何が見えるようになるか

  • どのカテゴリが会社を支えているか
  • どこで資金が寝ているか
  • 撤退・注力の判断ができる
  • 買取原価率の適正値をカテゴリごとに設定できる
  • 担当者別の実績を評価できる

買い手が使う場面

  1. 自社の販売網に乗るかの判断:どのカテゴリが主力かで、シナジーが変わる
  2. 在庫評価:カテゴリごとに掛け率を変える根拠になる
  3. 買収後の計画:どこを伸ばし、どこを整理するか
  4. 収益の持続性の判断:特定カテゴリの相場に依存していないか
  5. 出し方

    個品管理ができていれば、自動的に出ます。できていない場合は、次から始めてください。

    1. カテゴリの区分を決める(10〜20程度)
    2. 買取と販売の記録に、カテゴリを付与する
    3. 月次で、カテゴリ別の売上・原価・粗利を集計する
    4. あわせて回転日数と在庫金額も出す

    粗利「額」で見る

    率ではなく額を見てください。額が事業を支えています。

    粗利率が高くても、点数が少なければ額は小さい。逆に率は低くても、回転が速ければ額は大きくなります。

    示し方

    カテゴリ売上粗利額粗利率在庫金額回転日数
    ◯◯
    △△

    この1枚があると、買い手はすぐに事業の構造を理解できます。説明の時間が大幅に短縮されます。

    特定カテゴリへの依存を示す

    1カテゴリに粗利が集中していると、リスクとして見られます。

    ただし、その理由を説明できれば減点は小さくなります。

    • 「専門特化しており、その分野で地域の認知がある」
    • 「複数年にわたり、安定して粗利が出ている」
    • 「相場変動期でも、粗利率を維持できている」

    集計の単位をどう決めるか

    細かすぎても粗すぎても使えません。単位の設計が要ります。

    • 10〜20区分を目安にする — これ以上増えると、判断に使えません
    • 金額の大きいカテゴリは細分化する — 主力は、さらに分けて見ます
    • 小さいカテゴリはまとめる — 「その他」で構いません
    • 販路別にも分けられるようにする — 同じカテゴリでも、販路で粗利率が違います
    • 区分を年度の途中で変えない — 変えると、推移が追えなくなります

    5番目を守ってください。集計区分を変えると、前年比較ができなくなります。3年分の推移を示せることが資料としての価値なので、区分は慎重に決め、決めたら維持してください。変更が必要な場合は、過去分も遡って組み替えます。

    依存の程度をどう説明するか

    特定カテゴリへの依存は、隠すより説明するほうが評価を保てます。

    1. 上位3カテゴリの粗利構成比を示す
    2. その依存が何年続いているかを示す — 長く安定していれば、強みです
    3. 依存の理由を説明する — 仕入れ経路、技術、立地のどれによるかです
    4. 相場の影響を受ける度合いを示す
    5. 他カテゴリの育成状況を示す — 分散に向けた取り組みがあれば、あわせて伝えます

    3番目が評価を分けます。依存の理由が「その分野に強い査定担当がいるから」であれば、その人の継続が前提になります。「立地と地域の需要による」のであれば、事業に紐づいた強みです。どちらかによって、買い手の見方が変わります。

    数字が示す打ち手につなげる

    集計は資料作りではなく、経営判断のための道具です。

    • 粗利額の小さいカテゴリの扱いを決める — 縮小、維持、撤退のいずれかです
    • 粗利率の高いカテゴリに資源を寄せる — 仕入れと売場の配分を変えます
    • 作業時間まで含めて再計算する — 手間のかかるカテゴリは、実質の利益が小さくなります
    • 集客用カテゴリを識別する — 単体では薄くても、来店を生む商材があります
    • 判断した結果を記録する

    5番目が資料の説得力を高めます。数字を出しただけの会社と、それに基づいて構成を変えてきた会社では、評価が違います。「この数字を見てこう判断し、結果こうなった」という履歴が、管理能力の証明になります。

    まとめ

    カテゴリ別粗利は、事業の構造を1枚で説明できる資料です。額で見てください。

    まずカテゴリの区分を決め、月次の集計を始めましょう。個品管理がその土台になります。