義務の考え方
年次有給休暇が一定日数以上付与される従業員について、そのうち一定の日数を、使用者が時季を指定してでも取得させることが求められています。
ポイントは、本人からの申し出を待つのではなく、会社側が取得させる責任を負うという点です。
本人からの申し出を待つのではなく、会社側が取得させる責任を負うという点が要点です。「本人が取らないから」という説明は通りません。
対象を把握する
正社員だけの話ではありません。パート・アルバイトでも、勤務日数と勤続年数に応じて年次有給休暇が付与されます。
まず全従業員の付与日数と、いつ付与されたか(基準日)を一覧にしてください。これがないと管理できません。
正社員だけの話ではありません。パート・アルバイトでも勤務日数と勤続年数に応じて付与されます。一覧がないと管理できないため、まず作ってください。
少人数店で回すコツ
「人が足りないから休ませられない」というのが実態でしょう。次の工夫が有効です。
- 閑散期・閑散曜日に計画的に入れる:来店データから決める
- 年初にシフトへ組み込む:後回しにすると取れません
- 1日単位で分散させる:連続でなくてよい
- 査定できる人を増やす:根本的な解決はここです
4番目が本質です。特定の人が抜けられない状態こそが問題であり、承継のリスクそのものでもあります。
4番目が根本的な解決です。査定できる人が1人しかいなければ、その人は休めません。基準の文書化と育成が休暇の取得にも効いてきます。
計画的な取得の進め方
- 従業員ごとの基準日と付与日数を一覧にする
- 年度初めに、取得予定日を本人と相談して決める
- シフト表に最初から組み込む
- 四半期ごとに取得状況を確認する
- 遅れている人には、時季を指定して取得させる
3番目が要点です。シフト表に最初から組み込んでおけば、後回しになりません。年度が始まってから調整しようとすると取れないまま終わります。
記録の残し方
付与日数、取得日、残日数を管理する帳簿を作り、保存してください。様式や保存期間には定めがあります。
買収監査でも確認される資料です。「取らせているつもり」では説明できません。
様式や保存期間には定めがあります。買収監査でも確認される資料です。「取らせているつもり」では説明できません。帳簿を作って残してください。
取得しやすい空気をつくる
制度があっても、申し出にくい雰囲気では取得されません。
- 経営者・店長が率先して取る
- 取得を評価に反映しない(取ると不利になる状態をなくす)
- 誰かが休んでも回るよう、業務の共有を進める
3番目は、査定基準の文書化と同じ話です。属人化の解消が、休暇の取得にも効いてきます。
3番目は、査定基準の文書化と同じ話です。誰かが休んでも回る状態を作ることが、休暇の取得にも承継の準備にも同じように効いてきます。
査定できる人が増えると休める
「人が足りないから休ませられない」という状態の根っこは、特定の人しかできない業務があることです。休暇の取得と属人化の解消は同じ問題の裏表です。
- 査定できる人が1人 → その人は休めません。休めば買取が止まります
- 台帳を入力できる人が1人 → 記録が滞り、法令対応にも影響します
- レジ締めができる人が1人 → 閉店作業がその人に固定されます
- 管理者が1人 → 許可の面でも不在にできない状態になります
逆に言えば、休暇が取れる体制はそのまま承継できる体制です。「誰かが休んでも回る」ことは、「経営者が抜けても回る」ことの小さな練習でもあります。基準の文書化と育成から始めてください。
まとめ
年次有給休暇は、会社側が取得させる義務を負います。年初にシフトへ組み込むのが最も確実です。
まず全員の付与日数と取得状況を一覧にしてください。管理はそこから始まります。
まず全員の付与日数と取得状況を一覧にしてください。管理はそこから始まります。整理のしかたについてはご相談いただけます。
※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。労働法令の具体的な適用や必要な手続きは、法改正や個別の事情によって異なります。実際の対応にあたっては、社会保険労務士等の専門家および所轄の労働基準監督署にご確認ください。