現金が動く場面を洗い出す
- 店頭での買取代金の支払い
- 販売代金の受領
- 出張買取への現金の持ち出し
- 釣銭の準備と精算
- 古物市場での落札代金
- 銀行への入出金
それぞれについて、誰が扱い、誰が確認するかを決めてください。
それぞれについて、誰が扱い、誰が確認するかを決めてください。1人で完結する場面があるかどうかがリスクの所在を示します。
起きやすい不正の形
- 買取金額の水増し:伝票に書いた額より少なく渡し、差額を取る
- 架空の買取:実在しない取引を伝票に起こす
- レジの抜き取り:販売代金の一部を記録しない
- 商品の持ち出し:在庫を私的に持ち帰る
- 知人への便宜:不当に高く買う、安く売る
- 買取代金の支払いと、伝票の作成を別の人が行う(可能な範囲で)
- 一定額を超える買取は、決裁者の承認を必須にする
- レジ締めを2人で行う
- 現金の残高確認を、日次で記録する
- 出張買取の持ち出し・帰店時の現金を2人で確認する
- 担当者別の買取原価率(他より高い人はいないか)
- 担当者別の、買取額と実売額の差
- 同一の相手方との取引が集中していないか
- キャンセル・返金の件数が特定の担当者に偏っていないか
- 棚卸差異の推移
- 記録が自動的に残る
- 持ち歩く現金が減る
- レジ締めが速くなる
- 盗難のリスクが下がる
- 現金の取扱い手順と、責任者
- 決裁権限(金額別)
- 従業員自身が客として売買する場合の手続き
- 商品の私的な取り置き・購入のルール
- 違反があった場合の懲戒
1番目が、リユース業に特有の形です。価格の妥当性を検証できないと発見できません。
1番目がリユース業に特有です。買取価格には「正しい値」がないため、不当に高く買っても「目利きが甘かった」で説明がついてしまいます。
二重チェックの設計
少人数店で完全な分離は難しいものです。できる範囲で「1人で完結させない」形にしてください。
少人数店で完全な分離は難しいものです。できる範囲で組み合わせ、足りない部分はデータでの検証で補うという考え方が現実的です。
データで検証する
人の目より、数字のほうが確実です。次を月次で見てください。
これらは不正の発見だけでなく、育成の材料にもなります。「疑うための数字」ではなく「見る習慣」として運用してください。
人の目より、数字のほうが確実です。この5つを月次で見る習慣がつけば、異常は自然に浮かび上がります。見ていること自体が抑止にもなります。
キャッシュレスを増やす
買取代金の振込対応、販売のキャッシュレス決済。現金が動く量そのものを減らすのが、最も確実な対策です。
現金が動く量そのものを減らすのが最も確実な対策です。記録が自動的に残り、レジ締めも速くなります。導入の効果は不正防止だけではありません。
ルールを明文化する
就業規則や社内規程に、次を書いておいてください。
明文化することが、そのまま抑止になります。
明文化することがそのまま抑止になります。ルールがなければ「悪いことだと思わなかった」という主張が成り立ってしまいます。就業規則に書き込んでください。
月次で見る5つの数字
人の目で監視するより、数字を定期的に見るほうが確実です。月次の会議に議題として置いてください。
| 見る数字 | 異常のサイン |
|---|---|
| 担当者別の買取原価率 | 平均から継続して外れている人がいる |
| 担当者別の買取額と実売額の差 | 特定の人が継続して高く買っている |
| 相手方の重複 | 同じ人が特定の担当者にだけ持ち込んでいる |
| キャンセル・返金の件数 | 特定の担当者に偏っている |
| 棚卸差異の推移 | 同じ場所・同じカテゴリで繰り返し出る |
1回の数字では判断できません。3か月以上同じ傾向が続いているかを見てください。たまたま外れることは誰にでもあります。
また、異常が見つかっても即座に不正と決めつけないでください。担当カテゴリの違い、経験の差、相場の変動。別の説明がつくことも多くあります。
まとめ
内部不正は、人の問題ではなく仕組みの問題です。1人で完結させない、データで検証する、現金を減らす。この3つで防げます。
まず担当者別の買取原価率を出してみてください。見る習慣をつけることが第一歩です。
まず担当者別の買取原価率を出してみてください。見る習慣をつけることが第一歩です。