基本の構成
- 会社の概要
- 現状と課題
- 取り組みの内容
- 期待される効果(数値で)
- 実施のスケジュール
- 資金の計画
- 実施の体制
制度によって様式は異なりますが、問われる中身は共通しています。
1. 会社の概要
- 事業内容(一般貨物、倉庫、利用運送の別)
- 車両台数、従業員数、営業所
- 主な取引先の業種(社名は伏せて可)
- 直近3期の売上・利益
- 強み(他社と違う点を具体的に)
2. 現状と課題
ここを数字で書けるかが、計画全体の説得力を決めます。
| 悪い書き方 | 良い書き方 |
|---|---|
| ドライバーが不足している | ドライバー◯名が必要だが◯名で運行しており、実働率が◯%にとどまっている |
| 事務作業が多い | 請求業務に月◯時間かかっており、担当者1名に集中している |
| 荷待ちが長い | 直近3か月の平均荷待ちは◯分で、拘束時間の◯%を占める |
| 配車が属人的 | 配車を担えるのが1名のみで、その者の不在時は運行計画が作れない |
数字を出すには、日頃の記録が必要です。労働時間の把握方法、荷主別の採算管理をご覧ください。
3. 取り組みの内容
- 何を導入するのか(設備・システムの具体名と仕様)
- それがどう課題を解決するのか(因果関係を明確に)
- なぜその選択なのか(他の選択肢との比較)
「導入します」だけでは足りません。 「◯◯を導入することで、△△の作業がなくなり、□□時間が削減される」という流れで書いてください。
4. 効果を数値で示す
審査で最も見られる部分です。
- 労働時間の削減:月◯時間 → ◯時間
- 生産性の向上:1人あたり売上、1台あたり売上
- 売上・利益の見込み:3〜5年の計画
- 実働率・実車率の改善
- 賃上げ:制度によっては要件になります
数値には根拠を添えてください。「◯%向上」だけでなく、「現在の作業時間◯時間のうち、◯時間が自動化されるため」といった計算過程を示します。
過大な数字を書かないことも重要です。実績報告で説明できなくなります。
5. 実施のスケジュール
- 交付決定後、いつ発注するか
- 導入・設置の時期
- 運用開始の時期
- 実績報告の時期
補助事業の実施期間内に完了する計画にしてください。期間を超えると対象外になります。
6. 資金の計画
- 総投資額
- 補助金額(見込み)
- 自己負担額
- 自己負担分の調達方法:自己資金か借入か
- 補助金入金までのつなぎ資金(つなぎ資金の準備)
7. 実施の体制
- 誰が責任者か
- 社内の担当者
- 外部の支援(ベンダー、専門家)
「社長が一人でやる」という体制は、実行可能性の面で評価が下がることがあります。担当者を明示してください。
審査で評価される観点
- 課題と取り組みがつながっているか
- 効果が具体的で、根拠があるか
- 実行可能か:体制、資金、スケジュール
- 継続性:導入後も運用できるか
- 政策的な目的に合致しているか:生産性向上、働き方改革、賃上げなど
公募要領に審査の観点が明記されていることが多いので、必ず読んで、それに沿って書いてください。
書くときのコツ
- 専門用語を避ける:審査員が運送業に詳しいとは限りません
- 図表を使う:現状と改善後の比較、スケジュール
- 写真を入れる:現場の状況が伝わります
- 一文を短く
- 結論を先に書く
補助金以外でも使える
同じ内容が、次の場面でも使えます。
- 金融機関への説明:借入の申込
- 荷主への提案:改善への取り組みとして
- 社内の共有:なぜこの投資をするのか
- 承継・M&Aの資料:会社の方向性を示す
M&Aでは、買い手が「この会社は今後どうなるか」を知りたがります。事業計画があると、説明が格段に楽になります。企業概要書には何を書くかをご覧ください。
支援を受ける
認定経営革新等支援機関、商工会議所、よろず支援拠点などが支援を行っています。初めての申請では、支援を受けたほうが確実です。
ただし、丸投げしないでください。現状と課題は自社しか書けません。
まとめ
事業計画書は、現状と課題を数字で書けるかが説得力を決めます。課題 → 取り組み → 効果の因果関係を明確にし、効果には計算の根拠を添えてください。過大な数字は実績報告で困ります。同じ内容が金融機関への説明や承継の資料としても使えます。
※ 補助金の名称・対象経費・要件・公募時期は年度によって変わります。本記事は一般的な進め方を整理したものですので、実際の申請にあたっては、必ず最新の公募要領をご確認ください。