放置するとどうなるか

  1. 兄弟の相続で、株がその子どもたちに分かれる
  2. 株主の数が増え、連絡が取りにくくなる
  3. 重要な決定に必要な賛成が集まらない
  4. 譲渡の話が出ても、全員の同意が取れない

世代が進むほど、集約の難易度と費用が上がります。

集約の方法

方法要点
買い取る資金が要る。価格の合意が論点
会社が買い取る財源や手続きの制約がある
贈与を受ける税務の検討が必要
種類株を使う議決権と経済的な権利を分ける

どの方法も税務と法務の両面の検討が要ります。税理士・弁護士に相談してください。

価格をどう決めるか

身内同士でも、価格の根拠は必要です。感覚で決めると、後から不満が出ます。

  • 純資産をもとにする
  • 利益をもとにする
  • 第三者に算定を依頼する

リユース業では在庫の評価が価格を大きく動かします。在庫の実勢を把握しておいてください。

進め方の順番

  1. 現在の株主と持分を正確に確認する
  2. 集約の目標(何割まで集めるか)を決める
  3. 専門家に相談し、方法を絞る
  4. 資金の手当てを検討する
  5. 一人ずつ話をする(全員一斉は避ける)

話の切り出し方

「会社を守るため」という説明が通りやすい相手もいれば、そうでない相手もいます。相手にとっての利点を用意して臨んでください。

現状を確認する

把握していない分散があることがあります。

  1. 株主名簿を確認する
  2. 登記の記載と照合する
  3. 相続が発生している株式を確認する
  4. 名義株がないかを確認する
  5. 各人の持分比率を出す
  6. 連絡が取れるかを確認する

3番目が最も時間を要する論点です。株主に相続が発生していると、相続人全員との交渉が必要になります。関係者が増えるほど集約は困難です。早い段階で確認し、専門家に相談してください。

価格の決め方

身内の取引ほど、根拠が必要になります。

  • 評価の方法を決める
  • 第三者の評価を取ることを検討する
  • 税務上の妥当性を確認する
  • 過去の取引例があれば参照する
  • 全員に同じ基準を適用する

価格の妥当性は、税務上の論点を含みます。必ず税理士にご相談ください。低すぎる価格での取引は、税務上の問題となる可能性があります。また、株主間で価格が異なると、後の紛争につながります。基準を統一してください。

話の進め方

感情が絡む交渉になります。順序を設計してください。

  • 目的を先に説明する — 事業の継続のためであることを伝えます
  • 一度に全員に当たらない — 理解を得やすい相手から進めます
  • 価格の根拠を用意してから話す
  • 相手の事情を聞く — 一方的な要求にしないでください
  • 時間をかける — 急ぐと条件が悪くなります
  • 合意は書面にする

1番目の説明が結果を左右します。「株を渡してほしい」ではなく、「事業を続けるために、意思決定を一本化したい」という説明のほうが、理解が得られます。目的を共有してから、条件の話に入ってください。

集約が進まない場合の備え

すべてを集められないこともあります。

  • 議決権の割合を確認する — 意思決定に必要な比率です
  • 譲渡制限の定めを確認する
  • 買い手が求める比率を確認する — 全株の取得を求めることが多くあります
  • 反対する株主への対応を専門家に相談する
  • 次の代で分散が進むことを想定する

3番目を早く確認してください。第三者への譲渡では、全株の取得を条件とされるのが通例です。集約できない株式が残る場合、譲渡そのものが成立しない可能性があります。承継の方針を決める前に、専門家に相談してください。

まとめ

分散した株は、放置すればさらに分散します。今が一番集めやすいと考えてください。

価格の根拠を用意し、一人ずつ進めるのが基本です。