面談の位置づけ
秘密保持契約を結び、資料を開示したうえで、経営者同士が初めて対面します。1〜2時間程度、相手の会社で行うことも、中立的な場所で行うこともあります。
この場で価格の詰めはしません。事業への考え方、人の扱い、相性を確かめるのが目的です。
買い手から聞かれること
- 創業の経緯と、これまでの歩み
- なぜ今、承継を考えているのか
- 会社の強みは何か(荷主との関係、車種、エリア、技能)
- 現在の課題は何か
- 社長が日々やっている業務
- 従業員の構成と、キーパーソンは誰か
- 承継後、自分はどう関わりたいか
「課題は何か」を聞かれたとき、正直に答えるほうが信頼されます。課題のない会社はありません。把握しているかどうかが見られています。
売り手が聞くべきこと
- なぜ当社を検討しているのか(目的が明確か)
- 買収後、どう運営する構想か(統合の程度、既存事業との関係)
- 従業員の処遇をどう考えているか(雇用、賃金、役職)
- 屋号や社名をどうするか
- 自分にはいつまで関わってほしいか
- 過去に同業の買収経験はあるか(あれば、その後どうなったか)
- 意思決定は誰がするのか(社内の承認プロセス)
6は特に有効です。過去の案件で従業員がどうなったかは、方針を最もよく表します。
運送業ならではの確認
- 許可・車庫・運行管理体制について理解しているか
- 労働時間の規制と、それが収益に与える影響を分かっているか
- 荷主との関係をどう引き継ぐつもりか
- 車両の更新投資をどう考えているか
業界を理解していない買い手は、成約後の運営でつまずきます。この場で理解度を測っておくことが大切です。
当日の進め方
資料を読み上げる必要はありません。会話が中心です。緊張する場面ですが、次の点を意識してください。
- できないことを「できる」と言わない
- 数字は資料に基づいて話す(記憶で答えない)
- 従業員への思いは率直に伝えてよい
- その場で条件を約束しない(持ち帰る)
面談後の判断
「この人になら任せられるか」。感覚的ですが、最も重要な判断軸です。条件が良くても、違和感があれば無理に進める必要はありません。
複数の候補と面談し、比較したうえで決めるのが理想です。
まとめ
トップ面談は、お互いを知る場です。課題は正直に話し、聞くべき7つの質問を用意して臨んでください。
想定問答の準備や、当日の同席もご支援します。