法人取引の特徴
| 個人 | 法人 | |
|---|---|---|
| 点数 | 数点 | まとまった量 |
| 時期 | 読めない | 事前に分かる |
| 価格交渉 | 感情的になりやすい | 合理的 |
| 求められること | 高く買う | 確実に、期日に、記録付きで |
| 継続性 | 一度きりが多い | 関係が続く |
どんな法人から出るのか
- オフィス移転・閉鎖:什器、PC、複合機
- 設備更新:厨房機器、工具、機械
- 店舗の改装・閉店:什器、備品、在庫
- 倉庫の整理:デッドストック、返品在庫
- ホテル・旅館の改装:家具、寝具、食器
求められる条件
- 期日を守れる:移転日は動かせません
- まとめて引き取れる:選り好みしない
- 記録を出せる:何を何点、どう処理したか
- データを消去できる:PC・複合機がある場合は必須
- 値がつかない品も処理できる:提携先の確保が必要
3番目が差別化になります。個品管理ができていれば、帳票は自動で出せます。
開拓のしかた
- まず既存の取引先・近隣の企業に声をかける
- 1件を丁寧にやり、実績と帳票の見本を作る
- オフィス移転業者、不動産管理会社、内装業者と提携する
- 商工会議所などのつながりを使う
いきなり大手を狙わず、近隣の中小企業から始めてください。
価格の決め方
個人の買取と違い、法人は見積りと稟議があります。
- 事前に現地を確認し、書面で見積りを出す
- 買取代金と作業料を分けて示す
- 値がつかない品の処理費も明示する
- 差引後の金額を明確にする
「全部込みで◯円」は避けてください。内訳が見えないと稟議が通りません。
契約と記録
- 作業範囲、日程、責任分担を書面にする
- 引き取った品の一覧を作成し、相手に渡す
- データ消去の証明を発行する
- 古物営業法にもとづく記録も、通常どおり作成する
なお、値がつかない品を有償で引き取る形は、廃棄物の取扱いに関わる可能性があります。自治体の窓口に確認してください。
初回取引で確認すること
法人取引は金額も点数も大きくなります。最初の1件で、確認すべきことを済ませてください。
- 取引の相手方を特定する — 法人名、所在地、担当者、決裁者
- 品物の由来を確認する — 自社の資産か、預かり品か、リース品でないか
- 処分権限があるかを確認する — 担当者に権限があるとは限りません
- リース・所有権留保の有無を確認する — 所有権が相手方にない品物は扱えません
- データ消去の要否を確認する — 記録媒体を含む機器では、必須の論点です
- 書面を取り交わす — 品目、数量、金額、引渡し方法、支払条件
4番目が最大の落とし穴です。複合機や車両、什器はリース物件であることが少なくありません。所有権の所在を確認せずに買い取ると、後から返還を求められます。書面での確認を、手順として固定してください。
継続的な取引にするための設計
一度きりの取引で終わらせず、定期的な仕入れ経路に育ててください。
- 担当者の窓口を固定する — 相手方にとって、連絡先が明確であることが価値です
- 対応の速さを約束する — 連絡から訪問までの日数を決めて伝えます
- 買取できない品物の処分も引き受ける — 相手の目的は、片付くことです
- 作業報告書を出す — 品目と金額を一覧にした書面は、相手の社内で必要になります
- 定期的に連絡を入れる — 決算期、期末、移転の時期に合わせます
4番目が継続の鍵になります。法人の担当者は、社内に説明する責任を負っています。何をいくらで処分したかを示す書面があれば、その担当者の仕事が楽になります。この配慮が、次の依頼につながります。
古物営業法上の記録と確認
法人からの仕入れでも、記録と確認の義務は変わりません。
- 相手方の確認を行う — 法人の場合の確認方法を、手順として定めておきます
- 取引の記録を作成する — 品目、数量、特徴、年月日、相手方
- 担当者個人ではなく、法人として記録する
- 大量の同種品を扱う場合の記録方法を確認する
- 不正品の申告があった場合の対応を決めておく
確認と記録の具体的な方法は、所轄の警察署に確認してください。法人取引における相手方確認の実務は、個人からの買取とは扱いが異なる部分があります。取引を始める前に確認し、手順書に落としておくことをお勧めします。継続的な取引になるほど、記録の一貫性が重要になります。
まとめ
法人仕入れは、量と時期が読める安定チャネルです。求められるのは、期日・まとめての引き取り・記録・データ消去です。
まず近隣の1社に声をかけ、1件を丁寧にやってみてください。