この地域の特徴

  • アジア向けの輸出が現実的な選択肢になる
  • 港湾・空港があり、発送の経路が確保しやすい
  • 訪日客の来店がある地域とない地域がある
  • 福岡圏と他県で商圏の性格が違う

輸出という売り先

国内では値が付きにくい品でも、海外では需要があることがあります。売り先が増えれば、仕入れられる幅も広がります。

負担
輸出業者に売る手間が少ない・利幅は薄い
自社で越境EC手間が多い・利幅は厚い
来店した海外バイヤーに売る相手次第で不安定

確認しておくこと

  • 品目によっては輸出に手続きや制限がある
  • 決済と為替の条件を書面にする
  • 返品・不着の扱いを事前に決める
  • 相手方の実在と支払い能力を確認する

輸出の可否や必要な手続きは品目で異なります。判断がつかないものは、管轄の窓口や専門家に確認してから進めてください。

インバウンドへの向き合い方

訪日客の来店がある店では、免税や本人確認の扱いを整理しておく必要があります。買取と販売で必要な手続きが違う点に注意してください。

承継・譲渡での見られ方

  • 輸出売上の比率と継続性を見られる
  • 相手先が特定の一社に偏っていないか
  • 手続きが担当者の頭の中だけにないか
  • 為替による利益の振れをどう見ているか

いま整えておくこと

  1. 輸出先と取引額を一覧にする
  2. 手続きの流れを手順書にする
  3. 決済条件を契約書として残す
  4. 国内売上と輸出売上を分けて集計する

輸出という売り先を整理する

海外向けの販売がある場合、実績と体制を整理してください。

  1. 輸出の実績を集計する — 仕向地、品目、金額、比率
  2. 取引先の数と、取引年数を整理する
  3. 代金の回収方法を整理する — 前払い、信用状、後払いの比率
  4. 規制の該当性を確認する
  5. 通関業者との関係を整理する
  6. 国内販売との粗利率を比較する

輸出に関する規制の適用は、品目と仕向地によって異なります。所管の窓口・専門家にご確認ください。確認を怠った取引があれば、承継の場面で問題になります。取扱品目ごとに確認しておいてください。

与信と為替への備え

海外取引には、固有のリスクがあります。

  • 取引条件を前払い中心にする — 回収リスクを下げます
  • 新規取引先の審査手順を定める
  • 取引先別の与信限度を設定する
  • 為替の影響を把握する — 収益への感応度です
  • 過去の貸倒れ実績を整理する

1番目が最も確実な対策です。中古品の輸出では、前払いを条件とする取引が一般的です。後払いの比率が高い場合は、その理由と管理の方法を説明できるようにしておいてください。承継の場面で必ず確認されます。

インバウンド需要の扱い方

観光客の来店がある場合、収益への寄与を整理してください。

  • 訪日客の来店比率を把握する
  • その売上と粗利を分けて集計する
  • 変動の大きさを認識する — 外部要因に左右されます
  • 免税対応の状況を整理する — 該当する場合です
  • 言語対応の体制を整理する

3番目を前提に、依存度を管理してください。訪日需要は、外部の要因で大きく変動します。この比率が高い事業は、変動リスクとして評価されます。国内向けの収益基盤とあわせて示してください。免税手続きに関する要件は、税理士・所管の窓口にご確認ください。

承継で示すべき材料

輸出と観光の両面を含めた説明が求められます。

  • 輸出の実績と、取引先との関係の形
  • 規制対応の記録
  • 訪日需要への依存度
  • 国内向けの収益基盤

4番目を明確にしてください。外部要因に左右される部分を除いても事業が成立することを示せれば、評価が安定します。輸出と訪日を除いた収益を計算し、その水準を示してください。

まとめ

九州は輸出という売り先を持てる地域です。手続きと相手先を会社に残すことが承継の条件になります。

属人的な取引のままでは引き継げません。