根拠のない数字が落ちる理由
「売上が2割増える」と書いても、なぜそうなるかが示されなければ評価されません。審査する側は、実現できるかを見ています。
リユース業で使える数字
| データ | 何の根拠になるか |
|---|---|
| 在庫回転率 | 改善による資金効率の向上 |
| 在庫日齢の分布 | 滞留の削減効果 |
| 区分別の粗利率 | 注力する商材の選定理由 |
| 買取件数と成約率 | 仕入れの改善余地 |
| 販路別の売上 | 新しい販路の伸びしろ |
組み立て方
- 現状の数字を出す(実績)
- 問題がどこにあるかを特定する
- 投資によって何がどう変わるかを示す
- 変化を数字に置き換える
- その数字が現実的な理由を書く
具体例の作り方
たとえば在庫回転を根拠にする場合。
- 現在の在庫日齢の分布を示す
- 181日以上の在庫が◯%あることを示す
- EC出品によって何%まで下げられるかを示す
- その分の資金が仕入れに回ることを示す
- 仕入れが増えれば売上がどう伸びるかを示す
一つひとつの段階に実績の裏付けがあれば、全体が説得力を持ちます。
控えめに書く
大きな数字を書くほど良いわけではありません。達成できる数字を書いてください。採択後には実績報告があります。
売上を要素に分解する
売上を直接推計すると、根拠が示せません。
- 点数 × 単価 に分ける
- 点数を、出品数 × 成約率 に分ける
- それぞれの根拠を自社の実績から取る
- 制約条件を確認する — 作業時間、在庫量、人員
- 掛け合わせて売上を出す
- 立ち上がりの期間を反映する
3番目が計画の質を決めます。成約率も単価も、自社の過去の実績から取れます。外部の一般的な数値より、自社のデータのほうがはるかに説得力があります。集計に時間をかけてください。
効果の測定方法を書く
どう検証するかまで書いてある計画は、信頼されます。
- 測定する指標を明記する
- 測定の頻度を書く — 月次、四半期
- 比較の基準を書く — 導入前の数字、前年同月
- 季節要因の扱いを書く
- 目標に届かない場合の対応を書く
5番目まで書けると、計画の完成度が上がります。想定より効果が小さかった場合にどうするかを書いてあれば、リスクを認識していることが伝わります。この記載が不利になることはありません。
提出前の点検
書き上げたら、読み返す前に時間を置いてください。
- 課題・取り組み・効果が一本の線でつながっているか
- 数字がすべて根拠と対応しているか
- 専門用語が説明なしに使われていないか
- 実行の担当と時期が書かれているか
- 第三者に読んでもらったか
1番目が最も多い不備です。課題として在庫の滞留を挙げながら、取り組みが店舗の改装になっている、といった不整合が生じます。課題から効果まで、順に読んでつながっているかを確認してください。
数字を集める仕組みを先に作る
根拠となるデータは、日常の記録から生まれます。
- 個品管理を整える — 日齢も粗利も、ここから出ます
- 販路別に実績を記録する
- 買取をチャネル別に記録する
- 作業時間を定期的に測る
- 月次で同じ形式で集計する
申請の直前に集計しようとしても、記録がなければ作れません。これらは制度のためだけでなく、日常の経営判断にも、承継の準備にも使う数字です。記録の仕組みを先に整えておけば、必要になったときにすぐ資料が作れます。
まとめ
根拠は自社の実績データから作ります。
日頃から在庫日齢や粗利率を記録していることが、そのまま強みになります。