選択肢を整理する
雑品やミックスメタルの扱いには段階があります。
- そのまま出す:手間はかからないが単価は低い。
- 大まかに分ける:鉄と非鉄を分ける程度。
- 細かく分ける:アルミ、銅、真鍮、基板などに仕分ける。
- 外注に出す:分別を他社に任せる。
- 受け入れない:採算に合わない荷は断る。
5番目も選択肢に入れてください。断ることが最も利益に貢献する場合があります。持ち込まれるものを何でも受けていると、処理費のかかる荷が増えます。
4番目は人手が足りない会社に向きます。ただし外注先の許可の内容を確認する必要があります。
採算を計算する
感覚ではなく、次の式で比べてください。
- 分けた場合の売上の合計
- そのまま出した場合の売上
- 差額
- 分けるのにかかった時間
- 時間あたりの人件費
- 差額から人件費を引いた額
6番目が答えです。ここが赤字なら、分ける作業は損をしています。
ただし4番目の測り方に注意してください。手が空いている時間に行っているなら、追加の人件費は発生していません。逆に、他の作業を止めて行っているなら、その作業の機会損失も含めて考える必要があります。
実際に1日測ってみてください。何キロ分けるのに何時間かかったか。この数字がないまま判断すると、思い込みで続けることになります。
手が空く時間があるかどうか
判断を分ける最大の要素はここです。
- 入庫が少ない時期に手が空くか
- 天候で屋外作業ができない日があるか
- 高齢の従業員に無理のない作業として任せられるか
- 常に人が足りない状態か
3番目が実務的な解です。重量物を扱えなくなった経験のある従業員に、屋内での仕分けを担ってもらう形にすれば、人件費は既に発生しているものになります。
4番目に当てはまる会社は、分けないほうが合理的です。限られた人手を、より利益の出る工程に充ててください。
分けるなら品目を絞る
全部を細かく分けるのは非効率です。単価の差が大きいものだけに絞ってください。
- 単価が高く、見分けやすいもの
- 重量が軽く、量が集まりやすいもの
- 分けなければ大きく減額されるもの
- 混ざると引き取りを断られるもの
4番目は必ず分けてください。採算の問題ではなく、出荷できるかどうかの問題です。
1番目と2番目に当てはまるものから始めてください。少ない手間で差額が大きい品目が、必ずいくつかあります。
逆に、単価の差が小さいものは分けないでください。時間をかけた分が回収できません。
保管の場所と期間を決める
分ける判断をすると、在庫が増えます。管理が必要です。
- 品目ごとの置き場所を決める
- 量がまとまるまで置く期間の上限を決める
- 単価が高いものは屋内、施錠できる場所に
- 雨に濡れないようにする(重量と品質に影響する)
- 上限に達したら出す仕組みにする
2番目が要点です。「もっと集まってから出そう」で滞留すると、資金が寝ます。相場が下がれば、待った分が損になります。
3番目は盗難対策です。単価の高い品目を屋外に置くのは避けてください。
相場との関係
分ける判断は、相場によっても変わります。
- 品目間の単価の差が広がれば、分ける価値が上がる
- 差が縮まれば、そのまま出したほうがよい場合がある
- 相場が高い時期は、分けた分の見返りが大きい
- 下がっている局面では、待たずに出すほうがよいことがある
1番目を定期的に確認してください。数か月前の判断が、今も正しいとは限りません。
ただし、頻繁に方針を変えると現場が混乱します。四半期に一度見直す程度の頻度が現実的です。
判断を記録して共有する
決めたことを紙にしてください。
- どの品目を分けるか
- どの品目は分けないか
- 受け入れない荷の基準
- 置き場所と上限の量
- 見直す時期
3番目を明示してください。断る基準がなければ、現場は断れません。取引先に説明できる形にしておく必要があります。
そして判断の根拠となった計算も残してください。次に見直すとき、何を基準に決めたかが分かります。後継者に引き継ぐ材料にもなります。
混ざったものを減らす
分けるかどうかの前に、混ざる量を減らせます。
- 解体の工程で、外した時点で分けて置く
- 工程ごとに受け容器を用意する
- 後から分けるのは手間が倍になると周知する
- 混ざった荷を持ち込まれた場合の扱いを決める
1番目が最も効率的です。解体しながら分けるのと、混ざった山から分けるのでは、かかる時間が数倍違います。
2番目を用意すれば1番目が定着します。容器がなければ、まとめて置くことになります。
数字を現場に返す
- 分けた結果、いくら増えたか
- かかった時間
- 時間あたりの成果
- やめた品目とその理由
1番目を共有してください。手をかけた分が金額として見えると、作業の意味が伝わります。逆に合わない品目をやめる判断も、数字があれば納得を得られます。
※ 採算の判断は各社の人員構成と取引条件によって異なります。具体的な検討は専門家にご相談ください。