前日までに終えること

  • 前提条件がすべて満たされているかの確認
  • 在庫の最終棚卸(基準日時点)
  • 引き渡す書類の準備
  • 従業員への説明(当日または前日)
  • 取引先・顧客への通知文の準備
  • 金融機関との調整(個人保証の解除、口座)

当日の主な作業

  1. 前提条件の充足確認:双方で確認する
  2. 株式譲渡または事業譲渡の実行:書類の署名、株主名簿の書換えなど
  3. 代金の決済:着金を確認する
  4. 在庫の最終確認:基準日以降の増減を反映する
  5. 鍵・記録・資産の引き渡し
  6. 役員の変更手続き
  7. 関係先への通知

3番目の着金確認を必ず行ってから、引き渡しを進めてください。

引き渡すもの(リユース業)

  • 店舗・倉庫の鍵、セキュリティのコード
  • 金庫の鍵と暗証番号
  • 古物商許可証
  • 古物台帳・本人確認記録(過去分を含む)
  • 在庫データ(電子データと一覧)
  • システムの管理者アカウントとパスワード
  • ECモール・SNSのアカウント
  • 契約書一式(賃貸借、リース、取引先)
  • 従業員名簿と雇用契約書
  • 取引先の一覧と連絡先

許認可の手続きを忘れずに

株式譲渡の場合、許可は法人のものとして残りますが、役員変更などの届出が必要になります。

事業譲渡の場合、買い手が自ら許可を持っている必要があります。持っていなければ営業できません。引き渡し日を決める前に、必ず確認してください。

関係先への通知

  • 従業員:当日または前日に、経営者から直接
  • 取引先・仕入先:書面で。窓口の変更もあわせて
  • 古物市場:参加者としての名義の扱い
  • 金融機関
  • 顧客:店頭掲示、サイト、SNS

通知の順序とタイミングを、事前に買い手と決めておいてください。

当日の心構え

従業員にとっては、突然の知らせになります。次を伝えてください。

  • なぜ譲渡したのか
  • 雇用と処遇はどうなるのか
  • 今後、誰が経営するのか
  • 自分はいつまで関わるのか

とくに査定担当には、個別に話す時間を取ってください。その人が辞めると、買い手が困ります。

前日までの確認事項

当日に不足が判明すると、実行が延期されます。

  1. 前提条件がすべて満たされているか確認する — 契約書に列挙されています
  2. 必要書類を揃える — 印鑑証明、登記事項証明書、株主名簿など
  3. 資金の受け渡し方法を確認する — 着金の確認方法と時間です
  4. 関係者の出席を確認する — 署名権限のある人が必要です
  5. 引き渡す物品を一覧にする
  6. 当日の手順書を双方で共有する

3番目の確認を怠らないでください。着金の確認ができるまで、書類を渡さないのが原則です。銀行の営業時間、送金の反映時間を確認し、当日の時間割に反映してください。

リユース業で引き渡すもの

この業種に固有の引き渡し物があります。漏れやすい項目です。

  • 古物商許可証 — 方式によって扱いが異なります
  • 古物台帳・取引記録 — 保存期間内のものすべてです
  • 在庫リストと現物 — 基準日時点で確定したものです
  • 査定基準・手順書
  • ECアカウントの権限 — ID、パスワード、二段階認証の設定
  • 顧客情報 — 承継の手続きを確認したうえでです
  • 金庫・保管庫の鍵と暗証番号
  • 取引先の連絡先一覧

5番目は事前の準備が必要です。二段階認証が経営者個人の携帯電話に紐づいていると、当日に移管できません。認証の設定変更には日数がかかる場合があるため、前もって手順を確認しておいてください。

許認可と届出の手続き

引き渡し後の手続きにも期限があります。

  • 古物商許可に関する届出 — 役員変更、営業所、管理者などです
  • 法人登記の変更 — 役員変更、本店移転など
  • 税務署への届出
  • 労働保険・社会保険の手続き
  • 金融機関への届出 — 口座の名義や届出印の変更です
  • 各種契約の名義変更 — 賃貸借、リース、公共料金、通信

手続きの内容と期限は、所轄の警察署・行政書士・弁護士にご確認ください。届出には期限が定められているものがあり、遅れると問題になります。誰が、いつまでに行うかを、引き渡し前に一覧にして双方で確認しておいてください。

まとめ

着金を確認してから引き渡す。許可証と記録は必ず引き渡す。従業員には経営者から直接伝える。

引き渡すものの一覧を、事前にチェックリストにしておきましょう。

※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。古物営業法にもとづく許可の要否・必要書類・審査期間や、本人確認義務の具体的な運用は、法令の改正や管轄する警察署・公安委員会の運用によって異なります。実際の手続きにあたっては、必ず管轄窓口および専門家にご確認ください。