中継輸送は長距離を日帰り運行に変える手法で、規制対応と採用の両方に効きます。既存の傭車先など、関係のある相手から始めるのが現実的です。時間調整・責任分担・保険・精算のルールを事前に決めてください。コストは増えますが、人が確保できる効果と比較して判断してください。