値下げの話だけではない

価格見直しというと値下げを連想しますが、それだけではありません。

  • 相場が上がった:値上げの余地がある
  • 相場が下がった:早く下げないと売れなくなる
  • 付けた価格が相場から外れていた:査定時の判断ミス

とくに1番目を逃している店が多くあります。貴金属やブランド品では、値上げのタイミングを逃すと機会損失です。

頻度をカテゴリで分ける

商材見直し頻度
貴金属日次(相場連動)
トレーディングカード週次
ブランド品・時計月次
家電・PC月次(陳腐化が速い)
家具・雑貨四半期

対象を絞る

全品を毎回見直すのは非現実的です。次を優先してください。

  • 単価が高い(見直しの効果が大きい)
  • 日齢が一定を超えている
  • 相場の変動が大きいカテゴリ
  • アクセスはあるのに売れていない(ECの場合)

自動化の考え方

  • 日齢が基準に達した在庫を、自動で抽出する
  • 貴金属は、相場から売価を自動計算する
  • モールの価格改定機能を使う
  • 見直しの実施日を固定する(毎月◯日)

抽出さえ自動化できれば、あとは作業です。「探す時間」をなくすことが定着の鍵です。

値上げの判断

相場が上がったとき、値上げをためらう店があります。しかし次を考えてください。

  • 安く売れば、同じ品を仕入れ直すコストが上がっている
  • 相場より安い価格は、業者に買われるだけになる
  • 店の相場観が「安い店」に固定される

相場に追随することは、値上げの方向でも必要です。

記録を残す

価格の改定履歴を残してください。

  • いつ、いくらから、いくらに変えたか
  • 変更の理由(相場、日齢、季節)
  • 変更後、何日で売れたか

この記録が、次の査定の精度を上げるデータになります。

改定の作業を回す体制

方針を決めても、作業として回らなければ実行されません。

  1. 対象を抽出する仕組みを作る — 日齢や閲覧数から、システムで一覧を出します
  2. 作業日を固定する — 毎週決まった日に、時間を確保します
  3. 担当を決める — 「気づいた人が」では、実行されません
  4. 1回の対象点数に上限を設ける — 多すぎると、途中で止まります
  5. 実施率を記録する — 抽出件数に対する処理件数を見ます
  6. 値札の差し替え作業も含めて時間を見積もる

6番目を見落とすと、計画が実態と合いません。店頭商品の価格改定は、システム上の変更だけでなく、値札の差し替えという物理的な作業を伴います。1点あたりの作業時間を測り、確保すべき時間を現実的に見積もってください。

値上げを検討する場面

改定は下げるだけではありません。上げるべき場面もあります。

  • 相場が上昇している — 貴金属や特定のブランド品では、起こりえます
  • 供給が減っている — 生産終了品などで、需要が集中する場合があります
  • 同等品の相場を下回っている — 定期的な確認で気づけます
  • すぐに売れすぎている — 入荷から数日で売れる状態は、価格が安すぎる可能性があります
  • 手を加えて価値が上がった — 修理・クリーニング後の再設定です

4番目は見逃されやすい兆候です。早く売れることは良いことに見えますが、適正価格を下回っている可能性があります。カテゴリ別の平均回転日数を確認し、極端に短いカテゴリがあれば値付けを見直してください。粗利率が改善する余地があります。

改定の記録を残す

いつ、いくらから、いくらに変えたかの記録が、次の判断材料になります。

  • 改定の履歴を残す — 何回下げて売れたかが分かります
  • 初回価格と実売価格の差を集計する — 値付けの精度が測れます
  • カテゴリ別に平均の値下げ率を出す — 買取上限の設定に反映できます
  • 担当者別の値付け精度を見る
  • 改定なしで売れた比率を見る — 高ければ、値付けが適切です

2番目が、査定基準に跳ね返ります。初回価格から平均30%下げないと売れないカテゴリがあるなら、その分を買取上限に織り込む必要があります。値付けの記録は、販売側の管理であると同時に、仕入れ側の基準を作るデータでもあります。半年分をまとめて分析してみてください。

まとめ

価格見直しは、値下げだけでなく値上げも含みます。カテゴリごとに頻度を決め、対象を絞って自動抽出してください。

まず主要カテゴリの見直し頻度を決め、実施日を固定してみましょう。