欠格事由とは
一定の事由に該当する人は、古物商許可を受けることができません。法人の場合、その役員も同様に確認の対象になります。
具体的にどのような事由が定められているかは法令によります。破産手続開始の決定を受けて復権していない場合、一定の刑に処せられて所定の期間を経過していない場合、過去に古物営業の許可を取り消された場合などが含まれます。
該当の有無は個別の判断になります。心当たりがある場合は、必ず管轄窓口または専門家に確認してください。
この確認は、本人に直接尋ねる形になるため気を使う場面です。ただ、後から判明すれば許可そのものに影響します。役員に迎える手続きの一部として定型的に確認する形にしておくと、個人を疑う話になりません。
なお、法人自体が過去に許可を取り消されている場合も確認の対象になります。会社を買って事業を始める場合は、その法人の過去の履歴も調べておいてください。
役員を増やすときの確認
法人で役員を追加するとき、この点を確認せずに登記だけ進めてしまう例があります。後から欠格事由に該当すると分かれば、許可そのものに影響します。
役員に迎える予定の人がいる場合、登記の前に確認するのが順序です。あわせて、役員変更に伴う届出も必要になります。
順序を守るには、登記の手続きを依頼する前に確認する流れを作っておくことです。司法書士に登記を任せていると許可の論点が工程に入らないため、自社側でチェックする必要があります。
承継の場面で問題になるとき
次のような場面で論点になります。
- 後継者が役員に入るとき
- 代表を交代するとき
- 相続で相続人が事業を継ぐとき
- 第三者へ株式を譲渡し、買い手側の人が役員に入るとき
とくに最後の場面では、買い手側の役員構成も確認の対象になります。株式譲渡で許可がそのまま残るとはいえ、役員が変われば確認が必要だという点は押さえておいてください。
最後の場面では、買い手側にも確認をお願いすることになります。言い出しにくいと感じるかもしれませんが、取引の前提に関わる論点です。基本合意の段階で確認事項として挙げておくのが自然です。
買収監査で見られる
買い手側は、対象会社の許可が有効に維持されているかを確認します。役員の変更が届け出られているか、欠格事由に該当する役員がいないか。ここに疑義があれば、契約の前提が崩れます。
売り手としては、役員の異動と届出の履歴を整理しておくと、監査がスムーズに進みます。
整理するときは、登記事項証明書の履歴と許可の届出の履歴を時系列で並べてください。役員の異動と届出が対応していることが一目で分かる形にすると、監査が早く済みます。
管理者も同様に確認が要る
営業所の管理者についても、なれない事由が定められています。管理者を選任・交代するときは、あわせて確認してください。
管理者は従業員から選任することが多いため、確認の場面が役員よりさらに気を使うものになります。選任の手続きの一部として書面で確認する形にしておくと、毎回悩まずに済みます。
あわせて、管理者の要件には真贋を判断できる知識・経験が求められる場合があります。欠格事由に該当しないことだけでなく、その営業所で実際に業務にあたれるかも確認してください。
点検のしかた
次のタイミングで確認する習慣をつけてください。
- 役員を追加・変更するとき(登記の前に)
- 管理者を選任・交代するとき
- 承継やM&Aの検討を始めたとき
- 年に1回、登記事項証明書と許可の届出内容を突き合わせるとき
4番目の年1回の点検は、決算の作業とあわせるのが現実的です。登記事項証明書を取得する機会に許可の届出内容と並べて確認する。それだけで、ずれを1年以内に見つけられます。
役員構成を動かす前のチェック
役員を追加・変更する場面では、登記の前に次を確認してください。順序を逆にすると取り返しがつかないことがあります。
- 迎える人が欠格事由に該当しないか — 該当の有無は個別の判断です。心当たりがある場合は管轄窓口または専門家に確認してください
- 変更に伴う届出の期限 — 登記だけ済ませて届出が漏れる例が多くあります
- 管理者を兼ねている役員か — 代表が管理者を兼ねていた場合、両方の手続きが必要になります
- 取引先への届出・名義変更 — オークション会場の会員資格、モールの出店契約、リース契約なども確認が要ります
- 金融機関への連絡 — 借入や個人保証がある場合、代表交代は事前の相談事項になります
とくに1番目を登記の後に確認してしまうと、許可の維持に関わる問題になります。順序として先に置いてください。
まとめ
欠格事由は、法人では役員も対象になります。役員を動かす前に確認する。これを順序として守ってください。
承継を検討し始めたら、まず登記と許可の届出内容を並べて確認しましょう。
登記と許可の届出内容を並べて確認するのは、一度やれば5分で終わる作業です。承継を検討し始めたら最初にやっておいてください。整理のしかたについてはご相談いただけます。
※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。古物営業法にもとづく許可の要否・必要書類・審査期間や、本人確認義務の具体的な運用は、法令の改正や管轄する警察署・公安委員会の運用によって異なります。実際の手続きにあたっては、必ず管轄窓口および専門家にご確認ください。