スタッフが不安に思うこと
- 自分の雇用は続くのか
- 給与や待遇は変わるのか
- 誰が上司になるのか
- 仕事のやり方が変わるのか
- 店主はいなくなるのか
この五つに答えられる状態で伝えてください。
伝え方
| 要素 | やり方 |
|---|---|
| 順番 | 幹部・査定担当を先に個別で |
| 場 | 全体への説明は集まれる時間に |
| 内容 | 雇用と待遇を最初に |
| その後 | 個別の面談の機会を設ける |
特に注意する人
査定と仕入れができるスタッフの離脱は、店の稼ぐ力を直撃します。個別に、早めに、丁寧に話をしてください。
- 今後の役割を具体的に示す
- 処遇の考え方を伝える
- 後継者との関係を作る場を用意する
やってはいけないこと
- 噂が広まってから説明する
- 「何も変わらない」とだけ言う
- 質問を受け付けずに終える
- 一部の人にだけ先に伝えて口止めする
労務面の確認
承継の形によって、雇用契約の扱いが変わることがあります。労働条件を変更する場合は、必要な手続きと合意が要ります。社会保険労務士に確認してください。
最初に答えるべき問い
従業員が知りたいのは、自分の身に何が起きるかです。
- 雇用は継続するか
- 賃金・処遇は変わるか
- 勤務地は変わるか
- 仕事の内容は変わるか
- 誰が上司になるか
- いつから変わるか
この6つに、最初の説明で答えてください。事業の将来や経営の方針を先に語っても、聞き手の関心はここにあります。決まっていることと、これから協議することを分けて、具体的に伝えてください。
個別面談を必ず行う
全体説明だけでは、不安は解消しません。
- 数日以内に実施する
- 1人ずつ、時間を取る
- 本人の懸念を聞く — 説明する場ではありません
- 答えられることは答える
- 答えられないことは、その旨を伝える
- 面談の内容を記録する
3番目の姿勢が重要です。全体説明では質問しにくく、不安を抱えたまま帰ることになります。個別に聞く場を設け、話してもらってください。この対応の有無が、その後の定着を左右します。
離職の影響が大きい人
この業種では、離職の影響が大きい人がいます。
- 査定を担う人 — 事業の入口が止まります
- 店長・幹部
- 経理・事務を1人で担っている人
- 取引先の窓口になっている人
- 顧客との関係が強い人
1番目には、最も丁寧に対応してください。処遇の改善を交渉の条件に含めることも検討してください。買い手にとっても、この人の残留は事業の前提です。従業員のために交渉することは、経営者として当然の役割です。
方式による労務の違い
承継の方式によって、手続きが変わります。
- 株式譲渡の場合 — 雇用契約は継続します
- 事業譲渡の場合 — 新たな雇用契約になります
- 勤続年数の通算の可否を確認する
- 有給休暇の残日数の扱いを確認する
- 退職金制度の扱いを確認する
- 社会保険の手続きを確認する
3番目から5番目は、従業員にとって重要な条件です。必ず社会保険労務士・弁護士にご確認ください。方式によって扱いが異なります。説明の前に確認し、正確な内容を伝えてください。
まとめ
スタッフには雇用と待遇から伝えてください。
査定担当には個別に、早めに。ここを外すと店の力が落ちます。
※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。労働法令の具体的な適用や必要な手続きは、法改正や個別の事情によって異なります。実際の対応にあたっては、社会保険労務士等の専門家および所轄の労働基準監督署にご確認ください。