面談の目的
条件を詰める場ではありません。お互いに「この相手と進めてよいか」を確かめる場です。
買い手は、資料に書かれていない実態と、経営者の人柄を見ています。売り手も、同じ目で相手を見てください。
在庫についての質問
- 「在庫はどう管理していますか」
- 「日齢の長い在庫はどれくらいありますか」
- 「簿価と実際に売れる価格の差はどの程度ですか」
- 「棚卸はどのくらいの頻度でされていますか」
- 「預かり品と自社在庫は分けていますか」
ここで「だいたい把握しています」と答えると、大きく減点されます。数字で答えてください。
目利きについての質問
- 「値付けは誰がされていますか」
- 「社長が1か月不在でも、買取は回りますか」
- 「査定の基準は文書になっていますか」
- 「査定できる方は何名いらっしゃいますか」
- 「真贋の判断はどうされていますか」
買い手が最も気にしているのは、「社長が抜けても同じ利益が出るか」です。
仕入れについての質問
- 「買取はどこから来ていますか」(チャネル別の比率)
- 「広告を止めたら、件数はどうなりますか」
- 「法人や提携先からの仕入れはありますか」
- 「古物市場との関係は」
答え方の準備
次の資料を手元に置いて臨んでください。口頭で正確に答えるのは難しいものです。
- 在庫の日齢分布表
- カテゴリ別の粗利率と回転日数
- 買取のチャネル別件数
- 査定基準の見本(1カテゴリ分)
紙を出して説明できると、それだけで「管理されている会社」と伝わります。
こちらから確認すべきこと
面談は一方的に聞かれる場ではありません。次を確認してください。
- なぜ当社に関心を持ったのか
- 買収後、どう運営する構想か
- 従業員の雇用と処遇をどう考えているか
- 屋号や店舗をどうするか
- 社長にどれくらい関与してほしいか
- 資金調達の目処は立っているか
印象を左右する要素
- 数字を即答できるか:最も効きます
- 悪い点も正直に話すか:隠すと、後で必ず発覚します
- 従業員への配慮を示すか:買い手も同じ点を気にしています
- 譲渡理由が明確か:曖昧だと不安を与えます
面談前に準備しておく資料
その場で口頭で答えるより、手元に資料があるほうが説得力があります。
- 在庫日齢の分布表 — 区分別の金額と点数、12か月の推移
- カテゴリ別の粗利表
- 買取チャネル別の件数と金額
- 査定基準の見本 — 1カテゴリ分だけでも、文書化の状況が伝わります
- 組織図と、査定できる人の人数
- 店舗の写真 — 訪問前の段階で、雰囲気が伝わります
4番目を持参すると、面談の質が変わります。「基準は文書化しています」と述べるのと、実物を示すのとでは、受け止め方がまったく違います。機密性の低いカテゴリを1つ選び、見本として用意してください。
相手を見極めるための質問
面談は評価される場であると同時に、相手を見極める場でもあります。
- なぜ当社に関心を持ったか — 動機が明確でない相手は、途中で止まります
- 買収後の運営方針 — 屋号、店舗、従業員をどうするかです
- 意思決定の体制 — 誰が、どの手続きで決めるかです
- 資金の手当て — 自己資金か、借入かです
- 過去の買収実績 — リユース業の経験があるかどうかです
- 想定している日程
3番目の確認を忘れないでください。担当者と話が進んでも、決裁の段階で覆ることがあります。誰の承認が必要で、いつ判断されるのかを早い段階で把握しておくと、無駄な時間を避けられます。
答えにくい質問への備え
不利な点を聞かれたときの答え方を、事前に決めておいてください。
- 「なぜ譲るのですか」 — 後継者不在、年齢、健康など、正直に答えます
- 「業績が下がっているのはなぜですか」 — 原因と、対応の内容を説明します
- 「社長がいなくなったら回りますか」 — 依存の程度と、移譲の状況を数字で答えます
- 「売れない在庫はどれくらいありますか」 — 分布を示し、処理の計画を説明します
- 「従業員は残りますか」 — 確約はできないため、これまでの定着率で答えます
4番目をごまかさないでください。在庫の実態は、監査で必ず判明します。この段階で正直に示し、対応の計画まで説明できれば、かえって信頼されます。取り繕った回答が後から覆るほうが、はるかに不利です。
まとめ
質問は在庫と目利きに集中します。日齢分布とチャネル別件数の資料を持って臨んでください。
悪い点も先に話すこと。隠したことが後で発覚するほうが、はるかに損をします。