なぜ強みになるのか
- 新品の供給が終わっているため、代替がない
- 探している人は価格より入手を優先する
- 扱う業者が少なく、競合が限られる
- 持ち主が車を手放したくない場合が多い
- 整備工場も部品を探して困っている
2番目が価格の面で効きます。他に手がない部品は、値引きの交渉になりません。
5番目は販路として意味があります。整備工場が探しても見つからない部品を持っていれば、そこから継続的な関係が生まれます。
抱えるリスク
利点だけではありません。
- いつ売れるか分からない(数年かかることがある)
- その間、保管の場所を占める
- 資金が寝る
- 結局売れずに処分することがある
- 対象の車が減り、需要そのものが消える
1番目と2番目が現実の負担です。10年置いて売れる部品と、10年置いて処分する部品を、事前には区別できません。
だからこそ、何でも取っておくのではなく、絞る必要があります。
取る部品を絞る
判断の基準を挙げます。
- その車種の登録台数が国内にどれだけ残っているか
- 大切に維持されている車種か
- その部品が壊れやすい箇所か
- 新品の供給状況
- 部品の大きさ(保管の負担)
- 過去に問い合わせを受けたことがあるか
2番目が重要な視点です。台数が少なくても、大切に維持される車種なら部品の需要は続きます。逆に、台数が多くても使い捨てられる車種なら需要は消えます。
3番目も効きます。壊れないところの部品は、いくら残しても売れません。修理で必要になる箇所を選んでください。
5番目を必ず考慮してください。小さくて単価の高い部品は保管の負担が軽く、この戦略に向きます。大型の部品を長期に持つのは負担が大きすぎます。
問い合わせを記録する
需要を知る最も確実な方法です。
- 問い合わせを受けた部品を記録する
- 在庫がなくて断ったものを特に記録する
- 車種と部位を残す
- 3か月ごとに集計する
2番目が最も価値のある情報です。断った部品の記録は、次に取るべき部品の一覧になります。
そして同じ車種の車が入庫したときに、その部品を取る。この流れが作れれば、無駄なく在庫を作れます。
期限を決めて見直す
長期に持つ前提でも、期限は必要です。
- 保管する期間の上限を決める(品目ごとに変えてよい)
- 期限が来たら判断する(延長するか、処分するか)
- 判断の基準を決める(問い合わせがあったか、対象車が残っているか)
- 延長する場合、次の期限を決める
2番目を仕組みにしてください。期限がなければ、20年前の部品が棚を占め続けます。
3番目の基準として、問い合わせの記録が使えます。5年間一度も問い合わせがなければ、需要がないと判断できます。
持っていることを知らせる
在庫があっても、知られなければ売れません。
- 部品検索の仕組みに掲載する
- 車種名で検索されるように情報を入れる
- その車種を扱う専門店に知らせる
- 愛好家の集まりに情報を届ける
- 「在庫あります」を継続的に出す
3番目が最も効率的です。特定の車種を扱う専門店は、部品の入手先を常に探しています。
4番目も有効です。旧型車を維持している人たちは情報を共有しています。そこに届けば、指名で問い合わせが来ます。
価格の付け方
- 相場がないため、自社で決める必要がある
- 入手の難易度を反映する
- 新品が出ていた頃の価格を参考にする
- 他に出ているものがあれば比較する
- 安売りしない
5番目を意識してください。代替のない部品を安く出すと、転売されるだけです。
ただし、高すぎれば売れずに滞留します。問い合わせが来て成約しない場合、価格が理由かどうかを確かめてください。
承継の観点
この在庫は、評価が難しい資産です。
- 買い手から見て、売れる見込みが分かりにくい
- 実績を示せれば評価される
- 問い合わせの記録が根拠になる
- 需要のない在庫は負担として見られる
2番目と3番目が鍵です。「この領域で年間いくら売っている」という実績があれば、在庫は強みとして見られます。
記録がなく、ただ古い部品が積まれている状態なら、処分費のかかる負担として扱われます。同じ在庫でも、記録の有無で評価が変わります。
入庫の段階で判断する
旧型車が入ったときに、その場で決める必要があります。
- 対象の車種一覧を現場に貼る
- その車種で取る部位を指定しておく
- 判断できる人がいない場合の連絡先
- 写真を撮って後から判断する形にするか
1番目と2番目を紙にしてください。解体してしまってからでは取り返せません。
4番目も有効です。判断に迷う車は、写真を撮って解体を待つ。1日待つだけで判断できます。
専門店との関係をつくる
- 扱っている車種の専門店を探す
- 在庫の一覧を渡す
- 探している部品を聞く
- 入庫したら連絡する関係にする
3番目が最も効率的です。相手が探している部品が分かれば、それを狙って取れます。在庫リスクがほぼありません。
※ 在庫の評価や保管の判断は各社の状況によって異なります。具体的な検討は専門家にご相談ください。