練習すべき場面
- 査定額を提示する場面:根拠をどう説明するか
- 期待より安いと言われた場面:どう応じるか
- 値がつかないと伝える場面:断り方
- 他に売るものがないか聞く場面:次につなげる
- 本人確認をお願いする場面:抵抗されたときの説明
5番目を練習している店は少ないのですが、ここでの説明が下手だと、確認が省略されます。
進め方
- 2人1組で、客役と店員役に分かれる
- 場面を1つ選ぶ(5分程度)
- 実際にやってみる
- 客役が、感じたことを伝える
- 役を交代する
- 良かった言い回しを、全員で共有する
朝礼や開店前の10分でできます。長時間の研修にしないことが継続の条件です。
良い声かけの型
査定額の提示では、次の順が伝わりやすい形です。
①拝見した内容(型番、状態、付属品)→ ②相場の水準 → ③状態による評価 → ④提示額 → ⑤根拠の補足
金額だけを伝えると、高いか安いかしか判断されません。過程を見せると、納得感が生まれます。
断り方の型
「申し訳ありません。こちらは◯◯の理由で、当店ではお値段をお付けできません。もしよろしければ、◯◯という方法がございます。また、△△のようなお品でしたらお買取りできますので、次の機会にぜひお持ちください。」
理由・代替・次への誘いの3点セットにしてください。断るだけで終わらせないことが、次の来店につながります。
フィードバックのしかた
- 否定から入らない(「そこは違う」ではなく「こう言うともっと伝わる」)
- 具体的な言い回しで示す
- 客役の実感を大切にする(「その言い方だと責められている気がした」)
- 良かった点を必ず1つ挙げる
定着させる
- 良い言い回しを書き出し、一覧にする
- 新人研修の教材にする
- 月1回、場面を変えて繰り返す
- 成約率の変化を確認する
嫌がられずに続けるコツ
ロールプレイは、やり方を誤ると苦痛な時間になり、続きません。
- 短くする — 1回10分。朝礼の後などに組み込みます
- 全員の前でやらせない — 最初は2人1組で十分です
- ベテランも受ける側に回る — 新人だけが試される形にしないでください
- できていない点より、できている点を先に言う — 順序を変えるだけで受け取り方が変わります
- 台本を用意する — 何を話せばいいか分からない状態が、いちばん苦痛です
3番目が空気を決めます。ベテランが「自分は必要ない」という態度でいると、新人は見世物にされている感覚になります。まずベテランに受けてもらい、その場で新人が学ぶ形にすると、参加への抵抗が下がります。
録画を使う
自分の話し方は、自分では分かりません。スマートフォンで撮るだけで、指摘が要らなくなります。
- 本人の同意を得る — 撮影の目的と、保存しないことを先に伝えます
- 1分だけ撮る — 金額を伝える場面など、要点の部分に絞ります
- 本人がまず見る — 他人に指摘される前に、自分で気づく機会を作ります
- 気づいた点を本人に言わせる — 早口、目線、専門用語の多さなど、たいてい自分で気づきます
- その場で消す — 保存すると、以後の参加への抵抗になります
3番目と5番目が重要です。指摘されるより自分で見るほうが受け入れやすく、残らないと分かっていれば緊張も下がります。実際の接客を撮るのではなく、練習の場に限って使ってください。
効果を数字で確認する
やった感触ではなく、結果で確認してください。
- 買取の成約率 — 査定した件数のうち、実際に買い取れた割合。担当者別に出します
- 持ち帰り率 — 金額提示後に持ち帰られた割合。説明の質が最も表れます
- 再来店率 — 一度売った顧客が、再び持ち込んだ割合
- クレーム件数 — 説明不足に起因するものを分けて数えます
- 担当者間のばらつき — 平均より、差が縮まっているかを見ます
5番目が本来の目的です。ロールプレイは全体の底上げではなく、上手い人のやり方を全員に広げる手段です。差が縮まっていなければ、題材か進め方を変える必要があります。3か月ごとに担当者別の成約率を並べて確認してください。
まとめ
査定額の提示、断り方、本人確認のお願い。この3場面を、朝礼10分で練習してください。
良かった言い回しを書き出して、一覧にしていきましょう。