収益を圧迫する2つのコスト

  1. 保管スペース:1点あたりの占有面積が大きい
  2. 配送:車両、人員、搬入の手間

単価に対してこれらのコストが大きいため、回転が落ちると一気に採算が崩れます。

在庫管理の要点

  • 面積あたりの粗利を測る(点数ではなく面積で)
  • 大型品ほど日齢の基準を短く設定する
  • 回転の遅いカテゴリは、買取上限を下げる
  • 保管コストを原価に織り込む

「置いておけばいつか売れる」が最も危険な業態です。

配送体制

  • 車両(サイズ、台数)
  • 配送・搬入の人員
  • 階段作業、狭所への搬入の技術
  • 配送料の設定(実費か、無料か、距離別か)
  • 組立・設置の対応

配送体制は参入障壁であり、買い手にとっての価値にもなります。

法人需要という選択

個人向けだけでなく、法人向けを持つと安定します。

  • オフィス移転に伴う什器の仕入れと販売
  • 宿泊施設、飲食店の改装
  • まとまった量が動き、時期も読める

ECとの相性

家具はECと相性が悪い商材です。送料が高く、実物を見たい需要も強い。

ただし次の工夫はできます。

  • 小型家具・雑貨だけECに出す
  • サイトで在庫を見せ、来店を促す
  • 地域限定の配送で、EC販売する

承継の論点

  1. 倉庫・店舗の契約(面積が大きく、賃料も高い)
  2. 配送体制(車両、人員)
  3. 面積あたりの粗利
  4. 在庫の日齢と回転
  5. 法人取引の有無

面積あたりの採算を測る

場所を取る商材では、面積の生産性が収益を決めます。

  1. 売場を区画に分ける — 什器や棚の単位で構いません
  2. 区画ごとの売上と粗利を集計する
  3. 占有面積で割る — 面積あたりの粗利が出ます
  4. カテゴリ別に比較する — 大型品と小型品の差が見えます
  5. 回転日数もあわせて見る
  6. 採算の悪いカテゴリの扱いを決める

4番目で判断が変わることがあります。大型家具は単価が高くても、占有面積と保管期間を考えると採算が合わない場合があります。一方で、集客の役割を担っていることもあります。数字を出したうえで、役割も含めて判断してください。

配送体制を整理する

運ぶことが事業の一部である以上、その体制が価値になります。

  • 自社配送か外注かを整理する
  • 車両と人員の状況を示す
  • 配送料金の体系を示す — 実費との差を確認します
  • 配送可能な範囲を示す
  • 組立・設置の対応状況
  • 配送に伴う事故・破損の履歴と対応

3番目を実費と比較してください。配送料金が実費を下回っていると、売るほど損失が出る構造になります。距離帯別の実費を集計し、料金体系を見直してください。この分析は、承継の場面でも収益構造の説明に使えます。

法人需要という選択肢

個人向けだけでなく、法人向けの販路を持つと収益が安定します。

  • オフィス・店舗の開業案件 — まとまった数量の需要があります
  • 宿泊施設・福祉施設
  • 不動産事業者との提携 — 内見用の設置需要です
  • 撤去・引き取りとセットで提案する — 買取の機会にもなります
  • 継続的な取引になりやすい

4番目が仕入れと販売の両方を生みます。法人の移転や閉鎖では、不要になる什器の引き取りと、新しい什器の納入が同時に発生します。両方を担えれば、1件の案件で仕入れと販売の両方が成立します。この体制があることは、承継の場面でも評価されます。

買取時に判断すべきこと

運搬に人手がかかる商材では、引き取るかどうかの判断が採算を決めます。

  • 搬出の条件を事前に確認する — 階数、エレベーター、通路の幅
  • 作業人数と時間を見積もる
  • その原価を買取額から差し引く
  • 引き取らない基準を明示する

1番目を事前に確認しないと、現場で採算が崩れます。エレベーターのない上層階からの搬出は、人手と時間が大きく変わります。訪問前のヒアリング項目に含め、写真で確認する運用にしてください。

まとめ

保管と配送のコストが収益を決めます。面積あたりの粗利を測ってください。

大型品ほど日齢を短く。法人需要を持つと安定します。