修理が生む価値
- 値がつかない品が、商品になる
- 状態ランクが上がり、売価が上がる
- 「修理できる店」として、難あり品を安く仕入れられる
- 販売後の保証対応を自社でできる
3番目が大きい。他店が断る品を安く買えることが、仕入れの優位になります。
内製が向く条件
- 修理対象の点数が、継続的にある(月に一定数以上)
- 修理の内容が定型的(同じ症状が繰り返される)
- 技術を持つ人がいる、または育てられる
- 部品が入手できる
- 作業スペースがある
1番目が最も重要です。点数がなければ、設備も技術も遊びます。
外注のコスト構造
外注は変動費です。点数が少ないうちは有利です。
外注する判断 = 修理後の売価 − 修理前の価値 − 外注費 − 往復の送料 − 待ち時間の機会損失 が プラスかどうか
見落とされるのが待ち時間です。修理に出している間、その在庫は売れません。回転日数に上乗せされます。
判断の手順
- 直近1年で、修理すれば売れた(または売った)品の点数を数える
- 外注した場合の費用を試算する
- 内製した場合の設備・人件費を試算する
- 点数×粗利の上乗せ額と比べる
- 3年で回収できるかを見る
中間の選択
- 簡単な作業だけ内製:電池交換、ベルト調整、清掃、部品交換
- 難しいものは外注:分解を伴う修理、専門工具が要るもの
- 提携先を固定する:単価と納期を交渉しやすくなります
多くの店にとって、これが現実的な形です。
承継への影響
修理技術が特定の1人に依存していると、承継の重い論点になります。査定と同じ属人化の問題です。
- 作業手順を文書化・動画化する
- 複数人が対応できるようにする
- 外注先との関係を、会社に紐づける
修理する・しないの判断基準
案件ごとに悩むのをやめ、数字で判断できる形にしてください。
- 修理後の想定売価を出す — 過去の実売データから引きます
- 修理費用を見積もる — 部品代と工賃、または自社の作業時間
- 買取額を足す
- 売価から差し引いて、粗利を出す
- 粗利率が自店の基準を下回るなら、修理しない
- 修理せずに売った場合の売価とも比べる — ジャンク品として売る選択肢です
6番目を必ず入れてください。修理して1万円で売るより、そのまま4,000円で売ったほうが、手間を考えると有利な場合があります。部品取り用としての需要は、想像より大きいことがあります。修理ありきで考えず、両方の選択肢を並べてください。
内製する場合の体制づくり
技術者を雇う、あるいは育てるという判断には、継続性の設計が要ります。
- 技術者が1人だと、その人の不在で止まる — 属人化のリスクは査定と同じです
- 作業場所と設備が固定費になる — 稼働率が低いと、負担だけが残ります
- 取扱カテゴリが技術者に依存する — その人が扱える範囲が、事業の範囲になります
- 技術の承継が必要になる — 教える設計がないと、退職とともに失われます
- 安全と法令の確認が要る — 電気製品やガス機器では、資格や規制が関わります
5番目は必ず確認してください。修理して販売する場合、製品の種類によっては法令上の要件が関わります。取扱カテゴリごとに、所管の窓口や専門家に確認したうえで体制を組んでください。
修理体制が評価につながる場面
修理機能を持つことは、日々の粗利だけでなく、事業の評価にも影響します。
- 他店が扱えない商品を仕入れられる — 仕入れの競合が少ない領域を持てます
- 粗利率が高くなる — 手を加えた分の付加価値が乗ります
- 顧客からの信頼につながる — 修理できる店は、状態の説明にも説得力があります
- M&Aで差別化要素として評価される — 買い手にとって、再現の難しい機能です
ただし4番目には条件があります。技術が1人に属している状態では、評価はその人の残留を前提にしたものになります。作業手順が文書化され、複数名が扱える体制になって初めて、事業の機能として評価されます。修理を強みにするなら、技術の共有と記録に早い段階から取り組んでください。
まとめ
点数が継続的にあり、内容が定型的なら内製。そうでなければ外注。中間として、簡単な作業だけ内製する形が現実的です。
まず直近1年の修理対象品の点数を数えてみてください。判断はそこから始まります。