1本の採算を計算する

まず基本の式を押さえてください。

販売額 −(仕入原価 + 梱包費 + 国内運賃 + 海上運賃 + 通関費用 + 諸費用)= 利益

このうち、海上運賃と通関費用は中身の量に関係なくほぼ固定です。したがって、詰める量が増えれば1点あたりの負担が下がります。

逆に、半分しか詰まっていないコンテナを出せば、固定費が重くのしかかります。

重量と容積の両方を使い切る

コンテナには2つの上限があります。

  • 容積:物理的に入る体積
  • 重量:積載できる重さの上限

片方だけ使い切っても、もう片方に余裕があれば損をしています。

この業態の部品を分類すると次のようになります。

  • 重いが小さい:エンジン、ミッション、デフ、ホイール
  • 軽いが大きい:バンパー、ボンネット、ドア、内装材
  • 中間:ライト、電子部品、足回り

つまり重い部品と軽い部品を組み合わせるのが答えです。エンジンだけを積めば重量が先に上限に達し、外装だけを積めば容積が先に埋まります。

積み方の工夫

  • 重いものを下に、軽いものを上に:荷崩れと変形を防ぎます。
  • 空間に小物を詰める:隙間に軽い部品を入れる。
  • 中に入るものを入れる:バンパーの中に小物、ドアの内側に部材。
  • 固定する:航海中に動けば破損します。
  • 取り出す順を考える:相手が荷降ろししやすい配置。

3番目が効きます。空洞のある部品は、内部を活用できます

ただし詰め込みすぎには注意してください。雑然と詰められた貨物は、廃棄物として見られやすくなります。商品として整然と積む形を保ってください。

品目の組み合わせを設計する

採算を合わせるための組み合わせの考え方です。

  • 単価の高い部品:利益の柱。ただし数量が限られる。
  • 数量の出る部品:容積を埋める。
  • 重量物:重量枠を使う。
  • 滞留在庫:安くても出す。空間を埋める分には貢献する。

4番目が輸出の利点です。国内で動かない在庫を、コンテナの余剰空間で出すという使い方ができます。

ただし、相手が求めていないものを混ぜると信頼を失います。事前に「これも入れてよいか」を確認してください

量がまとまらない場合

1本を埋められるだけの在庫がない場合の選択肢です。

① 混載を使う

他の荷主と1本を分け合う形です。運賃は使った分に応じます。

  • 利点:少量でも出せる。
  • 難点:1点あたりの運賃は高くなる。他の貨物と混ざるため、扱いに注意が要る。

② 国内のバイヤーに売る

自社で輸出せず、輸出業者に売る。量がまとまるまではこの形が現実的です。

③ 同業者と共同で出す

近隣の解体業者と一緒に1本を埋める。関係次第ですが、可能性を探る価値があります。

この場合、誰がどの貨物の責任を持つのか、代金の受け取りをどうするのかを先に決めてください。曖昧なまま進めると揉めます。

実績を記録する

1本出すごとに記録してください。

  • 積んだ品目と数量
  • 総重量と使用容積
  • 販売額
  • 費用の内訳(梱包、国内運賃、海上運賃、通関、その他)
  • 1本あたりの利益
  • 入金までの日数

数本たまれば、どの組み合わせが利益率が高いかが見えます。そして次の積み方に反映できます。

2番目を測ることが重要です。重量と容積のどちらに余裕があったかが分かれば、次は余裕のある側を埋められます。

運賃の変動に備える

海上運賃は変動します。大きく上がる局面もあります。

備えとしては次の点です。

  • 運賃の水準を定期的に確認する
  • 上がった場合、販売価格に転嫁できるかを相手と協議する
  • 採算が合わない水準を決めておく(そこを超えたら出さない)
  • 国内販売の比率を維持しておく

3番目を先に決めてください。「運賃が上がったが、関係上出さざるを得ない」という状態を避けるためです。

そして4番目が根本的な備えです。輸出だけに依存していると、運賃と規制の両方のリスクを丸ごと受けます。

相手と積み方を相談する

採算は自社だけで決まりません。相手との調整で改善できます。

相談すべき点を挙げます。

  • 1本にまとめて送ってよいか、分けたいか
  • 余剰空間に別の品目を入れてよいか
  • どの品目を追加なら歓迎されるか
  • 荷降ろしの設備があるか(重量物を扱えるか)
  • 納期の希望(急がないなら、量がまとまるまで待てる)

5番目が効きます。「急がない」と言ってもらえれば、量がまとまるまで待って1本を満載にできます

4番目も確認してください。相手にフォークリフトやクレーンがなければ、重量物を送っても降ろせません。梱包の単位を変える必要があります。

※ 運賃や採算は市況、仕向地、輸送条件によって変動します。具体的な計算は自社の実績に基づいて行ってください。