2種類の資料を用意する
ノンネームシート
社名が特定できない形の1枚資料です。業種、エリア(都道府県または地方レベル)、規模感、特徴だけを記載します。この段階では詳細を書きません。
企業概要書
秘密保持契約を締結した相手にのみ開示する詳細資料です。社名を含め、事業内容と数字を具体的に記載します。
企業概要書の主な項目
- 会社概要(設立、資本金、株主構成、役員)
- 事業内容(一般貨物・軽貨物・倉庫・利用運送などの構成)
- 拠点(営業所・車庫の所在地、面積、所有形態)
- 保有車両(車種別台数、年式構成、所有かリースか)
- 許可・登録の一覧
- 人員構成(職種別人数、年齢構成、勤続年数、有資格者)
- 荷主構成(業種、取引年数、売上比率)※社名は伏せることも
- 財務情報(直近3期の売上・利益・資産負債)
- 強みと課題
- 譲渡の理由と希望条件
運送会社で特に効く記載
- 実働率・実車率:稼働の質が伝わる
- 運賃改定の実績:収益力の裏づけになる
- 直取引の比率:下請け中心か直取引中心かは大きな差
- 有資格者の人数:運行管理者・整備管理者が複数いるか
- 離職率と採用実績:人が定着している証拠
- 特殊車両・設備:冷凍、タンク、クレーンなど参入障壁になるもの
これらは決算書からは読み取れません。自分から書かなければ伝わらない価値です。
特定を避ける書き方(ノンネーム)
運送業は、エリアと台数の組み合わせだけで会社が絞り込めてしまうことがあります。次の点に注意してください。
- 荷主の社名や業界内で有名な取引は書かない
- 珍しい車種・設備は表現をぼかす
- エリアは都道府県または地方レベルにとどめる
- 台数は幅で示す(例:20〜30台規模)
課題の書き方
課題を隠すと、デューデリジェンスで発覚したときに信頼を失います。課題と、それに対する対応方針をセットで書くのが基本です。
例:「労働時間の管理方法に改善余地があり、記録の統一と賃金計算の見直しに着手している」
準備のコツ
- 数字は決算書と一致させる(ずれると信用を失う)
- 写真を入れる(営業所、車庫、車両。現場の様子が伝わる)
- 更新しやすい形式で作る(交渉が長引くと数字が古くなる)
- 作成の過程で、自社の強みを再確認する
まとめ
企業概要書は、決算書に表れない価値を伝える資料です。実働率、直取引比率、有資格者、離職率。運送会社ならではの数字を盛り込んでください。
資料の作成は当社で担当しますので、材料をご提供いただければ形にします。