専属体制の強みと弱み
| 強み | 弱み |
|---|---|
| 荷量が安定している | その1社を失うと終わり |
| 営業の手間がかからない | 運賃の決定権がない |
| 運行が定型化しやすい | 条件の変更に応じざるを得ない |
| 請求・与信の管理が楽 | 他の荷主との関係がない |
| 専用車両・設備で効率化できる | その荷主専用の資産は転用できない |
買い手からの見え方
買い手は、その1社との関係が続くかどうかだけを見ます。
- 契約に期間の定めがあるか
- 解約の予告期間
- チェンジオブコントロール条項があるか(チェンジオブコントロール条項)
- 取引の継続年数
- 荷主側の担当者との関係
- 荷主自身の業績と将来性
株主が変わったら解約できる条項があると、案件が止まります。 事前に必ず確認してください。
価格への影響
依存度が高いほど、次の形で影響します。
- 価格が抑えられる
- 代金の一部が後払いになる(一定期間、取引が続くことを条件に)
- 表明保証の範囲が広くなる
- 買い手が見送る
評価を下げてしまう要因、荷主分散が価値に効く理由をご覧ください。
確認すべき契約条件
- 契約期間と更新の方法
- 解約の予告期間(短いと極めて不利)
- 最低数量の保証があるか
- 運賃改定の協議条項
- 専用車両・設備の投資に関する取り決め
- チェンジオブコントロール条項
契約書がない場合、まず書面化を進めてください。荷主との契約書を整えるをご覧ください。
依存度を下げる
時間はかかりますが、企業価値に最も効きます。
- 既存の余力で他の荷主を受ける:帰り荷、閑散時間
- 着荷主から開拓する(直取引の開拓)
- 同業からの傭車を受ける
- 荷主の別部門・別拠点に広げる:同じ荷主内でも分散になります
専属契約で他社の仕事が禁じられている場合もあります。契約を確認してください。
専用資産の扱い
その荷主のために導入した車両・設備がある場合、取引が終われば転用が難しいという問題があります。
- 専用塗装の車両
- 特殊な仕様の車両
- 荷主の敷地内の設備
- 専用のシステム
買い手は、これらを資産価値として見ません。車両の評価はどう決まるかをご覧ください。
それでも譲渡する場合
- 契約条件を整える:期間、予告期間、CoC条項
- 荷主との関係を可視化する:担当者、経緯、評価
- 荷主に事前相談できるか検討する:同意が必要な場合
- 買い手を選ぶ:荷主が嫌がる相手を避ける(同業に売るか、異業種に売るか)
- 後払い条件を受け入れる覚悟:一定期間の取引継続を条件に
荷主が買い手になる可能性
専属している荷主自身が、物流を内製化するために買収するというケースがあります。
- 取引の継続リスクがない
- 従業員の雇用も安定しやすい
- ただし、価格交渉では相手が有利になりがち
譲受側から見た運送会社M&Aの狙いをご覧ください。
まとめ
専属体制は安定と引き換えに、交渉力と分散を失っています。買い手はその1社との関係の継続性だけを見ます。契約期間・解約予告・CoC条項を必ず確認し、可能なら依存度を下げてください。荷主自身が買い手になる可能性も検討の余地があります。