第三者評価とは

会計士や専門機関に、企業価値の算定を依頼するものです。複数の手法で計算し、算定書として提出されます。

費用は依頼先と規模によりますが、相応の金額がかかります。費用対効果を考えて判断してください。

取る意味

  1. 交渉の根拠になる:第三者の算定という客観性
  2. 自社の目安が分かる:交渉の前に相場観を持てる
  3. 株主が複数いる場合の説明材料:相続人間の合意形成など
  4. 役員や税務上の説明:価格の妥当性を示す

取ったほうがよい場合

  • 株主が複数いる:兄弟、相続人など。合意形成に必要
  • 従業員承継(MBO):価格の妥当性が問われます
  • 親族間の譲渡:税務上の説明が必要になり得ます
  • 規模が大きく、価格の差が大きい
  • 買い手の提示額に納得できない

取らなくてよい場合

  • 小規模で、費用が価格に対して重すぎる
  • 時価純資産が価格の大半で、計算が単純
  • 買い手が1社で、条件に納得している
  • 顧問の税理士が試算できる

リユース業での注意点

評価する側が在庫の実態を理解しているかが重要です。

  • 簿価をそのまま純資産に算入していないか
  • 日齢別の評価をしているか
  • 実売データを参照しているか
  • 預かり品を除外しているか

理解のない評価だと、実態とかけ離れた数字が出ます。依頼前に、在庫の扱いを確認してください。

代替手段

正式な評価を取らなくても、次で目安は出せます。

  1. 自社で時価純資産を計算する(在庫を日齢別に評価)
  2. 正常化後の利益を3期分算出する
  3. 顧問の税理士に確認してもらう
  4. 複数の仲介会社・FAに簡易査定を依頼し、比べる

4番目は無料のことが多く、複数取れば相場観がつかめます。

費用と期間の目安を確認する

依頼を検討する際は、まず条件を確認してください。

  • 費用の体系 — 定額か、規模に応じるか
  • 所要期間 — 資料の提出から報告までの日数です
  • 必要な資料 — 決算書、在庫リスト、契約書など
  • 算定方法 — 複数の方法を併用するかどうかです
  • 報告書の形式 — 用途によって、必要な形式が変わります
  • 依頼先の適性 — 業種の理解があるかどうかです

6番目がリユース業では重要です。在庫の評価が価値の大半を占める業種であるため、在庫の実態を理解していない評価者では、実務的に使える数字になりません。過去にリユース・小売の案件を扱った実績があるかを、事前に確認してください。

取ったほうがよい場面

費用に見合う場面と、そうでない場面があります。

  • 親族間・従業員への承継 — 価格の妥当性を示す必要があります
  • 株主が複数いる — 株主間で説明が必要になります
  • 相続が絡む — 他の相続人への説明材料になります
  • 買い手の提示に納得できない — 対抗する材料になります
  • 訴訟や紛争の可能性がある

1番目から3番目では、第三者の評価があることの意味が大きくなります。身内での取引は、価格の妥当性が後から問題になりやすい領域です。税務上の観点からも、根拠のある価格設定が求められます。具体的な必要性は、税理士・弁護士にご確認ください。

評価書の使い方と限界

取得しても、万能な資料ではありません。

  • 買い手が同じ数字を受け入れるとは限らない — 買い手には買い手の算定があります
  • 前提の置き方で金額が変わる — 在庫の掛け率、割引率などです
  • 交渉の出発点として使う — 主張の根拠にはなりますが、決定ではありません
  • 時点が古くなる — 業績や相場が変われば、見直しが必要です
  • 取得した事実自体が姿勢を示す — 客観的な評価を求めた点は、評価されます

費用をかける前に、代替手段も検討してください。複数のM&A仲介・アドバイザーから見立てを聞く、金融機関に相談する、といった方法でも、おおよその水準は把握できます。正式な評価書が必要な理由が明確でない場合は、まずこれらの方法から始めるほうが現実的です。

まとめ

株主が複数いる場合や、MBO・親族間譲渡では取る価値があります。小規模なら費用対効果を検討してください。

依頼する場合は、在庫を日齢別に評価してくれるかを事前に確認しましょう。

※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。税務上の取扱いや補助金の対象・要件は、制度の改正や個別の事情によって異なります。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家および管轄窓口にご確認ください。