なぜLINEが再来店に役立つのか
ガソリンスタンド(SS)は、同じお客様が繰り返し利用する業態です。だからこそ、一度来たお客様とのつながりを保ち、次の来店を促す仕組みが集客の要になります。多くの人が日々使うLINEは、そのつながりを維持する手段として相性がよいといえます。
チラシや紙のはがきと違い、LINEはお客様の手元にすぐ届き、読んでもらいやすいのが特長です。お店の情報をタイミングよく伝えられれば、忘れられることなく、次も選んでもらえる可能性が高まります。身近な連絡手段だからこその強みがあります。
友だち登録を増やす工夫
LINE活用の第一歩は、お客様に友だち登録をしてもらうことです。登録者が増えるほど、情報を届けられる相手が広がります。給油や会計のタイミングで、スタッフがひと声かけて登録を案内するのが、最も自然で効果的な方法です。
登録を促すための工夫
- レジ横や給油機に登録用の案内を掲示する
- 二次元コードをすぐ読み取れる場所に置く
- 登録するとお得になる特典を用意する
- スタッフから一言添えて登録をおすすめする
登録の手間はできるだけ少なくすることが大切です。読み取ってすぐ登録できる状態を整え、登録する利点をあわせて伝えれば、お客様も気軽に応じてくれます。無理に勧めず、あくまでお客様のためになる形で案内しましょう。
登録の場面で効くのは、特典の大きさよりその場で何をすればよいかが分かることです。読み取る先が離れた位置に貼ってある、店員が案内できない、といった状態だと、興味を持たれても登録には至りません。給油中に目に入る位置と、会計時に手渡せる形の両方を用意しておくと取りこぼしが減ります。
クーポンで来店のきっかけをつくる
友だち登録をしてくれたお客様に、クーポンを届けるのは再来店を促す有効な手立てです。洗車や点検、給油など、次の来店につながる特典を用意すれば、お客様は「使いに行こう」という気持ちになります。来店の後押しとして働きます。
クーポンは、ただ配るだけでなく、使いやすさへの配慮も欠かせません。有効期限や利用条件を分かりやすく示し、お客様が迷わず使える形にします。特典が来店の理由になり、来店した際のサービスに満足すれば、良い循環が生まれていきます。
役立つ情報を発信する
LINEはクーポン配布だけの道具ではありません。お客様にとって役立つ情報を発信することで、店への親しみや信頼を育てられます。季節ごとの車のお手入れの豆知識や、点検をおすすめする時期の案内など、お客様の役に立つ内容を届けましょう。
発信の中身は、売り込みばかりにならないよう心がけます。お客様の暮らしや車の使い方に寄り添った情報は、読んでもらいやすく、店への好感につながります。お得な話と役立つ話をほどよく織り交ぜることが、長く付き合ってもらう秘訣です。
配信の頻度と内容に気を配る
情報発信で気をつけたいのが、配信の頻度です。あまりに頻繁にメッセージを送ると、お客様に煩わしく思われ、登録を解除されてしまうこともあります。お客様の立場に立って、ちょうどよい間隔で、価値のある内容を届けることが大切です。
季節の変わり目や、点検の時期など、お客様にとって役立つタイミングを見計らって発信すると効果的です。一方的に送りつけるのではなく、受け取る相手のことを考えた配信を心がけることで、長く読んでもらえる関係を保てます。
お客様とのつながりを深める
LINEの魅力は、一方的な情報発信にとどまらず、お客様と双方向でやり取りできる点にもあります。問い合わせに気軽に応じたり、お客様の声に耳を傾けたりすることで、店とお客様の距離が縮まります。この身近さが、再来店の土台になります。
やり取りを通じてお客様一人ひとりを大切にする姿勢が伝われば、店への愛着が育ちます。近隣に他の選択肢があっても、「あの店に行こう」と思ってもらえる関係を築くことが、価格競争に頼らない集客につながっていきます。
現場の運用を無理なく続ける
LINEの活用は、続けてこそ成果が表れます。ただし、日々の業務に追われるなかで、発信を継続するのは負担に感じられることもあります。無理のない範囲で、誰が何をいつ配信するかを決めておくと、運用が滞りにくくなります。
凝った内容を目指すよりも、お客様に役立つ情報を、無理なく続けて届けることを優先しましょう。現場のスタッフと役割を分担し、負担を分け合う工夫も有効です。地道な継続が、お客様とのつながりを少しずつ強くしていきます。
他の集客との組み合わせ
LINEは、それ単独よりも、他の取り組みと組み合わせることで力を発揮します。地図サービスで店を見つけて来店したお客様に友だち登録を案内すれば、その後のつながりを保てます。チラシで来店を促し、LINEで関係を続けるといった連携も有効です。
集客は、一つの手段だけで完結するものではありません。お客様が店を知り、来店し、また訪れるという一連の流れのなかで、LINEは「つながりを保つ」役割を担います。全体を見渡し、それぞれの手段を組み合わせる視点が成果を高めます。
専門家に相談する
LINEの活用は手軽に始められる一方、どう運用すれば成果につながるか迷う経営者も少なくありません。他の集客とどう組み合わせるか、店舗運営全体をどう整えるかまで含めて考えると、専門家の視点が役立ちます。
私たち株式会社フォーバル 自動車アフターマーケットチームは、ガソリンスタンド(SS)業界に特化して、集客やブランディングのご相談に応じています。LINEの活用から店舗運営全体まで、現場に寄り添って伴走します。相談無料・秘密厳守で承ります。
つながりを切られる理由
登録していただいた後に離れられるのは、多くの場合こちらの送り方に理由があります。よくあるのは次の五つです。
- 回数が多く、通知が煩わしい
- 内容が毎回同じで、読む理由がない
- 自分に関係のない案内ばかり届く
- 長文で、開いた瞬間に読む気を失う
- 登録したときに約束した内容と、実際が違う
四つ目は、この手段特有の問題です。手紙や紙の広告と違い、画面に長い文章が届くと圧迫感があります。読み切れる長さに収め、詳しい説明は別の場所に置くほうが読まれます。
五つ目については、登録を勧めるときの説明に関わります。「お得な情報が届きます」とだけ言って登録いただいたのに、実際には毎週何かが届くのでは、話が違います。登録の時点で、どれくらいの頻度で何が届くのかを伝えておいてください。
短く書くための型
文章が長くなるのは、伝えたいことが複数あるためです。次の型に収めてみてください。
- 一行目 … 誰に向けた、何の話か
- 二〜三行 … 具体的な中身
- 最後の一行 … いつまで、どうすればよいか
この長さに収まらないなら、伝えたいことが二つ以上混ざっています。分けて、別の日に送ってください。一度にまとめて送ると、どちらも読まれません。
また、毎回同じ書き出しにしないでください。「いつもご利用ありがとうございます」から始まる文章が毎回届くと、そこで読むのをやめられます。本題から入るほうが、この手段には合っています。
全員に同じものを送らない
登録者が増えてきたら、送り分けを考えてください。全員に同じものを送り続けると、関係のない案内が届く方が増えていきます。
- 前回の来店から期間が空いている方
- 油外を利用したことがある方と、給油だけの方
- 整備や車検の時期が近い方
- 法人として利用いただいている方
一つ目への案内が、最も効きやすいところです。離れかけている方に声をかけるほうが、よく来る方にさらに送るより意味があります。ただし、久しぶりの連絡が案内だけだと、売り込みに見えます。近況を添える程度の配慮があると受け取られ方が違います。
送り分けができるかどうかは、どういう情報を記録しているかで決まります。登録だけでは、誰が誰か分かりません。来店の記録と結びつける形になっているかを確かめてください。会員アプリで来店データを集めるもあわせてご覧ください。
個別のやり取りをどう扱うか
この手段は、お客様から返信が来ることがあります。ここをどう扱うかを決めておいてください。
- 返信に気づくのは誰か
- どれくらいで返すのか(返せないなら、その旨を示しているか)
- 営業時間外に届いた場合、どうするか
- 予約や見積りの依頼が来た場合、どう処理するか
- やり取りの記録を、どこに残すか
二つ目が肝心です。返信できる体制がないなら、最初から「こちらからのお知らせ専用です」と示しておいてください。返信したのに何も返ってこない、という体験は、案内を送るより大きく印象を損ないます。
四つ目については、対応できるなら大きな強みになります。電話しにくい時間帯でも連絡できることは、お客様にとって利点です。ただし、受けた依頼が現場に伝わる形になっていなければ、取りこぼします。誰がどこに転記するのかまで決めてください。
五つ目は、担当が代わるときに効いてきます。やり取りの経緯が一人の画面の中にしかないと、引き継げません。重要なものは、店の記録に残す形にしておいてください。
送った後に何を見るか
配信は、出しっぱなしにすると良し悪しが分かりません。次を見てください。
- 登録している方の数が、増えているか減っているか
- 配信した後、数日の来店に動きがあったか
- 案内した内容の利用が、実際に増えたか
- 配信の直後に、登録を外した方がいなかったか
四つ目を必ず見てください。ここが増えている配信は、内容か頻度に問題があります。来店が少し増えても、それ以上に離れられているなら、差し引きで損をしています。
一つ目については、累計ではなく増減で見てください。累計は減りにくい数字なので、実態が見えません。今月何人増えて、何人離れたか。この二つを並べてください。
運用を一人に背負わせない
この手段は、担当者一人の作業になりがちです。次のことを決めておいてください。
- 誰が書き、誰が確認してから送るか
- いつ送るかを、月の予定として決めているか
- 担当が休みや退職のとき、誰が代わるか
- 過去に送った内容が、どこかに残っているか
四つ目が、引き継ぎの鍵になります。これまで何をどう送ってきたかが残っていれば、代わった人もすぐに続けられます。残っていなければ、また一から考えることになります。
二つ目については、思いついたときに送る運用をやめてください。月に何回、いつごろ、という枠を決めておけば、忙しくても抜けません。そして先に述べたとおり、間隔が一定であること自体が読まれる理由になります。
なお、お客様の連絡先や来店の履歴を扱う以上、誰が見られるのか、どこに保管するのか、退職時にどう扱うのかを決めてから運用してください。ここを曖昧にしたまま個人の端末で運用している状態は、承継や売却の場面でも問題になります。
まとめ
ガソリンスタンド(SS)にとって、LINE公式アカウントは、一度来たお客様とのつながりを保ち、再来店を促す身近な手段です。友だち登録を丁寧に集め、クーポンで来店のきっかけをつくり、役立つ情報を無理なく発信することが基本になります。
配信の頻度や内容に気を配り、お客様とのつながりを深める姿勢が、価格競争に頼らない集客につながります。他の取り組みと組み合わせながら、地道に続けていきましょう。一人で悩まず、業界に精通した専門家の助言を得ることもおすすめします。