まず確認すること

  • 名義は法人か、個人か
  • 土地と建物の名義が同じか
  • 会社に貸している場合の賃料の水準
  • 借地の場合、地主との契約内容
  • 抵当権の設定状況

個人名義の場合の論点

場面起きること
相続相続人で分ける対象になる
共有になった場合処分や建て替えが難しくなる
継がない子が相続会社が使い続けられるか不確実
売却営業の場所を失う

事業に使っている宅地の扱い

事業のために使っている宅地については、相続税の評価に関する特例が設けられています。適用には要件があり、事業を継続することなどが問われます。

要件は改正されることがあります。適用できるかどうかは税理士に確認してください。「使えるはず」と決めつけないことが重要です。

備えの選択肢

  1. 遺言で承継先を指定する
  2. 会社が買い取る
  3. 賃貸借契約を結び、条件を明確にしておく
  4. 他の相続人に配分する財産を用意する
  5. 納税資金を準備する

賃料の水準

会社に貸している場合、賃料が相場から離れていると税務でも承継交渉でも論点になります。近隣の相場を根拠に設定しておいてください。

名義と使用の実態を確認する

まず現状を整理してください。

  1. 土地・建物の名義を確認する — 登記の記載です
  2. 共有になっていないかを確認する
  3. 抵当権の設定を確認する
  4. 会社との賃貸借契約の有無を確認する
  5. 賃料の水準を確認する
  6. 事業への使用の実態を確認する

4番目と5番目が評価にも承継にも影響します。契約書がない、賃料が相場から離れているという状態は、承継の際に調整の対象になります。整理しておいてください。詳細は税理士・弁護士にご相談ください。

備えの選択肢を比べる

いくつかの方向があります。

  • 法人に売却する
  • 賃貸を継続し、相続で承継する
  • 生前に一部を渡す
  • 遺言で帰属を定める
  • それぞれの税負担を試算する

いずれも税務上の判断を伴います。必ず税理士にご相談ください。事業に使用している宅地については、特別な取り扱いが定められている場合があります。要件と適用の可否を確認したうえで、方針を決めてください。

契約を整備しておく

賃貸を続ける場合、書面が必要です。

  • 契約書を作成する — 口頭のままの例があります
  • 賃料を相場水準にする
  • 相場の根拠を用意する
  • 契約期間と更新条件を定める
  • 修繕の負担区分を定める
  • 相続が発生した場合の扱いを想定する

6番目を検討しておいてください。所有者に相続が発生すると、賃貸人の地位が相続人に移ります。相続人が複数いる場合、賃料の受領や契約の変更に調整が必要になります。事前に整理しておくことで、事業への影響を避けられます。

事業の継続との関係

不動産の扱いは、事業の存続に直結します。

  • 店舗が使えなくなると、営業が止まる
  • 相続人が事業に関わらない場合の扱いを決める
  • 売却を求められる可能性を想定する
  • 事業を継ぐ人に確実に渡す方法を検討する
  • 代替の物件があるかを確認する

3番目への備えが必要です。事業に関わらない相続人が、換金を求める可能性があります。店舗を失えば事業は続けられません。遺言や生前の対策で、確実に渡す方法を専門家と検討してください。

まとめ

店舗不動産は、名義と承継先の指定が最重要です。

特例の適用可否は必ず税理士に確認してください。

※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。税務上の取扱いや補助金の対象・要件は、制度の改正や個別の事情によって異なります。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家および管轄窓口にご確認ください。