相場を動かす要因
- ブランド側の価格改定:新品価格が上がれば、中古相場も動く
- モデルの生産終了・復刻:希少性が変わる
- 海外需要と為替:輸出しやすい局面かどうか
- メディア・SNSでの露出:特定のモデルが急に動く
- 流行の変化:色、サイズ、素材の好み
貴金属と違い、ブランド全体ではなくモデル単位で動くのが特徴です。
同じブランドでも差が大きい
定番モデルは相場が安定していますが、流行に乗ったモデルは急落することがあります。
| 定番モデル | 流行モデル | |
|---|---|---|
| 相場 | 安定 | 変動が大きい |
| 回転 | 読める | 波がある |
| 持つリスク | 低い | 高い |
| 原価率 | 高めでも可 | 抑えるべき |
在庫の持ち方
- 定番モデルは在庫を持ってよい:相場が安定しており、いずれ売れます
- 流行モデルは早く出す:日齢の基準を短く設定する
- モデル別の在庫上限を決める:同じモデルを抱えすぎない
- 相場の変化を月次で確認する:下落しているモデルは優先して出す
買取原価率への反映
ブランド一律の原価率では対応できません。モデル単位で設定する必要があります。
基準表に、モデルごとの原価率上限と、想定回転日数の欄を設けてください。相場が動いたら、その欄を更新します。
評価減の考え方
相場が下がったモデルの在庫は、含み損を抱えています。決算や承継の前に、評価減を計上するかどうかの判断が必要です。
計上すれば純資産は下がりますが、残った在庫の信頼度は上がります。M&Aの場面では、先に減らしておいたほうが評価は良くなることが多くあります。
税務上の取扱いは個別の事情によります。税理士に相談してください。
相場を追う体制
- 参照する相場情報の出所を決める(業者間市場の落札実績、モールの相場)
- 主要モデルについて、月次で相場を記録する
- 自店の買取額と実売額の差を、モデル別に集計する
- 差が縮小しているモデルは、原価率を見直す
この記録は、買収監査で在庫の妥当性を説明する材料にもなります。
相場を追う体制をどう作るか
ブランド品の相場はモデルごとに動きます。個人の記憶に頼らない形にしてください。
- 参照先を統一する — どのサイトのどの数字を見るかを決めます。担当者ごとに違うと査定額がばらつきます
- 自社の実売データを蓄積する — 最も価値があるのはこれです。「うちの商圏でこの価格でこの日数で売れる」という事実に勝る根拠はありません
- 週に一度の確認を業務にする — 主力モデルの相場を記録します。動きの方向が分かります
- 変動を共有する場を作る — 気づいた動きを個人に留めさせない。朝礼で一言でも足ります
- 基準表に反映する — 相場が動いたら掛け率を見直します。更新日を記録してください
とくに2番目が差別化になります。外部の相場情報は誰でも見られますが、自店の実売データは自分だけが持っている情報です。
評価減をどう考えるか
相場が高い時期に仕入れた在庫は含み損を抱えている可能性があります。放置すると承継や譲渡の場面で大きく割り引かれます。
実務としては次の順で考えてください。
- まず管理上の数字を持つ — 会計処理をするかどうかは別として、「今売ったらいくらか」を把握しておくことは今日からできます
- 仕入れ時の相場を記録に残す — 現在の相場と並べられれば、含み損の状況を自分から説明できます
- 処分の方針を決める — 相場が戻る見込みが薄いものは、早く出すほうが手元に残る金額は大きくなります
- 会計処理は専門家と相談する — 要件があるため、税理士に確認してください
買い手は必ず実勢価格で見直します。こちらが先に整理していれば「管理できている会社」と評価され、放置していれば「実態が見えない会社」として割り引かれます。
まとめ
ブランド品の相場はモデル単位で動きます。定番は持ってよく、流行モデルは早く出す。原価率もモデル別に設定してください。
まず主要モデルの相場を月次で記録するところから始めましょう。