再配達が生む負担
- 走行距離と時間が増える:燃料費、人件費
- 売上は増えない:多くの場合、追加料金は取れない
- 拘束時間が延びる:規制への影響
- ドライバーの負担:徒労感が離職につながる
- 配送計画が崩れる:他の配達にも影響
1件あたりの原価が倍近くになることを、まず数字で把握してください。
まず実態を測る
- 再配達の発生率(全体の何%か)
- 地域別・時間帯別の発生率
- 1件あたりの追加時間と距離
- 月間の追加コスト
「月間◯件、◯時間、◯円の負担」と示せると、荷主との交渉材料になります。
受取方法の多様化
1. 置き配
玄関前などに置いて完了とする方法です。再配達を大きく減らせます。
ただし次の課題があります。
- 盗難・紛失時の責任
- 雨天時の扱い
- 受取人の同意
- 写真による記録の手間
責任の所在を、荷主・EC事業者と事前に取り決めてください。荷主との契約書を整える、事故時の保険と賠償の考え方をご覧ください。
2. 宅配ボックス
マンションの共用設備、戸建て向けの個人設置。設置が進めば再配達は減りますが、運送会社が設置を進められるものではありません。
3. コンビニ・駅・ロッカーでの受取
受取人が指定の場所で受け取る方式です。まとめて配達できるため効率的です。
4. 時間指定の精度向上
指定が正確に守られれば、不在は減ります。到着予測を受取人に通知する仕組みが有効です。動態管理の活用をご覧ください。
事前通知の効果
配達前に受取人へ通知することで、不在率が下がります。
- 配達予定日時の通知
- 到着直前の通知
- 受取方法の変更を受け付ける
これはEC事業者・元請の仕組みによることが多いため、連携が必要です。自社で受注から担う場合は、導入を検討してください。
荷主・EC事業者との連携
再配達を減らすには、発送側の協力が不可欠です。
- 注文時に置き配を選べるようにする
- 正確な連絡先を取得する
- 配達予定の通知を行う
- 受取方法の選択肢を用意する
データ(再配達率)を示して提案してください。EC事業者にとっても、配送コストと顧客満足の問題です。EC物流の拡大がもたらす変化をご覧ください。
料金への反映
再配達が一定率を超える場合の追加料金を、契約で定められないか検討してください。
- 再配達1件あたりの料金
- 再配達率が一定を超えた場合の割増
- 置き配を選択した場合の料金差
実測データがないと交渉できません。 まず測ってください。待機料・附帯作業料の収受と同じ進め方です。
自社でできる工夫
- 配達ルートの見直し:不在の多い地域・時間帯を避ける
- 不在情報の蓄積:この住所は夜間なら在宅、といった記録
- 不在票の工夫:受取方法の選択肢を分かりやすく示す
- 連絡手段の提供:電話以外(アプリ、SMS)
2番目はドライバーの経験知です。個人の頭の中にとどめず、記録として共有してください。ベテランの引き止めと技能の継承をご覧ください。
ドライバーの負担への配慮
再配達はドライバーにとって精神的な負担が大きい作業です。
- 再配達の件数を評価の減点にしない(本人の責任ではありません)
- 不在が多い地域の担当を固定しすぎない
- 改善の取り組みを共有する(会社が動いていることを伝える)
ドライバーの離職防止をご覧ください。
制度・社会的な動き
再配達の削減は、物流の効率化に関する政策課題としても取り上げられています。置き配の推進や、受取方法の多様化を促す動きがあります。
「業界全体・社会全体の課題です」という切り口は、荷主やEC事業者との話を進めやすくします。荷主側の規制強化と運送会社への影響をご覧ください。
まとめ
再配達は売上を生まずコストだけがかかる作業です。まず発生率と月間の追加コストを測ってください。置き配・事前通知・受取方法の多様化が主な対策ですが、いずれも発送側の協力が必要です。データを示して提案し、料金への反映も検討してください。ドライバーを責めないことが前提です。