何が対象になるのか

ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)では、対象となる種の個体や、その加工品の国際取引が規制されています。

リユース店で扱う可能性があるものとしては、次が挙げられます。

  • 象牙(印鑑、装飾品、楽器の部品)
  • べっ甲(眼鏡フレーム、装飾品)
  • ワニ・トカゲ・ヘビなどの革(バッグ、ベルト、財布、時計ベルト)
  • 一部の毛皮
  • 特定の木材を使った製品

この一覧を見ると、日常的に扱う商材に含まれていることが分かります。特殊な品だけの話ではありません。バッグや時計を扱う店では避けて通れない論点です。

国内取引と国際取引で扱いが違う

ここが混乱しやすい点です。国内での売買が可能なものでも、輸出入となると別の規制がかかります。

また、種によっては国内取引についても、登録や届出などの手続きが定められている場合があります。品目ごとに扱いが異なるため、個別に確認が必要です。

この違いが混乱の原因になります。「国内で売っているから輸出もできる」という理解は成り立ちません。越境販売を始めるなら個別に確認してください。

見分けが難しい

実務上の最大の問題は、素材の判別が難しいことです。

  • 型押しの牛革と、本物のワニ革の区別
  • 樹脂製の模造品と、本べっ甲の区別
  • ブランド品の一部にだけ使われているケース

査定担当が判別できないまま扱ってしまうリスクがあります。

判別が難しいからこそ、個人の目に頼らない仕組みが必要になります。素材が疑わしいカテゴリをあらかじめ一覧にして、機械的に二次判定へ回す形が現実的です。

体制の作り方

  1. 取扱注意リストを作る:対象になり得る素材と、その典型的な製品を一覧にする
  2. 査定時のチェック項目に入れる:「規制対象素材の可能性はないか」を確認欄にする
  3. 疑わしければ二次判定へ:判断できる人が確認する
  4. 判断がつかないものは扱わない:これが最も安全です
  5. 輸出は特に厳格に:越境販売の出品禁止リストに入れる

4番目の「判断がつかないものは扱わない」が最も安全な線です。扱わないことで失う利益と、誤って扱った場合のリスクを比べればこの判断が合理的になります。

すでに在庫にある場合

棚を確認して、該当し得る品があれば、扱いを確認してください。自己判断で処分せず、所管の窓口や専門家に相談するのが確実です。

とくに象牙製品は、国内での取扱いについても手続きが定められている場合があります。「昔から店にある」ものほど、確認が必要です。

「昔から店にある」ものほど確認が必要です。自己判断で処分せず、所管の窓口や専門家に相談してください。とくに象牙製品は国内の取扱いについても手続きが定められている場合があります。

買収監査での扱い

ブランド品や装飾品を扱う会社では、この点が確認されることがあります。規制対象品を在庫に抱えていれば、その処理が取引の条件になり得ます。

取扱注意リストがあり、査定時のチェックが記録されていれば、管理されている会社として評価されます。

規制対象品を在庫に抱えていれば、その処理が取引の条件になり得ます。譲渡を考える前に一度棚を確認しておくと、慌てずに済みます。

取扱注意リストに入れる製品

素材の判別は難しいため、製品の種類で拾うほうが実務的です。次のような製品は確認の対象にしてください。

  • バッグ・財布・ベルト — 型押しの牛革と本物のワニ革・トカゲ革の区別が難しい領域です
  • 時計のベルト — 高級時計の純正ベルトに使われていることがあります
  • 眼鏡のフレーム — 本べっ甲と樹脂製の模造品の見分けが必要です
  • 印鑑・装飾品・置物 — 象牙が使われている可能性があります。「昔から店にある」ものほど注意が必要です
  • 楽器・楽器の部品 — 鍵盤や弓、装飾部分に使われている例があります
  • 毛皮製品 — コート、襟、小物。種によって扱いが異なります

このリストを査定時のチェック項目に組み込み、疑わしければ二次判定へ回す形にしてください。判断できる人が確認し、それでもつかない場合は扱わない。この流れが最も安全です。

まとめ

規制対象の素材は、バッグや時計ベルトなど身近な製品に使われています。判別が難しいため、リストとチェック項目で機械的に拾う仕組みが要ります。

まず、自店の在庫に該当し得るものがないかを確認してみてください。

自店の在庫に該当し得るものがないかを確認してみてください。バッグの持ち手、時計のベルト、眼鏡のフレーム。身近な場所に使われています。