なぜリユース会社を買うのか
買収の目的は主に3つです。ひとつは同業によるエリア・カテゴリの拡大。取扱商材を広げ、仕入れの母数を増やす狙いです。
ふたつめは、EC事業者による仕入れルートの確保。ネット販売の力はあっても、消費者から直接買い取るチャネルは一朝一夕には作れません。みっつめは、リユース業への新規参入。古物商許可の取得自体は難しくありませんが、目利き人材と仕入れルートはゼロから作れないためです。
買収案件はどう探すのか
売却を検討しているリユース会社が、その意向を公にすることはまずありません。従業員や仕入れ先への影響を避けるため、秘密保持を前提に水面下で進むのが通常です。したがって、公開情報からリユース業の買収案件を探すのは現実的ではありません。
業界に特化した仲介・アドバイザーに希望条件を伝えておくのが最も確実です。エリア、取扱カテゴリ、店舗数、EC比率といった条件を登録しておけば、条件に合う相談が入った段階で打診を受けられます。
在庫の評価が交渉の中心になる
リユース業の買収で最も慎重に見るべきが在庫です。帳簿価額をそのまま受け入れないでください。
仕入れ日と現在の相場を突き合わせ、実際に売れる金額を見積もります。実務では、商品カテゴリごとに基準を設け、半年以上滞留している在庫は価値をゼロとみなすといった扱いをすることが一般的です。
あわせて確認したいのが、商品1点ごとに粗利が出せるシステムがあるかどうかです。個品単位で仕入れ値と売価が追えない会社では、在庫の評価根拠を示せず、交渉が長引きます。
仕入れルートと目利きの評価
買収後に収益を維持できるかは、仕入れが続くかにかかっています。
店頭・出張・宅配など消費者から直接仕入れるルートを複数持つ会社は高く評価されます。他社が真似しにくいためです。逆に、仕入れの半数以上を業者オークションに頼っている場合、その仕入れは資金さえあれば誰にでもできるため、価値は付きづらくなります。
目利きについては、店長クラスが担っているのが通常です。さらにアルバイトでも適正に買い取れる査定システムが導入されていれば、属人性が低く引き継ぎやすいと判断できます。
許可とコンプライアンスの確認
古物商許可の内容と営業所の届出状況を確認します。株式譲渡なら法人に残りますが、事業譲渡では譲受側で取得が必要です。
あわせて、本人確認と取引記録が古物営業法にもとづいて適切に運用されているかを見ます。真贋判定の体制、過去のトラブルの有無も確認対象です。ここに問題があると、買収後にレピュテーションリスクを抱えることになります。
古い店舗建物で営業している場合は、アスベスト除去費用が発生する可能性がないかも事前に確認しておくことをお勧めします。該当すると、高額な引当金を織り込んだ株価評価になることがほとんどです。
買収後の統合で気をつけること
リユース業の価値は人に宿ります。買収後に目利きができる人材が離職すれば、仕入れの質が落ち、収益は維持できません。
処遇の変更は慎重に進め、前経営者に一定期間残ってもらう設計を検討してください。仕入れ先や常連客への説明も、前経営者から行うほうが受け入れられやすくなります。査定基準の統合を急ぎすぎないことも、現場の混乱を防ぐうえで重要です。