良いサービスも知られなければ届かない
点検やキャンペーンは、車を安全に保ちたいお客様にとって有益な機会です。しかし、その存在が伝わっていなければ、必要としている人にも届きません。日々の給油客は多くても、案内がなければ点検を受けようとは思い至らないものです。まずは知ってもらう働きかけが、来店への第一歩になります。
告知は、お客様に押し付けるものではなく、役立つ情報を届ける営みです。季節の点検やお得な機会を丁寧に伝えることで、お客様は「そろそろ車を見てもらおう」と自然に思い出してくれます。伝える相手と内容を意識することが大切です。
店頭告知で来店客に働きかける
最も身近な告知の場は、店頭そのものです。給油に訪れたお客様は、すでに来店しているだけに、案内が目に留まりやすく反応も得やすい相手です。のぼりや掲示、給油機まわりの案内などで、今行っている点検やキャンペーンを分かりやすく示すことが効果的です。
店頭での告知は、スタッフのひと声と組み合わせるとさらに力を発揮します。掲示を見て関心を持ったお客様に、給油の合間に自然に補足するだけで、その場での申し込みにつながることもあります。目と声の両方で伝える工夫が、来店を後押しします。
店頭の告知で効きやすいのは、お客様が立ち止まる場所、あるいは目を上げる場所です。会計を待つ位置、給油中に自然と目が向く先、店内へ入る導線。ここに何もなく、逆に誰も見ない壁に大きく貼ってある、という店は少なくありません。一度、お客様と同じ位置に立って見回してみてください。
SNSで地域に発信する
店頭に来ていない人にも情報を届けたいなら、SNSの活用が役立ちます。地域の人々に向けて、点検の案内やキャンペーンの告知、日々の様子を発信することで、まだ来店していない層にも自社を知ってもらえます。継続して発信するほど、身近な存在として認知が広がります。
SNS発信で意識したいこと
- お得な情報だけでなく役立つ豆知識も交える
- 季節に合わせた車の備えを分かりやすく伝える
- スタッフの人柄や店の雰囲気が伝わる投稿にする
- 無理のない頻度で続けられる形にする
SNSは一度発信して終わりではなく、続けることで信頼が育ちます。売り込みばかりでなく、お客様の役に立つ情報を織り交ぜることで、フォローしてもらいやすくなり、来店のきっかけが積み重なっていきます。
DMで既存客に直接届ける
すでに取引のあるお客様には、DMによる直接の案内が有効です。過去に来店した方に、次の点検の時期やお得なキャンペーンを個別に知らせることで、来店を思い出してもらえます。宛先が明確なぶん、店頭告知やSNSより確実に情報を届けられます。
DMは、車検や点検の時期に合わせて送ると、お客様にとって役立つ案内になります。一人ひとりの状況に寄り添った内容にすることで、単なる宣伝ではなく、気にかけてもらえているという安心感につながります。この積み重ねが、常連客との関係を深めます。
手段を組み合わせて相乗効果を生む
店頭告知、SNS、DMは、それぞれ届く相手や役割が異なります。店頭は来店客に、SNSは地域の新しい層に、DMは既存客に強く働きかけます。これらを一つに頼るのではなく、組み合わせて使うことで、幅広い相手に無理なく情報を届けられます。
同じキャンペーンでも、複数の手段で繰り返し目にすることで、お客様の記憶に残りやすくなります。それぞれの手段の強みを生かしながら、伝える相手に応じて内容や見せ方を少し変えていくと、相乗効果が生まれます。
組み合わせるときは、同じ内容を同じ言葉で出してください。手段ごとに言い回しが違うと、同じ告知だと気づかれません。逆に、言葉が揃っていれば、店頭で見たものを後で連絡でも見て、そこで思い出す、という重なりが生まれます。
また、すべての手段を毎回使う必要はありません。内容によって、どこに出すかを決めておいてください。全部に出すと決めると、手間が理由で回数が減ります。
続けられる仕組みにする
告知は、一度きりの大きな仕掛けより、無理なく続けられることが大切です。凝った内容を目指して負担が重くなると、続かなくなってしまいます。まずは簡単な形から始め、日々の業務のなかで自然に回せる仕組みにしていくことが、長く成果を出す鍵になります。
誰が、いつ、どの手段で発信するかを決めておくと、担当者に頼りきりにならず続けやすくなります。反応を見ながら少しずつ見直していけば、自社に合った告知の形が定まっていきます。無理のない範囲で継続することを優先しましょう。
告知の積み重ねが信頼を育てる
点検やキャンペーンの告知は、目先の来店を増やすだけでなく、地域で頼られる存在としての印象を育てます。役立つ情報を丁寧に届け続けることで、「困ったときはあの店に」と思い出してもらえる関係が築かれていきます。こうした地道な信頼の積み重ねが、事業の土台を支えます。
私たち株式会社フォーバル 自動車アフターマーケットチームは、集客の工夫から地域での存在感づくり、将来の事業承継まで、ガソリンスタンド(SS)業界に特化して伴走します。相談無料・秘密厳守で、自社に合った進め方を一緒に考えます。
積み重ねが効くのは、同じ店から、同じ姿勢で、繰り返し届くからです。年に一度しか届かない告知は、その都度「久しぶりに何か言ってきた」と受け取られます。頻度を上げることより、間隔を一定に保つことのほうが効きます。
告知する内容を、時期から逆算する
思いついたときに告知するのではなく、時期が決まっているものから先に埋めてください。この業種には、年間で繰り返される場面があります。
- 季節の変わり目に、車の手入れが必要になる時期
- 長期の休みの前後で、移動が増える時期
- 車検や点検の時期が集中しやすい月
- 寒さや暑さで、車の不調が出やすい時期
- 地域の行事や、道路の状況が変わる時期
これらを一年分の表にして、いつ、何を告知するかを先に決めてしまってください。そうすれば、毎回「今月は何を出そうか」と考える必要がなくなります。続かない告知の多くは、この考える手間で止まっています。
三つ目については、自店の記録から分かります。過去の実績を月ごとに並べれば、いつ集中しているかが見えます。その一、二か月前が告知の時期です。
いつ届けるかで、届き方が変わる
同じ内容でも、届ける時期がずれると効きません。次のことを考えてください。
- その作業を思い立ってから、実際に来るまでの期間
- 相手が予定を立てる時期はいつか
- 他所からも同じような案内が届く時期と重なっていないか
- 来店が可能な曜日や時間帯に、告知が届いているか
一つ目が重要です。「そろそろやらないと」と思ってから実際に行動するまでには、間があります。その間に他所の案内が届けば、そちらに行きます。だから、思い立つ時期より少し前に届けたいのです。
三つ目については、避けるか、あえて重ねるかの判断があります。重なる時期は競合も多いですが、相手が「そろそろ」と考えている時期でもあります。避けて誰も告知していない時期に出しても、そもそも関心がなければ届きません。
手段ごとに、届く相手が違う
複数の手段を使うとき、それぞれ誰に届くのかを整理しておくと、無駄が減ります。
- 店頭の表示 … すでに来ている方にしか届かない。ただし最も確実。
- のぼりや看板 … 通りかかる方に届く。伝えられる情報は少ない。
- 郵送や投函 … 相手を選んで届けられる。費用と手間がかかる。
- 会員向けの連絡 … 届くが、読まれるかは別。
- 地域への発信 … 広く届くが、来店に近い方に当たるとは限らない。
一つ目を軽く見ないでください。すでに来ている方に、まだ知られていないサービスがあることは珍しくありません。新規を集める前に、今来ている方に伝わっているかを確かめるほうが、たいてい早く結果が出ます。
三つ目については、誰に送るかを絞れることが強みです。前回の点検から一定期間が経った方だけに送る、といった形が取れるなら、費用に対する効果が大きく変わります。そのためには、記録が残っていることが前提です。
続けられる形にする
告知は、一度出して終わりではありません。続けるために、次のことを決めてください。
- 誰が担当するのか
- いつ準備を始めるのか(出す日ではなく、始める日)
- 前年に使ったものを、どこに保管しているか
- 出した後、どうだったかを記録するか
三つ目が、二年目以降を楽にします。去年と同じ時期に、同じような内容を出すことが多いのですから、去年のものが残っていれば作り直す必要はありません。日付や内容を少し変えるだけで済みます。
四つ目については、簡単な記録で構いません。「いつ、何を、どこに出して、来店がどうだったか」を一行ずつ残してください。数年分溜まると、何が効いて何が効かなかったかが見えてきます。
そして、この記録は担当が代わっても引き継げます。担当者の頭の中にしかない告知の段取りは、その人が辞めた時点で失われます。情報と書類の整備もあわせてご覧ください。
告知の中身を、こちらの都合で書かない
告知が読まれないとき、内容が「こちらが売りたいこと」だけになっていることがあります。次のように置き換えてみてください。
- 「点検を実施中です」→「この時期に確かめておきたいのはここです」
- 「キャンペーン中」→「今なら、待ち時間が短く済みます」
- 「新商品入荷」→「こういう困りごとに使えます」
- 「割引します」→「今やっておくと、後の出費が抑えられます」
いずれも、相手にとって何が起きるかを先に書くという共通点があります。こちらが何をするかではなく、相手がどうなるかです。
ただし、事実でないことは書かないでください。「今だけ」「あと少しで終了」といった言い方を、実際にはそうでないのに繰り返すと、次から信じてもらえなくなります。告知は積み重ねで効いてくるものなので、一度失った信用の代償は大きくなります。
断られる前提で、押し引きを決める
告知したからといって、全員が反応するわけではありません。ここで押しすぎると、来店そのものが減ります。
- 同じ方に、同じ内容を何回まで届けるか
- 反応がなかった方への扱いをどうするか
- 店頭で声をかける回数の目安
- 連絡を望まない方の意思を、どう記録するか
四つ目は、必ず仕組みとして持ってください。「もう送らないでほしい」と言われたことが記録されていなければ、次も送ってしまいます。一度目は失礼で済みますが、二度目は関係が終わります。
三つ目については、現場で判断がばらつきやすい部分です。熱心な人ほど何度も声をかけ、その方が来なくなる、ということが起こります。「一度お伝えして、その日はもう言わない」といった目安を揃えておいてください。
まとめ
点検やキャンペーンは、告知の仕方次第で来店のきっかけになります。店頭告知で来店客に、SNSで地域の新しい層に、DMで既存客に働きかけ、これらを組み合わせることで幅広い相手に情報を届けられます。無理なく続けられる仕組みにすることが、成果を長く出す鍵です。
告知の積み重ねは、地域で頼られる存在としての信頼を育てます。何から始めるか迷うときは、業界に精通した専門家の伴走を得ながら、自社に合った情報発信の形を整えていきましょう。