主要な条項
- 譲渡の対象と価格、支払方法と時期
- 表明保証:契約時点の事実について、真実であると保証する
- 誓約事項:引き渡しまでに行うこと、行わないこと
- 前提条件:これが満たされなければ実行しない条件
- 補償:表明保証に違反があった場合の責任
- 競業避止義務
- 従業員の処遇
- 解除の条件
表明保証とは
「契約の時点で、こういう状態であることに間違いありません」と保証するものです。後で違っていた場合、買い手に生じた損害を補償することになります。
ここが、成約後にお金を払うことになる主な原因です。
リユース業で焦点になる表明保証
- 在庫の実在と数量:帳簿の在庫が実際に存在すること
- 在庫の権利:第三者の権利が付いていないこと
- 盗品でないこと:適法に取得したこと
- 真正品であること:偽造品が含まれていないこと
- 許認可の有効性:古物商許可が有効で、届出が実態と一致していること
- 記録の適正:古物台帳と本人確認記録が法令に従って作成・保存されていること
- 労務:未払賃金がないこと
4番目は特に慎重に
「在庫に偽造品が一切含まれていないことを保証する」という文言は、広すぎます。
数千点の在庫すべてについて、絶対的な保証をするのは現実的ではありません。次のような形に交渉してください。
- 「知る限り」という限定を付ける
- 社内の真贋判定手順に従って確認したことを内容とする
- 一定額以上の商品に限定する
- 補償の上限額と期間を設ける
真贋判定の記録が残っていれば、この交渉がしやすくなります。
責任の範囲と期間
次を必ず確認してください。
- 補償の上限額:譲渡価格の何割までか
- 下限額:一定額未満の損害は請求しない、という取り決め
- 期間:いつまで責任を負うか(項目によって変えることもあります)
- 代金の留保:一部を一定期間預ける形になっていないか
その他の交渉点
- 個人保証の解除時期:契約書に明記してもらう
- 引き継ぎ関与の期間と報酬:無償で長期は避ける
- 競業避止の範囲と年数:広すぎないか
- 従業員の雇用と処遇:具体的に書いてもらう
契約書を読む順序
分量が多く、どこから読むべきか迷います。優先順位があります。
- 表明保証の条項 — 何を保証するのかを、1項目ずつ確認します
- 補償の条項 — 上限、期間、免責額を確認します
- 支払いの条項 — 金額、時期、条件
- クロージングの前提条件 — 何が満たされないと実行されないかです
- 解除の条項
- 競業避止・引き継ぎ関与の条項
- その他の一般条項
4番目は見落とされがちですが重要です。許認可の手続き、金融機関の同意、取引先の承諾など、実行の前提となる条件が満たされなければ、契約が実行されません。自社が対応すべき条件を把握し、期限までに準備してください。
リユース業で特に確認すべき条項
この業種に固有の論点が、契約に反映されます。
- 在庫の評価と精算の方法 — 基準日、掛け率、差異の調整
- 真贋・偽造品に関する保証 — 範囲と期間を必ず確認します
- 古物営業法の遵守に関する保証 — 過去の記録の適法性です
- 預かり品・委託品の扱い — 譲渡対象から除外されているかです
- 許可の承継または取得に関する定め
- ECアカウントの承継に関する定め
2番目と3番目は、リユース業の売り手にとって最大のリスク項目です。過去の全取引について無限定に保証すると、譲渡後に発覚した問題の責任を負い続けることになります。範囲と期間の限定を、必ず交渉してください。弁護士の関与が不可欠です。
修正を求めるときの進め方
契約書は買い手側が用意することが多いため、修正の交渉が必要になります。
- 弁護士を通して修正案を出す — 口頭での指摘では、意図が伝わりません
- 修正の理由を添える — 単なる削除要求より、通りやすくなります
- 優先順位をつける — すべてを主張すると、交渉が長引きます
- 代替案を示す — 「削除」ではなく「この範囲に限定」という形です
- 日程に余裕を持つ — 修正のやり取りには、数週間かかります
4番目の進め方が最も現実的です。買い手にも保護すべき利益があるため、条項の全面削除は受け入れられません。範囲を限定する、期間を区切る、金額の上限を設けるといった形で、双方が受け入れられる着地点を探してください。
まとめ
最終契約では、在庫と真贋の表明保証をどこまで負うかが焦点です。「知る限り」の限定と、上限額・期間の設定を交渉してください。
必ず弁護士に確認してもらってから署名してください。