二つの軸
| 軸 | 見る内容 |
|---|---|
| 採算 | 店舗別の営業損益、坪あたり粗利 |
| 契約 | 更新年、解約予告、違約金、原状回復 |
採算が悪くても、違約金が大きければ更新まで待つほうが得な場合があります。
優先順位の付け方
- 赤字が続き、契約更新が近い店 → 最優先
- 赤字が続き、契約期間が残る店 → 改善か中途解約を比較
- 黒字だが薄い店 → 商圏の見通しで判断
- 黒字で採算の良い店 → 残す
撤退にかかる費用
- 原状回復の工事費
- 在庫の移送または処分
- 什器の処分
- 中途解約の違約金
- 従業員の配置転換または対応
見積もりを取ってから判断してください。想定より高いことが多い費目です。
在庫と人の受け皿
閉める店の在庫と人をどうするか。受け皿を決めてから閉めるのが原則です。
- 在庫を他店に移す(売場と倉庫の容量を確認)
- 移せない分は市場・セールで処分
- スタッフの異動先を用意する
- 常連客に近隣店を案内する
許可・届出の確認
営業所を廃止する場合、届出が必要です。手続きの内容と時期は管轄の警察署に確認してください。
店舗ごとの数字を並べる
順序を決めるには、比較できる数字が要ります。
- 店舗別の営業損益を出す — 本部費の配賦基準を統一します
- 店舗別の買取件数を出す — 仕入れ拠点としての貢献です
- 店舗別の在庫金額と日齢を出す
- 契約の残存期間を並べる
- 撤退にかかる費用を見積もる
- 閉じた場合の影響を試算する
2番目を必ず含めてください。販売が赤字でも、その店で仕入れた品物が他店やECで売れているなら、拠点としての価値があります。損益だけで判断すると、仕入れの経路を失います。
撤退の費用を積み上げる
閉じる判断には、費用の把握が前提です。
- 解約の予告期間中の賃料
- 違約金
- 原状回復の費用 — 契約の範囲によって大きく変わります
- 在庫の移動または処分の費用
- 什器・設備の処分費用
- 従業員の処遇に伴う費用
3番目の見積もりを早く取ってください。契約書の記載と実際の請求額が大きく異なることがあります。閉じる判断をする前に、貸主または工事業者から概算を取り、判断材料にしてください。
在庫と人の受け皿を決める
閉じる店の資源を、どこに移すかを決めてください。
- 在庫を他店へ移す — 移動先で売れるかを確認します
- 在庫をECへ回す
- 業者間市場でまとめて処理する
- 従業員を他店へ配置転換する — 通勤の条件を確認します
- 顧客を他店へ案内する
- 移せないものの処分方法を決める
1番目で判断を誤ると、問題を先送りするだけになります。売れない在庫を他店に移せば、その店の日齢と粗利が悪化します。移動先で売れる見込みのあるものだけを移し、それ以外は処分してください。
許可と届出を確認する
店舗を閉じる際にも、手続きが必要です。
- 営業所の廃止に関する届出
- 管理者に関する届出
- 記録・帳簿の保存 — 閉店後も保存義務が続きます
- 各種契約の解約 — リース、公共料金、通信
- 労働保険・社会保険の手続き
手続きの内容と期限は、所轄の警察署および専門家にご確認ください。届出には期限が定められているものがあります。閉店の日程を決めた時点で、必要な手続きを一覧にして、担当と期限を決めておいてください。
まとめ
撤退は採算と契約の二軸で順番を決めます。
受け皿を用意してから閉める。この順序を守ってください。