まず費用を可視化する

運搬費が全体でいくらかかっているかを把握していない会社があります。

分けて集計してください。

  • 引き取りにかかる費用(入庫側)
  • 出荷にかかる費用
  • 自社車両の費用(燃料、車検、保険、償却、運転手の人件費)
  • 外注に払った運賃
  • 1回あたりの平均(距離別に)

3番目を全部足してください。自社車両は「あるから使っている」状態になりやすく、実際の費用が見えていません

5番目まで出すと比較ができます。同じ距離を自社で行く場合と外注に出す場合、どちらが安いのか。数字がなければ判断できません。

積載効率を上げる

最も効くのは、1回で運ぶ量を増やすことです。

  • 重量の上限まで積めているか
  • 容積が先に埋まっていないか
  • 圧縮や切断で嵩を減らせるか
  • 積む順序を工夫できるか
  • 復路に何か積めないか

2番目がこの業種の典型的な問題です。重量には余裕があるのに、嵩張って積めない。プレスや切断で解決できる場合があります。

5番目を検討してください。引き取りに行った帰りに空で戻っているなら、その便で何か運べないか。逆に、出荷に行った帰りに引き取りを組めないか。

1番目は記録を取れば分かります。出荷ごとの重量を並べて、上限に対してどれだけ積めているかを見てください。平均で7割なら、3割分の運搬費が無駄になっています。

配車を組み直す

1件ずつ動くのをやめてください。

  • 同じ方向の引き取りをまとめる
  • 引き取りと出荷を1つの便で組む
  • 急がない案件を後回しにして、まとめる
  • 週のうち方向別の日を決める
  • 取引先に日程を伝えて調整する

4番目が実務的です。「北の方面は火曜と金曜」と決めれば、まとめやすくなります

5番目も効きます。取引先に「その方面は木曜に行きます」と伝えておけば、多くは待ってくれます。急ぐ案件だけ個別に対応する形にすれば、便数が減ります。

3番目のために、急ぎかどうかを聞いてください。すべて急ぎとして扱うと、まとめられなくなります。

距離と単価を並べて見る

遠方の取引が採算に合っているかを確認してください。

  • 出荷先ごとの距離
  • その先の単価
  • 運搬費を引いた手取り
  • 近くの出荷先と比べてどうか

3番目で逆転することがあります。単価が高い遠方の先より、単価の低い近隣のほうが手取りが多いという場合です。

ただし、量を出せる先を確保する意味もあります。単純に手取りだけで決めず、いつでも出せるかどうかも含めて判断してください。

引き取りの側も同じです。遠方から集めている車が、運搬費を引いて採算に合っているか。買取価格の算式に運搬費を織り込んでいるかを確認してください。

燃料と車両の費用を抑える

細かい積み上げも効きます。

  • 燃料の調達方法を見直す
  • 不要なアイドリングを減らす
  • 点検を怠らない(故障による損失が大きい)
  • 車両の入れ替え時期を計画する
  • 過積載をしない(罰則と事故の危険、車両の損耗)

5番目は費用の話を超えます。過積載は法令違反であり、事故の危険が高く、取引先の信用も失います。積載効率を上げることと、上限を超えることは別です。

3番目も費用として大きいところです。運搬の途中で故障すれば、その日の予定がすべて崩れます。点検の費用は保険として考えてください。

外注を使い分ける

自社と外注を組み合わせるのが現実的です。

  • 定期的で量が読める便は自社で
  • 不定期、遠方、繁忙期は外注で
  • 特殊な車両が必要なものは外注で
  • 複数の外注先を確保する

1番目と2番目の切り分けが要点です。繁忙期に合わせて車両と運転手を抱えると、閑散期に固定費が残ります

4番目も備えとして必要です。1社に頼っていると、その会社が受けられないときに動けません。

効果を数字で確認する

見直したら、結果を測ってください。

  • 1回あたりの平均積載量
  • 月の便数
  • 運搬費の総額
  • 売上に対する運搬費の比率

4番目を継続して見てください。比率が下がっていれば、見直しが効いています

そして現場に結果を返してください。積み方を工夫した結果、便数が減り、費用が下がった。数字で示せば、次の改善につながります。

取引先に協力してもらう

自社だけでは限界があります。相談できる点を挙げます。

  • 引き取りの日程をまとめてもらう
  • 複数台まとまってから声をかけてもらう
  • 荷降ろしの時間帯を調整する
  • 出荷先で待たされる時間を減らす
  • 受け入れの形状を確認する(切断や圧縮の要否)

4番目が見落とされる損失です。出荷先で2時間待てば、その日の便が1本減ります。時間帯を変えるだけで改善する場合があります。

2番目も伝える価値があります。急がない案件なら、まとまるまで待ってもらえることが多いものです。

記録を取ってから手を打つ

  • 1か月分の便ごとの記録(行き先、距離、積載量、所要時間)
  • 空で走った区間
  • 待ち時間

1か月測れば、どこに無駄があるかが見えます。思い込みで改善すると、効いていない部分に手をかけることになります

※ 積載や運行に関する規制は法令で定められています。具体的な運用は所管の窓口にご確認ください。