修理が生む価値

  • 値がつかない品が、商品になる
  • 状態ランクが上がり、売価が上がる
  • 「修理できる店」として、難あり品を安く仕入れられる
  • 販売後の保証対応を自社でできる

3番目が大きい。他店が断る品を安く買えることが、仕入れの優位になります。

内製が向く条件

  1. 修理対象の点数が、継続的にある(月に一定数以上)
  2. 修理の内容が定型的(同じ症状が繰り返される)
  3. 技術を持つ人がいる、または育てられる
  4. 部品が入手できる
  5. 作業スペースがある

1番目が最も重要です。点数がなければ、設備も技術も遊びます。

外注のコスト構造

外注は変動費です。点数が少ないうちは有利です。

外注する判断 = 修理後の売価 − 修理前の価値 − 外注費 − 往復の送料 − 待ち時間の機会損失 が プラスかどうか

見落とされるのが待ち時間です。修理に出している間、その在庫は売れません。回転日数に上乗せされます。

判断の手順

  1. 直近1年で、修理すれば売れた(または売った)品の点数を数える
  2. 外注した場合の費用を試算する
  3. 内製した場合の設備・人件費を試算する
  4. 点数×粗利の上乗せ額と比べる
  5. 3年で回収できるかを見る

中間の選択

  • 簡単な作業だけ内製:電池交換、ベルト調整、清掃、部品交換
  • 難しいものは外注:分解を伴う修理、専門工具が要るもの
  • 提携先を固定する:単価と納期を交渉しやすくなります

多くの店にとって、これが現実的な形です。

承継への影響

修理技術が特定の1人に依存していると、承継の重い論点になります。査定と同じ属人化の問題です。

  • 作業手順を文書化・動画化する
  • 複数人が対応できるようにする
  • 外注先との関係を、会社に紐づける

修理する・しないの判断基準

案件ごとに悩むのをやめ、数字で判断できる形にしてください。

  1. 修理後の想定売価を出す — 過去の実売データから引きます
  2. 修理費用を見積もる — 部品代と工賃、または自社の作業時間
  3. 買取額を足す
  4. 売価から差し引いて、粗利を出す
  5. 粗利率が自店の基準を下回るなら、修理しない
  6. 修理せずに売った場合の売価とも比べる — ジャンク品として売る選択肢です

6番目を必ず入れてください。修理して1万円で売るより、そのまま4,000円で売ったほうが、手間を考えると有利な場合があります。部品取り用としての需要は、想像より大きいことがあります。修理ありきで考えず、両方の選択肢を並べてください。

内製する場合の体制づくり

技術者を雇う、あるいは育てるという判断には、継続性の設計が要ります。

  • 技術者が1人だと、その人の不在で止まる — 属人化のリスクは査定と同じです
  • 作業場所と設備が固定費になる — 稼働率が低いと、負担だけが残ります
  • 取扱カテゴリが技術者に依存する — その人が扱える範囲が、事業の範囲になります
  • 技術の承継が必要になる — 教える設計がないと、退職とともに失われます
  • 安全と法令の確認が要る — 電気製品やガス機器では、資格や規制が関わります

5番目は必ず確認してください。修理して販売する場合、製品の種類によっては法令上の要件が関わります。取扱カテゴリごとに、所管の窓口や専門家に確認したうえで体制を組んでください。

修理体制が評価につながる場面

修理機能を持つことは、日々の粗利だけでなく、事業の評価にも影響します。

  • 他店が扱えない商品を仕入れられる — 仕入れの競合が少ない領域を持てます
  • 粗利率が高くなる — 手を加えた分の付加価値が乗ります
  • 顧客からの信頼につながる — 修理できる店は、状態の説明にも説得力があります
  • M&Aで差別化要素として評価される — 買い手にとって、再現の難しい機能です

ただし4番目には条件があります。技術が1人に属している状態では、評価はその人の残留を前提にしたものになります。作業手順が文書化され、複数名が扱える体制になって初めて、事業の機能として評価されます。修理を強みにするなら、技術の共有と記録に早い段階から取り組んでください。

まとめ

点数が継続的にあり、内容が定型的なら内製。そうでなければ外注。中間として、簡単な作業だけ内製する形が現実的です。

まず直近1年の修理対象品の点数を数えてみてください。判断はそこから始まります。