品触れとは
盗品などの発見のために、警察から古物商に対して、特定の品に関する情報が通知されるものです。古物商には、これを受けたときに所持している古物の中に該当品がないかを確認することが求められます。
あわせて、受け取った品触れを一定期間保存することも求められます。届いた書類を捨ててはいけない、という点に注意してください。
「届いた書類を保存する」という点は、実務で最も抜けやすい部分です。確認して該当がなければ不要な書類のように見えるためです。受領した事実と保存があわせて求められると押さえておいてください。
受け取ったらやること
- 受領日を記録する:いつ届いたかが後から分かるようにする
- 在庫を確認する:店頭・バックヤード・外部倉庫・EC出品分のすべて
- 過去の取引記録も確認する:すでに売ってしまっている可能性
- 結果を記録する:該当なしの場合も、確認した事実を残す
- 品触れを保存する:定められた期間、保管する
4番目を省略する店が多くあります。「確認したが該当なし」という記録が、対応した証拠になります。
4番目を省略しないためには、記録の様式を作っておくことが有効です。受領日、確認した範囲、確認者、結果。この4欄の用紙を用意しておけば書くだけで済みます。
確認漏れが起きやすい場所
店頭だけ見て終わりにすると漏れます。次を確認範囲に含めてください。
- バックヤードと外部倉庫
- ECモールの倉庫に預けている在庫
- 修理・クリーニングに出している品
- 催事に持ち出している分
- すでに販売済みの取引記録
在庫が個品単位でデータ化されていれば、この確認は数分で済みます。紙の台帳しかない店では、半日仕事になります。
この一覧のうち、最後の販売済みの取引記録がいちばん見落とされます。すでに売ってしまっている場合も確認の対象です。記録が検索できる形になっているかがここで問われます。
該当品が見つかったら
速やかに警察に連絡してください。自己判断で処分したり、販売を続けたりしてはいけません。
あわせて、その品をどこから仕入れたかの記録を用意します。買取記録と本人確認記録が紐づいていれば、すぐに示せます。
連絡するまでの間は、その品を他の在庫と分けて保管してください。売場に残したままだと誤って販売される事故が起きます。ECに出品している場合は直ちに取り下げてください。
社内での回し方を決める
誰が受け取っても止まらないよう、次を決めておいてください。
- 受け取る担当者(不在時の代理も)
- 確認を行う担当者と、確認の範囲
- 確認結果を記録する様式と保管場所
- 該当品が出た場合の連絡先
- 品触れそのものの保管場所と保存期間
1番目の不在時の代理は、必ず決めておいてください。品触れは予告なく届きます。受け取る人が休みで机の上に置かれたままという状態は避けなければなりません。
買収監査でも見られる
品触れへの対応記録は、法令対応の実態を示すものとして確認されることがあります。「届いていたが確認していない」という状態は、そのまま減点材料になります。
受領から確認、記録までの一連の流れが残っていれば、管理されている会社という評価につながります。
備えとしては、受領から確認、記録までの用紙を時系列で保管しておくことです。一連の流れが残っていれば、対応の実態をそのまま示せます。
確認を数分で終える店の条件
品触れへの対応にかかる時間は、日頃の管理の水準をそのまま映します。次が揃っていれば数分で済みます。
- 在庫が個品単位でデータ化されている — 品目や特徴で検索できれば、店頭も倉庫も一度に確認できます
- 保管場所がデータに入っている — 店頭、倉庫、EC出品中、修理中、催事持ち出し。所在が分かれば探し回りません
- 販売済みの取引も検索できる — すでに売った品も確認の対象です。過去分が段ボールの中では追えません
- 受領と確認の様式がある — 書くだけで記録が完成する形にしておけば、省略されません
- 担当者と代理が決まっている — 受け取る人が不在でも止まらない体制です
この5つは、品触れのためだけの備えではありません。警察からの照会、立入検査、買収監査。いずれの場面でも同じものが効いてきます。
まとめ
品触れは、受け取ったら在庫と取引記録の両方を確認し、結果を記録し、書類を保存する。この4つが基本です。
在庫が個品でデータ化されていれば、確認は数分で終わります。ここでも記録の電子化が効いてきます。
在庫が個品でデータ化されていれば確認は数分で済みます。まだ紙の台帳だけという場合は、このためにも電子化を検討する価値があります。進め方についてはご相談いただけます。
※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。古物営業法にもとづく許可の要否・必要書類・審査期間や、本人確認義務の具体的な運用は、法令の改正や管轄する警察署・公安委員会の運用によって異なります。実際の手続きにあたっては、必ず管轄窓口および専門家にご確認ください。