確認する三点
| 区分 | 確認すること |
|---|---|
| 契約 | 名義、承継時の扱い、費用 |
| データ | 誰が持っているか、取り出せるか |
| 運用 | 使い方を知っているのは誰か |
データを取り出せるか
クラウドのサービスを使っている場合、解約するとデータが取り出せなくなることがあります。次の点を確認してください。
- データを一括で書き出せるか
- どの形式で出せるか
- 解約後の保管期間はどれくらいか
- 過去の取引記録も含まれるか
古物台帳との関係
取引の記録は、法令上一定期間の保存が求められます。システムで管理している場合、承継後も参照できる状態を保つ必要があります。
保存の要件はシステムの仕様によって満たし方が変わります。判断がつかない場合は管轄の警察署に確認してください。
属人化を解く
- 誰がどの機能を使っているかを書き出す
- 操作の手順書を作る
- 管理者権限を複数人が持つ
- ログイン情報を会社で管理する
- ベンダーの担当窓口を共有する
「あの人しか触れない」システムは、承継の障害になります。
乗り換えを検討する場合
古いシステムを使い続けているなら、承継は入れ替えの機会でもあります。ただし移行中の混乱を避けるため、代表交代と同時にはしないでください。
データを取り出せるかを確認する
在庫のデータは、会社の資産です。
- データの保存場所を確認する — 自社サーバーか、事業者のクラウドか
- データの所有権を契約で確認する
- 取り出しの可否と形式を確認する — CSVなどで出力できるかです
- 実際に出力してみる — できると聞いていても、確認が必要です
- 解約後のデータの扱いを確認する
- 過去分をどこまで保持しているかを確認する
4番目を実際に試してください。契約上は出力できることになっていても、実際の形式が使えないことがあります。承継の前に一度出力し、内容を確認しておいてください。
法令上の記録の保存
法令上の記録が、システムの中にある場合の確認事項です。
- 記録の保存義務の期間を確認する
- システムの解約後も保存できるかを確認する
- 出力した形式で保存が認められるかを確認する
- 承継後、後継者が閲覧できる形にする
- 紙での保存も検討する
保存の要件は、所轄の警察署にご確認ください。電子的な記録の保存方法について、認められる形式と条件があります。システムを乗り換える場合や解約する場合、過去の記録をどう保存するかを事前に確認してください。
扱える人を増やす
システムを扱える人が1人だと、承継できません。
- 操作の手順書を作る
- 複数名が扱える状態にする
- 管理者の権限を複数名に持たせる
- ID・パスワードの管理方法を定める
- 事業者との窓口を複数名にする
- カスタマイズの内容を記録する
6番目を忘れないでください。長年使っているシステムには、自社向けの設定や運用の工夫が蓄積されています。それが記録されていないと、承継後に誰も理解できません。設定の内容と、その理由を文書に残してください。
入れ替えの時期を選ぶ
承継の機会にシステムを変える判断もあります。
- 移行の時期を選ぶ — 承継と同時は避けてください
- データの移行が可能かを確認する
- 過去の記録をどう保存するかを決める
- 移行期間中の運用を決める
- 現場の負担を見込む
1番目を守ってください。承継と同時にシステムを変えると、混乱が重なります。どちらか一方が落ち着いてから、もう一方に着手する順序にしてください。承継の1年前か、承継後1年経ってからが目安です。
まとめ
システムは契約・データ・運用の三点で確認してください。
データを取り出せるか、複数人が操作できるか。この二つが最も重要です。