評価方法の考え方
棚卸資産の評価には複数の方法があり、あらかじめ届け出た方法によることが原則です。届け出ていない場合は法定の方法によることになります。
どの方法を選べるか、どう届け出るかは税理士に確認してください。
リユース業での論点
| 論点 | 内容 |
|---|---|
| 一点ものが多い | 個別に管理する必要がある |
| 相場が下がる商材 | 評価減の余地があるか |
| 状態の劣化 | 価値の低下をどう反映するか |
| 長期滞留 | 販売可能価額をどう見るか |
時価が下がった場合
取得したときより時価が下がっている場合、低いほうの価額で評価する方法があります。適用には届出などの手続きが必要になります。
また、選んだ方法は継続して適用することが求められます。年ごとに有利なほうを選ぶことはできません。
根拠を残す
- 実地棚卸しを行い、記録を残す
- 販売実績(実際にいくらで売れたか)を集計する
- 相場の推移が分かる資料を残す
- 値下げの経緯を記録する
- 処分した在庫の記録を残す
評価減を主張するには、客観的な根拠が必要です。
日常の管理が土台になる
在庫日齢の管理と実地棚卸しは、税務対応の土台でもあります。普段の管理がそのまま根拠になります。
評価方法の選択と手続き
方法を選ぶには、手続きが必要な場合があります。
- 現在採用している方法を確認する
- 選択できる方法を税理士に確認する
- 変更する場合の手続きを確認する — 届出が必要な場合があります
- 継続して適用する必要があることを確認する
- 自社の実態に合うかを検討する
- 変更の時期を確認する
評価方法の選択と手続きは、必ず税理士にご確認ください。要件を満たさない変更は認められません。また、一度選択した方法は継続して適用する必要があります。慎重に検討してください。
根拠となる記録を残す
どの方法を採用する場合も、記録が前提です。
- 個品ごとの取得価格
- 取得の時期
- 棚卸の実施記録
- 実売価格の実績
- 値下げ・処分の記録
- 評価の算定過程
1番目と2番目が、この業種では特に重要です。1点ごとに仕入日と仕入額が記録されていなければ、日齢も評価も出せません。個品管理の整備が、税務上の対応の土台になります。
日次・月次の記録が前提になる
期末だけの作業では、対応できません。
- 入庫の記録を、その場で行う
- 移動の記録を残す
- 値下げ・廃棄を当日処理する
- 定期的に棚卸を実施する
- 差異の原因を追跡する
- 実売実績を蓄積する
4番目の頻度を上げてください。年1回の全数棚卸だけでは、差異が出ても原因を特定できません。高単価カテゴリは毎月、その他は四半期で回す形にすれば、精度が上がります。この記録が、税務上の説明の裏づけになります。
承継の場面でも同じ記録が使える
税務のために整えた記録は、他の場面でも役立ちます。
- 買収監査での説明資料になる
- 金融機関への説明に使える
- 相続時の評価の根拠になる
- 日常の経営判断にも使える
- 補助制度の申請の根拠にもなる
同じ記録を複数の場面で使える形にしてください。場面ごとに別の資料を作ると、数字が食い違う危険があります。個品管理を基礎とした記録を月次で整えておけば、どの場面にも対応できます。手間も減ります。
まとめ
評価方法は届出と継続適用が前提です。税理士に確認してください。
日常の在庫管理が、そのまま評価の根拠になります。
※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。税務上の取扱いや補助金の対象・要件は、制度の改正や個別の事情によって異なります。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家および管轄窓口にご確認ください。