主要な条項

  • 譲渡の対象と価格、支払方法と時期
  • 表明保証:契約時点の事実について、真実であると保証する
  • 誓約事項:引き渡しまでに行うこと、行わないこと
  • 前提条件:これが満たされなければ実行しない条件
  • 補償:表明保証に違反があった場合の責任
  • 競業避止義務
  • 従業員の処遇
  • 解除の条件

表明保証とは

「契約の時点で、こういう状態であることに間違いありません」と保証するものです。後で違っていた場合、買い手に生じた損害を補償することになります。

ここが、成約後にお金を払うことになる主な原因です。

リユース業で焦点になる表明保証

  1. 在庫の実在と数量:帳簿の在庫が実際に存在すること
  2. 在庫の権利:第三者の権利が付いていないこと
  3. 盗品でないこと:適法に取得したこと
  4. 真正品であること:偽造品が含まれていないこと
  5. 許認可の有効性:古物商許可が有効で、届出が実態と一致していること
  6. 記録の適正:古物台帳と本人確認記録が法令に従って作成・保存されていること
  7. 労務:未払賃金がないこと

4番目は特に慎重に

「在庫に偽造品が一切含まれていないことを保証する」という文言は、広すぎます。

数千点の在庫すべてについて、絶対的な保証をするのは現実的ではありません。次のような形に交渉してください。

  • 「知る限り」という限定を付ける
  • 社内の真贋判定手順に従って確認したことを内容とする
  • 一定額以上の商品に限定する
  • 補償の上限額と期間を設ける

真贋判定の記録が残っていれば、この交渉がしやすくなります。

責任の範囲と期間

次を必ず確認してください。

  • 補償の上限額:譲渡価格の何割までか
  • 下限額:一定額未満の損害は請求しない、という取り決め
  • 期間:いつまで責任を負うか(項目によって変えることもあります)
  • 代金の留保:一部を一定期間預ける形になっていないか

その他の交渉点

  • 個人保証の解除時期:契約書に明記してもらう
  • 引き継ぎ関与の期間と報酬:無償で長期は避ける
  • 競業避止の範囲と年数:広すぎないか
  • 従業員の雇用と処遇:具体的に書いてもらう

契約書を読む順序

分量が多く、どこから読むべきか迷います。優先順位があります。

  1. 表明保証の条項 — 何を保証するのかを、1項目ずつ確認します
  2. 補償の条項 — 上限、期間、免責額を確認します
  3. 支払いの条項 — 金額、時期、条件
  4. クロージングの前提条件 — 何が満たされないと実行されないかです
  5. 解除の条項
  6. 競業避止・引き継ぎ関与の条項
  7. その他の一般条項

4番目は見落とされがちですが重要です。許認可の手続き、金融機関の同意、取引先の承諾など、実行の前提となる条件が満たされなければ、契約が実行されません。自社が対応すべき条件を把握し、期限までに準備してください。

リユース業で特に確認すべき条項

この業種に固有の論点が、契約に反映されます。

  • 在庫の評価と精算の方法 — 基準日、掛け率、差異の調整
  • 真贋・偽造品に関する保証 — 範囲と期間を必ず確認します
  • 古物営業法の遵守に関する保証 — 過去の記録の適法性です
  • 預かり品・委託品の扱い — 譲渡対象から除外されているかです
  • 許可の承継または取得に関する定め
  • ECアカウントの承継に関する定め

2番目と3番目は、リユース業の売り手にとって最大のリスク項目です。過去の全取引について無限定に保証すると、譲渡後に発覚した問題の責任を負い続けることになります。範囲と期間の限定を、必ず交渉してください。弁護士の関与が不可欠です。

修正を求めるときの進め方

契約書は買い手側が用意することが多いため、修正の交渉が必要になります。

  • 弁護士を通して修正案を出す — 口頭での指摘では、意図が伝わりません
  • 修正の理由を添える — 単なる削除要求より、通りやすくなります
  • 優先順位をつける — すべてを主張すると、交渉が長引きます
  • 代替案を示す — 「削除」ではなく「この範囲に限定」という形です
  • 日程に余裕を持つ — 修正のやり取りには、数週間かかります

4番目の進め方が最も現実的です。買い手にも保護すべき利益があるため、条項の全面削除は受け入れられません。範囲を限定する、期間を区切る、金額の上限を設けるといった形で、双方が受け入れられる着地点を探してください。

まとめ

最終契約では、在庫と真贋の表明保証をどこまで負うかが焦点です。「知る限り」の限定と、上限額・期間の設定を交渉してください。

必ず弁護士に確認してもらってから署名してください。