基本の構成

  1. 会社の概要
  2. 現状と課題
  3. 取り組みの内容
  4. 期待される効果(数値で
  5. 実施のスケジュール
  6. 資金の計画
  7. 実施の体制

制度によって様式は異なりますが、問われる中身は共通しています。

1. 会社の概要

  • 事業内容(一般貨物、倉庫、利用運送の別)
  • 車両台数、従業員数、営業所
  • 主な取引先の業種(社名は伏せて可)
  • 直近3期の売上・利益
  • 強み(他社と違う点を具体的に

2. 現状と課題

ここを数字で書けるかが、計画全体の説得力を決めます。

悪い書き方良い書き方
ドライバーが不足しているドライバー◯名が必要だが◯名で運行しており、実働率が◯%にとどまっている
事務作業が多い請求業務に月◯時間かかっており、担当者1名に集中している
荷待ちが長い直近3か月の平均荷待ちは◯分で、拘束時間の◯%を占める
配車が属人的配車を担えるのが1名のみで、その者の不在時は運行計画が作れない

数字を出すには、日頃の記録が必要です。労働時間の把握方法荷主別の採算管理をご覧ください。

3. 取り組みの内容

  • 何を導入するのか(設備・システムの具体名と仕様)
  • それがどう課題を解決するのか(因果関係を明確に
  • なぜその選択なのか(他の選択肢との比較)

「導入します」だけでは足りません。 「◯◯を導入することで、△△の作業がなくなり、□□時間が削減される」という流れで書いてください。

4. 効果を数値で示す

審査で最も見られる部分です。

  • 労働時間の削減:月◯時間 → ◯時間
  • 生産性の向上:1人あたり売上、1台あたり売上
  • 売上・利益の見込み:3〜5年の計画
  • 実働率・実車率の改善
  • 賃上げ:制度によっては要件になります

数値には根拠を添えてください。「◯%向上」だけでなく、「現在の作業時間◯時間のうち、◯時間が自動化されるため」といった計算過程を示します。

過大な数字を書かないことも重要です。実績報告で説明できなくなります。

5. 実施のスケジュール

  • 交付決定後、いつ発注するか
  • 導入・設置の時期
  • 運用開始の時期
  • 実績報告の時期

補助事業の実施期間内に完了する計画にしてください。期間を超えると対象外になります。

6. 資金の計画

  • 総投資額
  • 補助金額(見込み)
  • 自己負担額
  • 自己負担分の調達方法:自己資金か借入か
  • 補助金入金までのつなぎ資金(つなぎ資金の準備

7. 実施の体制

  • 誰が責任者か
  • 社内の担当者
  • 外部の支援(ベンダー、専門家)

「社長が一人でやる」という体制は、実行可能性の面で評価が下がることがあります。担当者を明示してください。

審査で評価される観点

  • 課題と取り組みがつながっているか
  • 効果が具体的で、根拠があるか
  • 実行可能か:体制、資金、スケジュール
  • 継続性:導入後も運用できるか
  • 政策的な目的に合致しているか:生産性向上、働き方改革、賃上げなど

公募要領に審査の観点が明記されていることが多いので、必ず読んで、それに沿って書いてください。

書くときのコツ

  • 専門用語を避ける:審査員が運送業に詳しいとは限りません
  • 図表を使う:現状と改善後の比較、スケジュール
  • 写真を入れる:現場の状況が伝わります
  • 一文を短く
  • 結論を先に書く

補助金以外でも使える

同じ内容が、次の場面でも使えます。

  • 金融機関への説明:借入の申込
  • 荷主への提案:改善への取り組みとして
  • 社内の共有:なぜこの投資をするのか
  • 承継・M&Aの資料:会社の方向性を示す

M&Aでは、買い手が「この会社は今後どうなるか」を知りたがります。事業計画があると、説明が格段に楽になります。企業概要書には何を書くかをご覧ください。

支援を受ける

認定経営革新等支援機関、商工会議所、よろず支援拠点などが支援を行っています。初めての申請では、支援を受けたほうが確実です。

ただし、丸投げしないでください。現状と課題は自社しか書けません。

まとめ

事業計画書は、現状と課題を数字で書けるかが説得力を決めます。課題 → 取り組み → 効果の因果関係を明確にし、効果には計算の根拠を添えてください。過大な数字は実績報告で困ります。同じ内容が金融機関への説明や承継の資料としても使えます。

※ 補助金の名称・対象経費・要件・公募時期は年度によって変わります。本記事は一般的な進め方を整理したものですので、実際の申請にあたっては、必ず最新の公募要領をご確認ください。