加入は義務であって選択ではない

「本人が加入を希望しない」「扶養から外れたくないと言っている」。よく聞く理由ですが、要件を満たせば加入は義務です。本人の希望で外すことはできません。

加入要件は、労働時間や勤務日数、賃金、企業規模などによって定められています。要件は改正されることがあるため、最新の内容を確認してください。

本人の希望で外すことはできません。「扶養から外れたくない」という事情は理解できますが、要件を満たせば加入は義務です。要件は改正されることがあるため最新の内容を確認してください。

見落としやすいケース

  • シフトが増えて要件を満たすようになった:入社時は対象外でも、後から該当する
  • 繁忙期だけ勤務時間が伸びる:恒常的なら要件に該当し得る
  • 複数店舗で勤務している:合算の考え方に注意
  • 学生の扱い:一律に対象外ではない
  • 親族を雇用している:形式だけの雇用でないかを確認

1番目が最も多い形です。入社時に判定して、その後見直していないという状態です。

1番目が最も多い形です。入社時は対象外でも、シフトが増えて後から該当するようになる。採用時の判定だけでは足りません。

遡って求められる負担

未加入が判明した場合、遡って保険料の納付を求められることがあります。

負担が重いのは、本人負担分も含めて会社が払うことになりがちな点です。すでに退職した人の分は、本人から回収するのが困難です。

負担が重いのは、本人負担分も含めて会社が払うことになりがちな点です。すでに退職した人の分は本人から回収するのが困難です。早く直すほど負担は小さくなります。

買収監査での扱い

従業員名簿、勤怠記録、賃金台帳、社会保険の加入状況を突き合わせて確認されます。要件を満たしているのに未加入の人がいれば、すぐに分かります。

試算された未納額が、譲渡価格から差し引かれるか、売主が責任を負う条項が入ります。金額が大きくなりやすい論点です。

従業員名簿、勤怠記録、賃金台帳を突き合わせればすぐに分かります。隠せない論点であり、金額が大きくなりやすいため早めの是正が有利です。

是正の進め方

  1. 全従業員の労働時間・勤務日数・賃金を一覧にする
  2. 加入要件と突き合わせ、該当者を洗い出す
  3. 社会保険労務士に相談し、対応方針を決める
  4. 該当者に説明する(手取りが変わるため、丁寧に)
  5. 加入手続きを行う
  6. 今後、要件の判定を定期的に行う運用にする

4番目の説明は丁寧に行ってください。手取りが変わるため、本人にとっては大きな話です。理由と、将来の給付につながることをあわせて伝えてください。

定期的な判定を仕組みにする

一度是正しても、シフトが変われば再び該当者が出ます。次を運用に組み込んでください。

  • 四半期ごとに、全員の労働時間を集計して要件を確認する
  • シフトを大きく増やす場合、事前に確認する
  • 採用時に、見込み労働時間から判定する

一度是正しても、シフトが変われば再び該当者が出ます。四半期ごとの判定を運用に組み込んでください。労働時間の集計から自動で判定できる形が理想です。

要件の判定を定期業務にする

一度是正しても、シフトが変われば再び該当者が出ます。次を業務として組み込んでください。

  1. 採用時の判定 — 見込みの労働時間・勤務日数から要件に該当するかを確認します。採用の手続きに入れてください
  2. 四半期ごとの集計 — 全員の実際の労働時間を集計し、要件と突き合わせます
  3. シフトを大きく増やすときの事前確認 — 繁忙期に恒常的に増やす場合は、該当するかを先に見ます
  4. 複数店舗で勤務している人の合算 — 店ごとに管理していると見落とします。本部でまとめてください
  5. 年1回の全体点検 — 決算のタイミングで全員分を確認し、記録を残します

この運用があれば、買収監査で「定期的に確認しています」と説明できます。記録が残っていればそれ自体が管理体制の証拠になります。要件の詳細は社会保険労務士にご確認ください。

まとめ

社会保険の加入は義務で、本人の希望では外せません。シフトが増えて後から該当するケースに注意してください。

まず全員の労働時間を一覧にして、要件と突き合わせてみてください。放置するほど負担は膨らみます。

まず全員の労働時間を一覧にして要件と突き合わせてみてください。放置するほど負担は膨らみます。

※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。労働法令の具体的な適用や必要な手続きは、法改正や個別の事情によって異なります。実際の対応にあたっては、社会保険労務士等の専門家および所轄の労働基準監督署にご確認ください。