外部の相場情報の限界
モールの相場、業者間市場の落札実績、専門サイト。いずれも参考になりますが、限界があります。
- 状態が違う:同じ型番でも、状態で価格は大きく変わる
- 売れた価格か、出品価格か:出品価格は「売れていない価格」です
- 販路が違う:自店で同じ価格で売れるとは限らない
- 時点が違う:数か月前のデータは使えない商材がある
自社の実売データが最強である理由
自店が実際に売った価格には、次がすべて含まれています。
- 自店の客層が、いくらなら買うか
- 自店の状態評価基準で、そのランクがいくらになるか
- 自店の販路で、何日で売れるか
これ以上に正確な情報はありません。ただし、蓄積していなければ使えません。
蓄積のしかた
個品管理ができていれば、自動的に蓄積されます。
- 1点ごとの型番・状態ランク・仕入れ値・売価・入荷日・販売日
- 販路(店頭、EC、市場)
- 値下げの履歴
- 担当者
これらが揃うと、「この型番のBランクは、店頭で平均◯日、◯円で売れている」という情報が出せます。
査定基準に反映する
実売データから、次を逆算してください。
- 型番・カテゴリ別の平均実売価格
- 状態ランク別の掛け率(実売価格の実績から)
- 平均回転日数
- そこから導く買取上限
感覚で決めた掛け率を、実績の数字に置き換える。これが査定基準の精度を上げる最短路です。
外部データと組み合わせる
自社データだけでは不足する場面もあります。
- 扱ったことのない型番
- 相場が急変している商材
- 新しいカテゴリへの参入時
この場合は外部データを使い、実際に売れたら自社データに置き換えるという運用にしてください。
月次で振り返る
- 査定額と実売額の差を、カテゴリ別・担当者別に集計する
- 差が大きい型番を特定し、基準表を修正する
- 相場が動いているカテゴリを見つける
この振り返りが、育成の材料にも、価格改定の根拠にもなります。
自社データを蓄積する形
実売データを活かすには、記録の形を整える必要があります。
- 1点ごとに、買取額と実売額を紐づける — 個品管理が前提になります
- 販路も記録する — 同じ商品でも、販路によって実売額が違います
- 状態ランクを記録する — 状態別の相場が見えます
- 販売までの日数を記録する — 価格と回転の関係が分かります
- 値下げの履歴も残す — 初回価格が適切だったかが分かります
- 型番を正確に入力する — 検索できなければ、蓄積の意味がありません
6番目が、データの価値を決めます。型番の表記が担当者によって違うと、過去の実績を引き出せません。入力規則を決め、可能ならシステム側で選択式にしてください。ここが揃っていないと、どれだけ蓄積しても使えないデータになります。
査定の場で使える形にする
データがあっても、査定の最中に引き出せなければ意味がありません。
- 型番で検索できるようにする — 数秒で出る状態が必要です
- 直近の実績を優先して表示する — 古い相場は、参考になりません
- 状態ランク別に並べる
- 販売までの日数も同時に見せる — 高く売れたが1年かかった、という実績は判断に影響します
- 件数が少ない場合は、外部相場も併用する
- スマートフォンやタブレットから見られるようにする
4番目を表示することが重要です。実売額だけを見ると、長期滞留の末に売れた高額な実績に引きずられます。日数とセットで見せることで、現実的な買取上限が判断できます。査定支援の画面を設計する際は、必ず含めてください。
外部相場との使い分け
自社データが万能ではありません。外部情報が必要な場面があります。
- 取扱実績のない商品 — 自社データが存在しません
- 相場が急に動いた商品 — 過去の実績が参考にならない場合があります
- 販路を広げるとき — 未参入の販路の相場は、外部で確認します
- 相場の方向性を確認するとき — 上昇・下落の傾向を掴みます
- 高額品の真贋・付属品の価値 — 専門的な情報が必要です
外部相場は、上限の目安として使ってください。公開されている取引価格は、自社の販路で実現できるとは限りません。手数料、状態、付属品の有無、販売までの期間が異なります。外部相場から自社の実績との乖離幅を把握し、その分を差し引いて使う形にすれば、判断を誤りません。
まとめ
最も正確な相場は、自社の実売データです。個品管理をしていれば、自動的に蓄積されます。
まず主要カテゴリについて、状態ランク別の平均実売価格を出してみてください。