なぜ写真が必要なのか
中古部品を買う側は、状態を確認できなければ判断できません。
- 傷やへこみの程度
- 錆、腐食の状態
- 付属品が揃っているか
- 実際に自分の探しているものと同じか
写真がなければ、買い手は問い合わせをします。そしてその問い合わせに写真を送るまでの時間で、他社に決まります。
逆に写真があれば、問い合わせなしで注文が入ります。手間が減るのは売る側も同じです。
後回しにすると必ず滞る
「時間のあるときに撮る」という運用は、実際には機能しません。
理由を挙げます。
- 時間のあるときは来ない
- 倉庫に運んだ後では、取り出して撮る手間が二重に発生する
- どれが撮影済みか分からなくなる
- 汚れが固着してから撮ると、状態が悪く見える
3番目が厄介です。撮影済みと未撮影が混在すると、管理が破綻します。
工程に組み込む
解決策は、取り外した直後に撮ることです。
流れとしては次のようになります。
- 取り外す
- 簡単に清掃する
- 品番を確認する
- 撮影する
- データを登録する
- 保管場所へ運ぶ
この6つを1つの流れとして完結させるのが理想です。分断すると、どこかで止まります。
2番目を入れることが重要です。汚れたままの写真は、実際より状態が悪く見えます。軽く拭くだけで印象が変わります。
撮影場所を作る
専用の場所を作ると、時間が大幅に減ります。必要なものは多くありません。
- 背景:無地の壁、またはシート。散らかった背景では商品が目立ちません。
- 照明:屋外なら日陰、屋内なら明るい照明。影が強く出ないように。
- 台:小物を置く台。腰の高さがあると楽です。
- 吊り具:大型部品を立てて撮るための仕組み。
- 端末:スマートフォンやタブレット。
費用はわずかです。しかし毎回場所を探して撮るのと、決まった場所で撮るのでは、1点あたりの時間が数倍違います。
そして解体作業の動線上に置いてください。遠ければ運ぶ手間が発生します。
撮る枚数と角度を決める
人によって撮り方が違うと、質が振れます。標準を決めてください。
部位ごとに次のように決めます。
- 外装部品:正面、裏面、傷の部分の寄り。3枚以上。
- 機能部品:全体、品番の刻印部分、取付面。
- 内装部品:表面、裏面、汚れや破れの部分。
- 共通:傷や欠けがあれば、必ずその部分を撮る。
最後の点が信頼につながります。傷を隠して撮ると、返品とクレームになります。先に見せておけば、それを理解した人が買います。
手本となる写真を数枚用意して、撮影場所に貼っておいてください。言葉で説明するより早く伝わります。
1点あたりの時間を削る
工夫を挙げます。
- 同じ部位をまとめて撮る:外装をまとめて、機能部品をまとめて。段取りが減ります。
- 品番を写真に写す:後でデータ入力するときに、写真から読み取れます。
- 管理番号を一緒に写す:どの部品の写真か分からなくなるのを防げます。
- 枚数を増やしすぎない:3〜5枚で十分。10枚撮っても売れ方は変わりません。
- 加工しない:明るさの調整程度に留める。時間をかける価値がありません。
3番目が効きます。撮影とデータ登録が別のタイミングになる場合、写真と部品の対応が分からなくなるのが最大の失敗です。管理番号を書いた紙を一緒に写せば防げます。
担当を決める
「全員がやる」仕組みは、誰もやらない仕組みになりがちです。
選択肢としては次の形があります。
- 解体した人が、自分の外した部品を撮る
- 撮影とデータ登録の担当を置く
- 1日の決まった時間に、その日の分をまとめて処理する
3番目が現実的な折衷案です。「毎日夕方1時間」と決めれば、溜まりません。
どの形にせよ、未処理がどれだけあるか見える状態にしてください。溜まり始めたら気づける仕組みが必要です。
効果を測る
取り組んだ結果を測ってください。
- 写真がある在庫と、ない在庫で、販売までの日数が違うか
- 問い合わせから成約までの時間が短くなったか
- 返品率が下がったか
数字が出れば、現場に伝えられます。「撮ると売れる」が実証されれば、続く仕組みになります。
撮った写真をどこで使うか
撮影の労力を最大限活かすため、使う場所を広げてください。
- 部品検索ネットワークへの掲載
- 自社のECサイト、モール
- 問い合わせへの回答(その場で送れる)
- 出荷前の状態記録(クレーム対応の根拠)
- 取引先への在庫案内
4番目を意識してください。販売用の写真と出荷前の記録を兼ねられます。梱包前にもう1枚撮っておけば、輸送中の破損か元からのものかを判別できます。
同じ撮影作業から複数の用途が生まれるなら、手間の見え方が変わります。現場にもそう伝えてください。
※ 撮影の方法や必要な設備は取扱量と部位によって異なります。自社で継続できる形を優先してください。